アポロ18号の殺人 (下) (ハヤカワ文庫SF)

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  • 早川書房 (2022年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784150123765

感想・レビュー・書評

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  • 実際の宇宙飛行士が書いているので、登場人物の行動や扱う物、発言、周りの機材などリアルで細く書かれているのが面白かった。

    ストーリーが普通な気がするが、そのリアルゆえに再度読むならより深く知識をつけて読んでみたい。

  • 下巻も宇宙でのミッションをかなりの濃度で存分に味わった。月面着陸後の駆け引きや行動なども非常に細かいところまで描かれているので、月の重力下での想像が膨らむ。派手さはなくとも緊迫感はとてつもなく感じる。ソ連の宇宙計画についても詳細に描かれており、米ソの国際謀略が大きく関与してくる後半は思わず息を飲む場面もあった。月面での数日間も大気圏突入してからの制動や着水後のアクションなどもとてもリアルで、本当にアポロ18号の歴史を追体験したような気分になる。

    なお、著者後記に実在の人物や施設などを列記してくれているのだが、相当数が該当するだけあって本当にアポロ計画が続行されていたような気になるのも頷ける。しかし、このアポロ18号の事件が起きた世界では事実が隠蔽され果たして20号までの計画は進められるのだろうか?はたまた米ソの冷戦関係が大きく変わるきっかけになって熱い戦争に発展することもあるのだろうか?などと想像をしつつ読後の余韻に浸っている。

  • 「アポロ計画」
    20世紀最大の宇宙開発、それは人類初の月世界到達。
    さらに並行して、米ソの「冷たい戦争」の延長として開発競争が繰り広げられていた。

    物語はそんな冷戦を背景とした「アポロ」と「スペースシャトル」の間の時代の、事実を交えた架空の出来事。
    冒険小説のようなミステリーやアクションの連続が懐かしく面白い。

    ただ、率直に言って、感情移入できる主人公的存在がいなかったためか、「カッコいい」と感じられなかったのが残念。

    さすがにNASAなどの現場の雰囲気はリアリティ溢れている(知らないけど)ので、お仕事小説に徹しても良かったのでは?

    上下巻のボリュームに対して、少し報われなかった感じ。

  • 17号で中断されたアポロ計画、もし18号も月に飛んでいたとしたら…という設定の小説。
    歴史改編という意味ではSFなんだろうが、小説の造りはSFではなくエンタメ航空小説とでもいう感じ。宇宙や月を舞台にした小説だからSFということもあるのだろうが、行われていることの科学技術はすべて前世紀のものであり、そういう意味では歴史小説もある。
    いつまでも月や火星がSF小説の舞台であるってのも、なんだか情けない話ぞ、人類。

    ということで、頭の中ではポルノの例の歌が鳴り響く。

    宇宙飛行士たちとアポロ計画を遂行するスタッフや軍人たち、ソ連の宇宙飛行士や軍人、両国の政治家官僚…種々の思惑が錯綜し、時には協力体制を演じ、時には騙しあい、銃すら向けあう。壮大な宇宙計画のロマンと生臭い政治的思惑、さらには人間個人の承認欲求。どんなに地球が青くてもどんなに人類にとって偉大な一歩でも、結局愚かなり人類…って、テーマはこの小説もクラークもガンダムも変わらんねんなぁ。

    エンタメ小説としての出来は十分。第一線の宇宙飛行士だったキャリアも存分に生かしつつ、このデビュー作が書けるなら、今後にも十分期待できる小説家だと思う。

  • 実際のアポロ計画は17号までで打ち切りとなったのだが,本書では軍主導で極秘の任務を帯びた18号が月に向かう.
    少し船長の動機が弱いように思うのだが,一級品のスリラーである.
    ハヤカワから「SF」シリーズとして刊行されているのだが,「NV」の方が良かったのでは?

  • ・あらすじ
    架空のアポロ18号計画の裏で行われていた米ソ其々の陰謀と駆け引き、自己顕示欲と支配欲に抗えなかった1人の人間の話

    ・感想
    最後までハラハラしたサスペンス、スリラーだった
    主人公が最後にかっこよく主人公してた
    とりま何よりもお兄ちゃんが可哀想すぎた…

  • 最後にどでかい展開があるのかと思ったら、普通に終わって行ってしまった、、、
    かなり拍子抜けしちゃいました。

  • さすが元宇宙飛行士である作者だけあって、訓練過程や実際の飛行の詳細に臨場感があって作り物めいてない。扱う機器の色や手触り等の描写も細かいし、宇宙飛行士同士の会話もリアルだ。月での宇宙飛行士たちの作業の描写が特に良い。でも肝心のサスペンスがいまいち。冷戦真っ只中の時代に、アメリカがこんな簡単に戦争を引き起こしかねない事をやらかさないよね。その後の話の展開も都合良すぎな感じ。作者のサービス精神は分かるけど、荒唐無稽なストーリーにもう少しリアリティを持たせて欲しかった。

  • 著者が本物のパイロットで宇宙飛行士。しかもアメリカとロシア両方から宇宙へ行った方!アポロ18号打ち上げという歴史改編もので、ミステリやスリラーというより、アポロミッションのシーケンス小説(それも詳細な)でワクワクしっぱなしでした。中原尚哉さんの訳は本当に読みやすい。これ翻訳なの?って思うくらい日本語が自然なテンポで入ってくる。

    また、ソビエト側のアルマース宇宙ステーションやルノホートの運用についても描かれていて、すごく興味深かった。

    著者さんの性格なのか、すべての描写が詳細で、機体や車種や兵器や服の柄まではっきり書かれるから、イメージしたり検索したりする楽しみがあった。金魚鉢のベル47Gとか、高高度戦略偵察機SR-71とか、さらっと過ぎるクレー射撃シーンで「十二番径の散弾銃」「ノコギリパルメット」とか細かい。バインダーは三穴。高度はフィートと同時にメートルでも必ず補助してくれる親切ぶり。

    スリラーとしては殺人の動機に少し欲求不満を感じましたが、宇宙空間でのアクションは凄かったし、最終章は畳み掛けてくる。
    義眼のカズや医師のJW、地質学者のローラ、アポロ18号の飛行士たちなどが、実在の人物たちに混ざって生き生きと存在してて、ゆっくり読みましたが、楽しい読書になりました。

  • 納得のゆくストーリーだった。

  • 船長の行動と動機が不明なんだが。

  • タイトルに「18号」とあるが、実際の歴史でのアポロ計画は17号を機に終了している。この小説は「もしアポロ計画がその後も継続していたら」という仮想の宇宙開発史を描いた歴史改変ものである。

    時は1973年。アポロ18号の打ち上げの準備は着々と進んでいた。これはアメリカ発の軍事目的のミッションであり、ソ連の宇宙ステーションの偵察と月面調査を目的としていた。だが計画の最終段階でメインパイロットが死亡する事故が起こる…。

    本作の白眉はミッションの流れや、探査機の内部構造等、描写のディテールにある。それもそのはず、著者は実際に宇宙飛行士として活躍していた経歴があり、『宇宙飛行士が教える地球の歩き方』等のノンフィクションも手がけているのだ。

    小説を書くのは本作が初とのことだが、宇宙での活動や、宇宙センター内の流れはリアルで説得力がある。国際的な陰謀が渦巻くプロットは軍事・スパイスリラーの如き迫真の緊迫感を読者に与える。登場人物たちの様々な思惑が物語にうねりを与え、さながら自分もミッションに参加しているような感覚で読むことができた。

    似たタイプの小説には『火星の人』、『宇宙へ』、あるいは佐藤大輔の『架空戦記シリーズ』が挙げられるだろう。しかしこの小説は、宇宙開発に関する実際の経験を基に書かれていることもあり、時に鋭く感じるほどのリアリティは、他とは一線を画す。

    また、アメリカとソ連を巡る謀略は、現在の社会情勢に思いを馳せずにはいられない。ロシアのウクライナ侵攻、近年では民間企業が参入している宇宙開発、戦災孤児…。なぜ歴史改変ものを書くのか、なぜサイエンスフィクションを読むのか。それは作品が放つ異化効果によって、現在私たちが生きるこの世界を客観視するためにあるとするならば、これは現実に肉薄した最適な読み物と言えるだろう。

  • ジャケ買い。

    星は4.5相当。

    トラブルがあったが、月まで行ったアポロ18号。

    まだまだ、前途多難。

    冒頭の伏線も回収し、最後の最後まで行きつく暇を与えない、

    作者、第1作でこんなに秀逸な小説を仕上げたら二作目以降が大変かも。

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著者プロフィール

カナダ人で初めて宇宙船外活動を行った宇宙飛行士。国際宇宙ステーションの船長を歴任。自らの体験を著作、写真、動画として発表する世界的な著名人の1人。

「2020年 『ビジュアル 銀河大図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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