折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (ハヤカワ文庫 SF リ 5-5)

制作 : ケン リュウ 
  • 早川書房
4.10
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本棚登録 : 841
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150122539

作品紹介・あらすじ

日本で発売後即10万部を突破した『三体』著者劉慈欣による「円」など7作家13作品をリュウが精選したアンソロジー、緊急文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • ・短編
    ・SF
    ・中国文学
    自分にとって不慣れなもの3拍子だけど、何となく良い入口にはなった気がする。

    個人的にはぶっ通しで読みたいところだけど、短編って意外とそれがしんどいし何より前に読んだ作品の余韻に浸っていたいというのが本書も御多分に洩れず、かな。

    編者のケン・リュウ氏が「中国は、多様な民族や文化や階級を持」つと話すように、姿形や育ち方がてんでバラバラな花達が同じフィールドに集まっている。
    最初の『鼠年』とか人間への警告を思わせるような(+少し掴みどころのない)SF作品が目を引くなか夏茄(Xia Jia)さんの3作品はファンタジー色と人間愛がきれいに混ざり合っていて、どれも読みやすかった!(『童童の夏』では儒教の「年長者を敬う」精神が息づいていて流石だなと思った笑)

    タイトルになるだけあって『折りたたみ北京』は読み応えGOOD。「?これがSF?」ってイントロだけど都市の謎が明るみになるにつれて、見たこともないタイプのSFが姿を現す。
    そんなパラレル北京に目を見張りつつ、禍々しくて妙にリアルな現実を聞かされても半分くらいしか理解できず、でもそれを深く気にも留めずにひたすら子供との生活を守ろうとする老刀(ラオ・ダオ)が逞しくも哀しく映る。

    『神様の介護係』の印象を一言で表すとシュール。
    超能力とかスピリチュアルな力を駆使するのかと思いきや人間と同じく機械文明を持ち宇宙船に住む神様とか笑
    人間達が敬いつつも人間同様の付き合いになっていくのも分かる。かと言ってシュール一色でもなく、今の文明に甘んじることなく先を見据えよって笑えない啓示が聞こえてきそうな気がしてくる。

    思うのは一度にいろんな花を観賞できるのがここの魅力なのかなと。不慣れなジャンルってのもあってやっぱりぶっ通しはしんどかったけど、新しい惑星を発見したような高揚感の方が今は大きい。

  • なるほど、こちらの方が『三体』日本刊行より早かったのだな。

    現代中国SFアンソロジーという、今注目の一冊。
    個人的には冒頭の「鼠年」が良かった。
    大学生活後、就職するために従事しなければならなくなったのは、鼠駆除隊という仕事。
    そこでは遺伝子改造されたネオラットの増殖に立ち向かう人間の姿が描かれているのだが。

    鼠の生も人間の生も、一つの盆の上で操られているというような、やりきれなさが、いい。
    あくまで私の感覚だけど、西洋SFよりも、泥臭いやりきれなさや、人間臭い冷笑が、中華SFには合っているような気がする。
    もっと言えば、中国には「四大奇書」が存在するわけで、そのポテンシャルたるや、と意気込まずにはいられない。

    「童童の夏」「神様の介護係」など、老人(老神)が活躍する話も、SFとしてはあまり読んだことのない切り口で、面白い。
    老いは叡智だ。
    その想いは、日本人にも通じると思う。

    巻末には『三体』についてのエッセイも載っていて、二巻、三巻がどうなるのかと思っていたけれど、いよいよ三巻まで読まなければという気持ちにさせられた(笑)
    訳者さん、すいませんが、頑張ってください。

  • かなり時間をかけてしまいました。
    「龍馬夜行」人類が滅んでしまった後の世界を、残った機械達に語らせることがシマックの「都市」を思わせる作品。
    「沈黙都市」 まさに今、香港で行われている事を予感させる秀作。他人事とは思わず、私達もこうなる可能性の崖っ淵にいるのだと改めて思い知らされる作品。
     
    作品に国境なし。読まないなんて損をしてしまうと思うアンソロジーでした。
    満足!

  •  ケン・リュウや『三体』の大ヒットなど、中国SFが最近話題ですが、この本でようやく自分も、中国SFの熱に触れることができました。なるほど、確かにこれはすごいわ……

     語りたい作品は色々あるのですが、まずはチャン・チウファンの『鼠年』
     企業が遺伝子改良を施した鼠が、研究施設から逃げ出し繁殖した世界が舞台で、その鼠を駆除する若者が主人公の短編。

     ケン・リュウの序文の後に最初に収録されている短編なのですが、いきなりすごいインパクトだったなあ。
    話の異様さもそうなのですが、大学を卒業しても働き口が無く、こうした仕事にしか就くことができない若者たちの姿は、現代の世界に通じる閉塞感や無力感を覚えさせます。

     さらに知性を持ち始める鼠たちの描写が不気味で、技術の恐ろしさを感じさせるばかりか、知性を持った生き物を殺さなければならない若者たちの葛藤や悲哀。

     さらに鼠たちと若者たちの姿を通して、より巨大な力の存在と、それにあがらえない個人の小ささや運命の過酷さ、見えない巨大な力の不気味さを思わされます。

     こうした閉塞感のあるSFというのは、自分は結構好きだったりします。チャン・チウファン作品で他に収録されている「麗江の魚」「シェーズイの花」も、技術だけでは救われない人間の哀切さを表していて好みです。

     また、表題作ハオ・ジンファンの「折りたたみ北京」は格差社会と、それを横断することになる男の物語なのですが、
    これは個人の小ささを感じさせるだけでなく、結末が目新しかったようにも思います。

     これまでのSFならば社会の真実を知った人間は、何かしらの行動を起こすという印象だったのですが、こう締めてくるのか……。

     最近大学入試をめぐって大臣が「身の丈に合わせて頑張ってくれれば」という趣旨の発言をして批判を浴びました。
    出身地域や家庭の経済環境で、学生の試験対策に差が出るのでは、という懸念に対し、大臣はこう述べたそうです。

     この回答は明らかに良くないものだと思うのですが、でもある意味では真実をついている気もして、少し空しくなったのを覚えています。

     この「折りたたみ北京」もそれと同じで、個人の力では越境できない世界があるという現実を。そしてそんな世界で、身の丈にあった幸せしか望めない人の姿を。そしてそれに満足せざるを得ない人の姿をSFという形を通して、描き切っているように思います。
    こう読むと、SFって現代の寓話になりつつあるよなあ、と感じてしまいます。

     ハオ・ジンファンは「折りたたみ北京」の他に「見えない惑星」という短編も収録されているのですが、こちらも面白かった。

    「折りたたみ北京」はどちらかといえば現実的な作品だったのに対し、「見えない惑星」は様々な惑星とそこに暮らす異星人たちの姿や文明を、まるで本当に見てきたかのように描くのです。
    これぞまさにセンス・オブ・ワンダー! 圧倒的なまでの想像力です。

     この二つの作品の、振り幅の大きさにも驚かされます。この幅の大きさも、中国SF作家の魅力の一つなのかもしれないなあ。

     マー・ボーヨンの「沈黙都市」は現代版『1984年』とも言える作品だと思います。
    『1984年』ではテレビなどを通して、国民の思考を監視していましたが、この『沈黙都市』は現代の技術に合わせて、よりリアルな監視社会を作り出しました。

     ネット技術の話から、人間の言語と思想や思考にまで話は広がり、読み応えは十分でしたが、本好きで、レビューなんかも書いてる自分がこんな世界にいたら、すぐに廃人みたいになるだろうな、と思ったり。

     話題の『三体』を抜粋改作したリウ・ツーシンの「円」もすごかったなあ。秦の始皇帝の時代で一体どうやってSFを書くんだ、と思ったのですが、読み終えてみると「確かにこれもSFなのかも」と思わされます。

     というか、あまりの物語の壮大さにSFであるとか、SFでないとか、どうでも良くなった、というのが正しい感想かも知れませんが(苦笑)

     中国の壮大な歴史と、インターネットという概念をこんな形で結びつけるとは! 人間計算機の描写は、想像すればするほど壮大で、実際にこんな光景を観れれば、もう死んでもいいんじゃないか、という気にもなりそうです。最後の幕切れも劇的だったなあ。

     同著者の「神様の介護係」は「円」とは趣向を変えたSFです。突然宇宙の彼方から”神”を名乗る老人たちがやってきて、地球人たちは彼らの技術を目当てに、”神様”を受け入れるのですが……

     高齢化社会を迎えている日本にとっては、ユーモアSFでは済まされない作品……。
    様々な皮肉も交えつつも、読み終える頃には地球のこれからを考えさせられている、なんとも不思議で印象的な作品でした。

     老人が印象的な作品で言えば「童童(ワンワン)の夏」もそんな作品。ワンワンという女の子の家に彼女のおじいさんと、その介護ロボットがやってくるのですが……。

     一億総活躍という名目で、どんどん働かなければいけない年齢が延びている日本ですが、それぞれの身体のこともあり、なかなか難しいのではないか、と自分は思っています。
    でも一方で、その年代の人々の知恵や技術、経験を継承するのは大事なことだとも思っています。

     そんな自分の懸念を見事に捉えたというか、技術を生かした新たなライフスタイルや、絆の誕生をこの作品は描きます。
    ディストピア的なSFは、それはそれで大好物なのですが、技術の明るい未来を描くSFもやっぱりいいなあ。

     この「童童の夏」の著者であるシア・ジアの作品は、他に2編収録されているのですが、どちらも印象深い。

     妖怪や幽霊とアンドロイドを共存させた「百鬼夜行街」も、独特な世界観と、奇抜な展開、そして切ない結末と、印象的な作品。

     そして個人的にこのアンソロジーで最も好きなのが同著者の「龍馬夜行」
    タイトルからはじめはてっきり”坂本龍馬”が出てくるのかと思ったのも、今はいい思い出(笑) 龍馬とは、僕もはっきりとは分からないのですが、どうやら馬の身体に龍の頭を持った空想上の動物だそうです。

     舞台は人間が絶滅し廃墟だけが残る世界。そこで、かつてパレードなどに使われたと思われる機械仕掛けの龍馬が、突然目を覚まし、行く当てもなく歩き始めるところから物語は始まります。

     この話を読み終えたとき、自分が最初に思い浮かべたのは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』でした。機械仕掛けの龍馬と、道中で出会う蝙蝠が一緒に誰もいない世界を往く、というメルヘンチックな設定がまずその理由の一つです。

     そして理由の二つ目が情景描写の美しさ! 夜の明かりの描写は本当に美しく、そして神秘的です。読めば読むほどに、物語には様々な意味や祈りが込められているように感じて、この物語世界にずっと浸っていたくなります。

     また龍馬と蝙蝠が夜を往く途中、お互いがそれぞれ自分の知っている話を互いに聞かせ合う場面があるのですが、ここの話がまた印象的。 

     いずれもあらすじしか語られないのですが、それだけで読んでいるこちらもワクワクしてくるようなものばかり。SFの千夜一夜物語といえるかもしれません。

     シア・ジアさんは、ここに出た話で実際に短編集にまとめてほしいです。もしそれが出たらケチな自分でも間違いなく、ハードカバーでも買うと思います(笑)

     短い作品ながらも物語と情報の壮大さに思いを馳せて、酔うような感覚を覚える、タン・フェイの「コール・ガール」

     そしてこちらも短い作品ながら、宇宙を舞台に様々なファンタジックな設定を付加した、壮大な世界観と詩的な文章が印象的なチョン・ジンポーの「蛍火の墓」と収録作品はいずれも個性的で、唯一無二の輝きを放つものばかり。

     今まで読んだアンソロジーの中でも、トップクラスに濃密な作品ばかりが並んでいたように思います。

     そして小説以外にも、中国SFにまつわるエッセイも収録されています。そのエッセイの書き手はいずれも、このアンソロジーに作品が収録されている方です。

     このエッセイも非情に興味深い。中国国内でのSFの変遷の話も面白く読めたのですが、改めて考えたのはSF作品に、何を託すかということ。

     このレビューのどこかでSFは現代の寓話になりつつあるのかもしれない、と書きました。それは、技術が急速に発展し、世界が急速に変わっていく中で、
    技術を使う側だったはずの人間に、その変化から取り残されているような不安があるからではないか、と個人的には思います。

     人工知能、遺伝子改良、核や戦争に関する技術、環境破壊、グローバル化のためリーマンショックのように、
    一企業の倒産でも混乱に陥る世界経済、いつの間にか集められ利用されている、個人情報とビッグデータ。

     いずれも一個人が扱うにはあまりに問題が大きく、そこには個人では力の及ばない、国家や巨大企業の論理や都合が、見え隠れしているように思います。
    かといって、国家や企業が、そうした問題をコントロールできているようにも思えない……。
    またコントロールできていたとして、それを国民や世界人類のために使ってくれる、という保証もない……。

     それでも自分たちは理想を持って未来を信じ、前に進まなければならない、と収録されているエッセイを読んでいると感じます。

     どんなSF作品であっても、根底にあるのは未来への希望だと自分は思っています。希望的な作品は言わずもがなですが、絶望を描くSF作品もそれを描くことによって警鐘を鳴らし、
    より良い未来を開くためには、どのような想像力を働かさせなければいけないのか。
    それを考えるヒントを与えてくれているのだと、思うのです。

     この本の序文でケン・リュウは中国の作家たちは、たんに中国だけでなく人類全体について言葉を発している、と書いています。

     作品を読んでいると、作品で使われるガジェットや設定は、やはり中国という国で育った作家だからこそ、というものがあるように思います。
    そして今の中国だからこそ描けた作中の閉塞感というものも、確かにあるとは思います。

     しかし、作品の根底にあるのは、中国だけでなく、世界に、そして人類全体に共通している普遍的なものだと思うのです。

     米英的な視点で語られてきた、SFの普遍的なもの。それは日本のSFであれば日本的な視点や文化を基に描かれるでしょうし、中国のSFであれば、中国的な視点や文化から描かれるものになると思います。

     その視点や文化が目新しいからこそ、中国SFも面白いですし、一方でその根底にあるものは普遍的なものであるからこそ、中国SFは広範囲にわたって読者を得たのだと思います。

     国家として急成長を遂げたものの、経済格差や環境問題、そしてネットの監視や人権の抑圧と、様々な矛盾や問題も抱えている中国。
    それはある意味では、今の世界の縮図とも言えるように思います。
    だからこそ、その問題を肌で感じ育った、中国作家の作品はより刺激的で、自分たち読者を魅了するのではないでしょうか。

     というわけで、また楽しみなジャンルが増えました。早川書房さんは『ミレニアム』の時の北欧ミステリブームといい、今回の中国SFブームといい、ブームを作るのが巧いなあ。また数年後には、新たな海外小説ブームを起こしてくれるのかなあ。

  • 文体にも、論調にも、設定にも好き嫌いがあって自分が読めるものとそうでないものがあった。それこそアンソロジーの醍醐味ではあるが、ことSFにおいて好みでない作品のそれは妄想患者の戯言のように聞こえてしまい少し疲れた。まだまだ修行が足りない。

  • このクラスの作家うじゃうじゃいるんだろうな、恐るべし。

  • 『鼠年』 感想メモ

    ・現実なのか妄想なのか判別がつかない
     →信頼できない語り手

    ・簡潔かつハードボイルド的文体
     『異邦人』を想起させた

    ・物語世界の全貌を把握できないから、ある意味、読者も「グレートゲーム」に参加している

    ・人間/鼠の境界が曖昧になる→脱構築的
     人間が野蛮なことをして、鼠が人間的なことをする
    →最近読んだ『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』もまた、人間/アンドロイドの区別が曖昧になる

    ・鬱屈とした世界観→ディストピア的
     人を生産性によって測る恐ろしさ
    → ニートを”国益”のために奉仕させる現代的ディストピア

    ・先行きの見えない若者が抱える鬱屈とした思い

    ・遺伝子操作によって生まれたグロテスクな鼠
    → 人が作り出したものを人が処理する虚しさ

    ・就職難は、現代の中国のことなのか?

    ・教官は、武勲を上げることで、自らの生を肯定しようとする→WW1やWW2でも、若者は同様のことを言って戦地に赴いた

  • うーん、これはすごい。評判通り。圧倒された。作品もさることながら、収録されている短編の作者の年齢にも、作者の半数が女性だということにも度肝を抜かれた。14億という人口の中にはやはり傑出した人材がいるものだなぁ。
    SFは古典的な名作しか読んでいないので、中国発のSFの「らしさ」などは正直よくわからないのだけれど、個人的には夏笳さんの作品が中国的な雰囲気を感じられて印象に残った。でもどの作品も読みごたえがあり、頭を刺激してくれるような面白さがあった。
    最近、コロナで封鎖中の武漢からWeb日記を公開していた中国人女性についてのドキュメンタリーを見たり、WOWWOWで放送中の中国ドラマ「陳情令」にドはまりしたりしていて、いまだかつてないほどかの国への興味が高まっているので、巻末のエッセイもたいへん興味深かった。

  • 各作家についての感想を書く。

    陳楸帆。サイバーパンクな雰囲気が強い。文学的な情動の描写も細かく、上手くSFの情景とマッチしていた。

    夏笳。新技術に対する旧技術の退廃による哀愁と人間のノスタルジー的な感情が掛け合わされていた。SFに慣れてなくても読み易いと思った。

    馬伯庸。『1984年』へのオマージュだが、言論統制による思想の弾圧という側面にフォーカスしていた。この作品は著者の中でも異質とある。

    馬伯庸。『見えない惑星』は惑星環境による様々な異星人の特徴が回帰的に人間の特徴につながっており、星新一っぽいと感じた。『折り畳み北京』は設定的にはよくある感じだが、文学的にうまく落とし込まれていた。

    糖匪。読んでいて意図的なミスリードにまんまと引っ掛かったが、言いたいことはよくわからなかった。

    程婧波。情景描写が詩的で美しく、退廃的な世界の中の叙情に引き込まれた。

    劉慈欣。『三体』でファンになり、この短編目当てで本書を買った。どちらの短編も異星人や文明を単なる進歩史観的に眺めておらず、異なる文明や技術の接触と融合がテーマにあり、SFの未来だと思った。『三体』シリーズの続編の翻訳出版が待ち遠しい。

  • 中国SFは馴染みがなく、楽しめるか不安だったものの、1作目の「鼠年」からその世界観に圧倒された。全体的に「細部までは語らない」作品が多くて、不透明な部分は読み手の想像力と解釈の仕方に委ねられている感じがした。短編集なので読みやすく、中国SFを初めて読む人もきちんと楽しめる一冊だと思う。

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