草を結びて環を銜えん (ケン・リュウ短篇傑作集4)

  • 早川書房
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本棚登録 : 105
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150122362

作品紹介・あらすじ

揚州虐殺のなかを生きた遊女を描いた表題作、満州で巨大熊を捕獲しようとした探検隊が出会った悪夢「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など全7篇を収録

感想・レビュー・書評

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  • 今回はSFと言うよりも歴史小説という感じでした。
    関羽をモデルにした華人のアメリカ入植の物語は面白かった。
    新作が楽しみですね。

  • 王朝が明から清へ替わる頃。揚州大虐殺をモチーフに美貌と知性を駆使して生き延びようとしたひとりの遊女と下女。生死は偶然でゆえに不公平。それが天の定め=運命なら、知恵と才覚で運命に逆らえ。自由と公平を結草銜環の故事に包んで謳った味わい深い短編。

  • 優しい物語を書くひとだ。
    ケン・リュウの傑作短篇集第4弾は星雲賞受賞の「シミュラクラ」など計7篇収録。第1弾から読んできたものとしては、著者の優しさを再確認する一冊だったように思います。「紙の動物園」や「母の記憶に」といった家族愛をテーマとした作品群のひとつとして本書の「シミュラクラ」があげられるかと思いますが、一度離れてしまった心を再び結びつける巧みさには感心せざるを得ません。これ、たった数十ページで描いているんですよね。物語の起伏にうまくSF的ガジェットを活用しているのでしょうが、最後の一節だけでゴールを決めてしまう「シミュラクラ」はまさにセンスの固まりかと。
    中国史(特に清成立の過渡期)を題材にした表題作やその姉妹作「訴訟師と猿の王」のほか、「万味調和――軍神関羽のアメリカでの物語」は中国系アメリカ人らしい作品。最近中国史に興味を抱きつつあることもあり、とても興味深く読み進めることができました。
    これら3篇はSFとは言い難い作品ですが、「烏蘇里羆」の味のある近未来世界観(日本版スチームパンクというのでしょうか)であったり、飛行船が主流となったもうひとつの世界を描く「『輸送年報』より『長距離貨物輸送飛行船』」などはSFが与えてくれるワクワク感を味わえてとてもよかったです。どちらの世界観ももっと堪能してみたいなぁ。
    ということで、いつもながら期待を裏切らないケン・リュウでした。次作も期待!

  • 相変わらず染みる。1番SFぽさが薄い?これはこれで好き。

  • 短編のとれもが珠玉。特に表題作『草を結びて…』と『訴訟師と猿の王』。登場人物が自分の人生を自分で生きる為に、知恵と勇気と自分が決めた正しさに従って闘う姿に言葉を失う。中国にはいつ平和な時があったのだろうかと思う。学ぶ学ばずを問わず孔子の心を理解する者のほとんどは迫害を受け、論語はもちろん多くの学問を修めたであろう者が奸計を巡らせ民を搾取した。
    本書を読み、また新しい中華文化や習慣、歴史の知識を得た。本書の中にある美しい文化が、永く残っていけば良いと思う。

  • 彼の作品の不思議なところは「中国系アメリカ人」という日本とは全くかすりもしないバックグラウンドの持ち主にも関わらず、日本人の自分の心にめちゃくちゃ響いてくるところだと思う。

    中国と日本には、西洋文化が入ってきたことにより元々持っていた文化が大きく変容してしまったという共通点があるけど、ケン・リュウはそこを考えさせるのが上手すぎる。

    作者の集大成的な短編集。if設定の科学発展を遂げた100年前の世界が舞台になっていたり、個人的にケン・リュウもので一番好きな古き中国の物語が多めに収録されているのがポイント高い。

  • 相も変わらぬ珠玉の短編集。
    個人的には「訴訟師と猿の王」がお気に入り。
    日本視点の面白さでは「烏蘇里羆(ウスリーヒグマ)」が良い感じですね。
    最後の「万味調和――軍神関羽のアメリカでの物語」の融和感もとても好き。
    良き短編集です。

  • 翻訳によるところがあるのかもしれないが
    物語全体にしっとりした質感・湿感がある気がする。
    それはけっしてジメジメしたものではなく
    現実の世界、原色にベールをかけて、
    おとぎ話的に装飾し、こころを落ち着かせる潤い。

  • 今読むケン・リュウの本は少女時代に読んだスタージョンだったり、光瀬龍だったりを思い起こさせる。
    単純に楽しいってのじゃない、楽しさっ(語彙不足

  • SF作家ケン・リュウが語る、テッド・チャン、テクノロジーを描くこと、異文化をつなぐSFの力|WIRED.jp
    https://wired.jp/2017/05/20/ken-liu/

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    ケン・リュウ傑作短篇集4
    揚州虐殺のなかを生きた遊女を描いた表題作、満州で巨大熊を捕獲しようとした探検隊が出会った悪夢「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など全7篇を収録
    http://www.hayakawa-online.co.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000014239&search=%A5%B1%A5%F3%A1%A6%A5%EA%A5%E5%A5%A6&sort=

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