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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784150123062

作品紹介・あらすじ

イーガン、ジェミシン、ストロス、ドクトロウ……。2000年代に発表された海外SF作品の粋をあつめた充実の年代別アンソロジー!

感想・レビュー・書評

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  • アンソロジーなので、必ず当たりはずれ(好みの問題で)があると思っているけど、自分的★5が3作もあったので、アタリ。
    リウ・ツーシンは本当にいつでも必ず面白くて驚く。『シスアド~』の超展開もドキドキだし、『暗黒整数』の何が起こってるかよくわからないのにハラハラするところも良かった。実はグレッグ・イーガンは初読みだったけど、さすが。

    ===
    エレン・クレイジャズ『ミセス・ゼノンのパラドックス』★★☆☆☆
    - ショート。ブラウニーを分けっこしようと半分の半分の半分の…と切ってるうちに分子レベルの分割の話になるというジョークSF

    ハンヌ・ライアニエミ『懐かしき主人の声』★★☆☆☆
    - 犬猫主観。主人が自分のクローンを大量に作っていて、クローンのひとつにハメられた主人を助けようとする。
    - 犬猫は抜きにして、自分対クローンのほうにもっとフォーカスして欲しかったかも知れない。

    ダリル・グレゴリイ『第二人称現在形』★★★☆☆
    - ドラッグ過剰摂取により、別人の意識を持ち本来の自分を別人だと考えてるようになったドリー。意識とは何か科学や宗教も交えながら展開する。
    - カウンセリングの末、なんら改善が見られないまま終わる辺りは、下手なハッピーエンドよりは良かった。

    リウ・ツーシン『地火』★★★★★
    - 炭鉱の劣悪な環境で働き父を失った主人公が、石炭を発掘するのではなく、石炭に火をつけてガス化する手法を提案し、なかば強引に実験を行う。それが災いし、地中火災がおき、その炭鉱は街ごと消失することになる。そんな炭鉱の環境を100年後の子供たちがホログラムによる社会科見学をするシーンに飛ぶあたり、さすがリウ・ツーシン。
    - SF感は薄くリアリティーがあり、物語の展開も斬新。面白い。

    コリイ・ドクトロウ 『シスアドが世界を支配するとき』★★★★★
    - 世界同時多発テロにより、世界中のあらゆる政府が崩壊した時、シスアドたちはサイバー空間が唯一の生き残りであり、サーバースペース共和国と称し、団結を目指す。

    チャールズ・ストロス『コールダー・ウォー』★★★★☆
    - ロジャー・ジョーゲンセン:CIA
    - ゴールド・ジュライ・ブージャム:ソ連の極秘兵器
    - ソ連のコシチェイ計画:異星生物(生物兵器)を活性化させる計画
    - ショゴス(奉仕者):分子を構成要素とするロボットシステム。様々な形になる兵器。村を潰すほどの威力。
    - 南極大陸にあるボストーク湖での秘密実験。
    - バスラの神殿:異星同士を繋ぐ門。イラクの秘密警察ムハバラートが操作方法を解明
    - 冷戦下、アメリカとソ連の秘密戦争にイラクが加わってきた時代。異世界と繋がる門が発見されており、異世界の古代文明である大量破壊兵器や生物兵器を各国が隠し持つ、史実にある冷戦以上の冷戦(コールダー・ウォー)という設定。
    - かなり読みづらく、設定の理解ができた頃にはクライマックスで地球がほぼ滅亡してしまうのだけど、長編になっても面白そうな設定だった。

    N・K・ジェミシン『可能性はゼロじゃない』★★☆☆☆
    - ある時から突然ニューヨークでは、確率的にあり得ないようなことが街中で起こるようになってしまった、という設定は面白かったけど、物語に展開が少なすぎた。

    グレッグ・イーガン『暗黒整数』★★★★★
    - ブルーノ・コスタンゾ:ぼく。此方側(ニアサイド)の数学者。
    - アリスン:此方側。チューリッヒにいる数学者。
    - ユワン教授:此方側。上海にいる老齢の数学者。
    - サム:彼方側(ファーサイド)で、サムとブルーノは連絡手段を持っている。
    - ティム・キャンベル:ニュージーランドの学者。
    - 《不備》:理論の矛盾。この存在に気づいているのはニアサイドの3人だけ。
    - 此方側と彼方側というパラレルワールドのような関係だが、それぞれは異なる数学理論で世界は成り立っていて、その境界にある矛盾《不備》を利用することで双方に干渉できてしまうことにブルーノ達は気づいた。彼方側は此方側を遥かに凌ぐ力があり、いとも簡単に此方側を潰すことはできるが、彼方側のサムとコミュニーケーションを取り、何者かが境界を飛び越えた。
    - 全体的に脳内で映像化不可能だけど、それでも話は見えるところがすごい。

    アレステア・レナルズ『ジーマ・ブルー』★★☆☆☆
    - 天才芸術家とそれを追い続けたジャーナリストがついにインタビューに取り付ける。

    • ふくぽんさん
      貴方の解説がどの書評や口コミより分かりやすく,個人的にとても助かりました。ありがとうございます。
      貴方の解説がどの書評や口コミより分かりやすく,個人的にとても助かりました。ありがとうございます。
      2025/07/18
  • 2025年11月12日読了。2000年代に発表された海外SF短編のアンソロジー。冒頭のショートショートが異色で、あとは全体的にディストピアSFが多い印象。重く暗く苦しい鉱山労働を下から燃える火が照らすイメージが鮮烈な劉慈欣『地火』がベストか、まさに中国から産まれたSFという感じで非常に面白い。「自分だったら…」の想像が余韻を残す『第二人称現在形』、「よくある世界設定」なのにありそうでなかった舞台設定が楽しい 『シスアドが世界を支配するとき』なども楽しめた、が、「もっとグッとくるいいSFがこの時代あったんじゃないの!?」という感想…選者のセンスか。他の時代のSFアンソロジーももっと読んでみたい。

  • 鴨的に「80年代SF傑作選」は今でも記憶に残る作品目白押しで、個人的な宝物の一つとして上下巻の初版本を大事に保管しています。
    21世紀の年代別アンソロジーはどうかなー、と期待して手に取ってみましたが・・・うーん、正直なところ、「これは!」という作品はなかったですね・・・。いや、どれもSFとして面白いアイディアを提示しているし、「つまらない」というほどではないんですけど、こればっかりは主観的な問題で、鴨的には「綺麗であっさりしすぎている」か「ちょっとやり過ぎでくどい」かどちらかという、両極端な読後感です。「綺麗であっさり」というのは、このアンソロジーに限らずゼロ年代以降のSFでよく感じる印象で、これが時代の雰囲気なのかなー。往年の古き良きSFの噎せ返らんばかりの熱気が嫌いではない鴨としては、どうしても自分のSF者としての歴史を振り返ってしまいますね・・・(^_^;

    そして、「綺麗であっさり」とは全然違う作風ですが本アンソロジー中で一番インパクトがあったのが、チャールズ・ストロス「コールダー・ウォー」。これ以上ないほどの「出落ちSF」(笑)冷戦下の緊迫した情報戦のやりとりが冷徹な筆致で描き出されていくかと思いきや、「レン高原」という固有名詞を目にして「!!??」と思い、「ショゴス」でトドメですよヽ( ´ー`)ノまさか、あの神話体系の新作をこんなところで拝めるとは。しかも、戦線が激化した結果、「門」の向こうにある惑星に前線基地を建設する、って雪風かよ(-。-)ぼそっ
    まぁ突っ込みどころ満載で、一周してきて面白かったですわ。

    そんなこんなで、読後の印象は「まぁこんなもんかな〜」って感じですが、時代の特徴を掴むツールとしては読んで損はないと思います。
    2010年代のアンソロジーも、引き続きチャレンジ予定!

  • 2025年7月 紙の本
    どれも素晴らしい作品だと思うが、なんと言うか地味??渋い??ワクワク感は少なかった。
    全体としては星二つくらいだが、暗黒整数とコールダー・ウォーで星三つ。
    今回思ったのが、作者が変わった時に頭をすぐ切り替えられなくて、(SFの)アンソロジー読むのがしんどかった。老化?加齢飽和した記憶力?体調不良?
    アンソロジー読むのが、好きな作家さんを見つけて新規開拓する一番手取り早い方法なんだけどなぁ。


    以下、面白かった順番に備忘記録

    ◎暗黒整数 一番面白くてワクワクした!数学を使って異星人(異次元の異星人??)と戦争になりかける話。難しい理屈はわからないけど、「暗黒整数」ってタイトルだけでもうドキドキする。

    ◯コールダー・ウォー  大好きな設定だけど文章読みにくい。内容も分かりづらいのでもう少し説明が欲しい。でもクトゥルフなので許す。この人の「残虐行為行為記録保管所」と「ミサイルギャップ」は読んでみたい。出回ってないので図書館行かないと読めなさそう。

    ◯地火 唯一の既読作品。劉慈欣の作品ならもっと派手で面白いものもあるのに、これを選ぶのが渋いなあと思う。味わい深い名作。

    ◯懐かしき主人の声 猫可愛い。大好き。実は飼い主に忠実なんです。

    ◯ジーマ・ブルー 「懐かしき主人の声」と同じくらい胸にじんわりきた。賢いロボットが原点回帰する話。

    ◯第二人称現在形 実は母の愛がテーマ?自分の子供がこんなふうになったらどないしようか、とずっと自問自答しながら読んでしまった。いろいろ考えさせられる作品。

    ◯ミセス・ゼノンのパラドックス 仲良く半分こ

    ◯シスアドが世界を支配するとき 苦手な作風で読むのがとても苦痛だった。作品の出来が悪いわけではないので、このノリが苦手でなければ面白いかもしれない。

    ◯可能性はゼロじゃない 疲れて読めなかった。

  • 2000年代に発表された海外SF短編の傑作選。印象に残ったのは劉慈欣の『地火』。子どもの頃に読んだSFでは、未来は科学が発達して人類に平和が訪れているバラ色の世界という印象だったけど、未だに自然災害を克服する事さえできていない。科学の力を信じて果敢に挑み負けていく主人公の姿は痛々しいが、たくさんの失敗を重ねていつかは必ず克服できる。最後はそんなメッセージだった。グレッグ・イーガン『暗黒整数』は、やっぱりほとんど何が起きてるのか分からないけど、数の体系が私たちと異なる宇宙と、その違いによってつながっているという発想が楽しい。アレステア・レナルズ『ジーマ・ブルー』は読者の想像力を刺激する作品。人間が何百年と生きられるようになったら、確かに記憶は何らかの媒体に頼る必要が出てくるのかな。でも全てをただ機械的に覚えているだけでは、人間の脳とは全く違う働きになってしまうだろう。ジーマのブルーの謎もすごく印象的だった。

  • 一番最初の「ミセス・ゼノンのパラドックス」。2人の女の人がカフェでブラウニーを限りなく半分こし続け「わぁ宇宙変わった…… 」となった。ページ数たったの6ページなのに壮大。こんなおしゃれな量子力学のお話あるんだなぁ。
    「地火」の火災のシーンで劉先生は物が破壊・爆発する描写がやっぱり上手すぎると興奮し、「シスアドが世界を支配するとき」で人類最高……!となりかけ、それから次の作品で少しずつ冷やされていき、「ジーマ・ブルー」で「私、三葉虫の時が一番幸せだったのかも……」とちょっとしんみりした。収録順がとても良かったなぁ。読後感が味わい深くて。全部の作品面白かった。
    ●ミセス・ゼノンのパラドックス エレン・クレイジャズ
    ●懐かしき主人の声 ハンヌ・ライアニエミ
    ●第二人称現在形 ダリル・グレゴリイ
    ●地火 劉 慈欣(リウ・ツーシン)
    ●シスアドが世界を支配するとき ユリイ・ドクトロウ
    ●コールダー・ウォー チャールズ・ストロス
    ●可能性はゼロじゃない N・K・ジェミシン
    ●暗黒整数 グレッグ・イーガン
    ●ジーマ・ブルー アレステア・レナルズ

  • ちゃんと読むと面白い。私が個人的に好きなのはハンヌ・ライアニエミの『懐かしき主人の声』。猫と主人の哀愁漂う関係性が好きだ。

  • 面白かった順に、
    ドクトロウ「シスアドが世界を支配するとき」
    レナルズ「ジーマ・ブルー」
    グレゴリイ「第二人称現在形」

    2000年代?最近でしょ?みたいに感じていたけれど、「シスアド」で時代を感じた。今もこういうシスアドの人たち居ると思うんだけど、いま自分が使っているサービスはほぼクラウドに載っている。この話を今書いたら、AWSの人も重要キャラクターで出てきたんだろうな。

    しかし自分が年を取ったのか、すべてに「わあ! すごい!」みたいにはならなくて、デカかったり新奇なアイデアがある話なら面白いっていうものでもないのであった。人の気持ちが(テンプレどおりじゃなく)揺れる話がいいですねやっぱり。

  • 2020年11月ハヤカワSF文庫刊。90年代海外SF傑作選から18年ぶりの刊行とか。そういえば、ゼロ年代の海外SFアンソロジーは、初読みかと。ダントツで暗黒整数が良い。懐かしき主人の声も面白い。姉妹編の2010年代も楽しみです。目次/エレン・クレイジャズ:ミセス・ゼノンのパラドックス、ハンヌ・ライアニエミ:懐かしき主人の声、 ダリル・グレゴリイ:第二人称現在形、劉慈欣:地火、コリイ・ドクトロウ:シスアドが世界を支配するとき、チャールズ・ストロス:コールダー・ウォー、N・K・ジェミシン:可能性はゼロじゃない、グレッグ・イーガン:暗黒整数、アレステア・レナルズ:ジーマ・ブルー

  • 国産SFアンソロジーの「ベストSF」や「日本SFの臨界点」に比べると、正直イマイチ。翻訳SFってそんなに落ち込んでたっけ? そんな中、テクノロジーの光と影を真正面から描いて、迷いのない「地火」が出色の出来。これが中華SFの勢いというやつか。あとはクトゥルーバカSFの「コールダー・ウォー」が楽しい。

  • 2023-12-16
    「地火」「暗黒整数」以外は初読、のはず。それら含めて確かに傑作選。こららがもう20年近く前とは。
    ライアニエミやっぱ好き。量子怪盗の続きが読みたい。

  • 編者の橋本さんは知らないけれど

     それなりに海外SFを楽しめた。それなりに? そうだね。あまり響かなかったかな、今回は。シリーズに期待しよう。

  • 素敵な作家を開拓できる
    ・懐かしき主人の声
    ・第二人称現在形
    ・コールダーウォー
    ・ジーマブルー
    がお気に入り

  • 海外作家さんの本を一冊丸々読むのは大変だから、短編集で作家さんの情報を収集できて有難い。
    結果どれも楽しかった。

  • 粒揃いというか驚きが少ない
    ストロフ「コールダー・ウォー」が印象深い
    似た雰囲気の短編の記憶が微かに残っているけど「ミサイル・ギャップ」だったか?

  • グレッグ・イーガンの「暗黒整数」は、「90年代SF傑作選」の下巻に収録された「ルミナス」の後日譚。前作ほど面白いとは思わなかった。劉慈欣(リウ・ツーシン)の「地火」が面白かった。これはいよいよ「三体」を読まないとだめかしら。一番気に入ったのは、アレステア・レナルズの「ジーマ・ブルー」。同じく「90年代…」の下巻に収録された「棺」に似た雰囲気を感じたが、全然違う人(ロバート・リード)の作品だった。「90年代…」の上巻の方に、レナルズの「エウロパのスパイ」が収録されていて、面白かったというメモが残っているが、どんな話だったか思い出せない。

  • 印象に残ったのは
    『地火』
    『シスアドが世界を支配するとき』
    『ジーマ・ブルー』

  • おもしろかった。総じて読みやすい作品が多かったように思う。イントロダクションの短文も、簡潔に作品にみちびいてくれてよい。

    一番好きだったのはグレッグ・イーガン「暗黒整数」。
    本編の「ルミナス」を読んでいないし、たとえ読んでいてもやっぱりわからないんだろうと思うけど、それなのにがっつりつかまれる面白さだったのがすごい。タイトルもかっこいいし。「ルミナス」読んでからもう一度読みたい。

    それから冒頭のエレン・クレイジャス「ミセス・ゼノンのパラドックス」がめっちゃ好き。ショートショートぐらいの長さ(短さ)で、ジョーク話なんだけど、宇宙ゆがんでそうで笑う。

    コリイ・ドクトロウ「シスアドが世界を支配するとき」もよかった。これはイーガンとは対照的で、なぜそうなったか、何が起きているのかは一切説明なく、いきなりカタストロフィに放りこまれたシスアドたちの奮闘を描く物語。こういうのもいい。

    リウ・ツーシン「地火」 『三体』と同じくあくまでもリアリティに依拠しながら、壮大な世界を描いていく。業火を感じるようなすさまじい描写。

    アレステア・レナルズ「ジーマ・ブルー」も、美しかった。原初の場所をたどる欲求は、すべてのものにそなわっているのかもしれない。「加齢飽和した記憶力」というフレーズにイテテとなりました(^_^;;

    あ、それと、あとがきが続き物になってることに少し心ふるえた(笑) 
    2000年代のSFを総括してから、「はたして、次の十年、SFはどうなったのか?」(『2010年代海外SF傑作選』に続く)と記されているだけなのですが、あ、読まなくちゃ、と思ったので成功していると思いますw

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