三体 III 死神永生 (上) (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2024年6月19日発売)
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感想 : 65
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  • 本 ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150124496

作品紹介・あらすじ

迫り来る三体文明の地球侵略。若きエンジニアの程心(チェン・シン)は、三体艦隊に人類のスパイを送り込む、極秘の「階梯計画」を進行させるが!?

感想・レビュー・書評

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  • 劉慈欣『三体 III 死神永生 上』ハヤカワ文庫。

    華文SF小説『三体』の第3部にして完結編の上巻。今回は黄色の紙の登場人物表が挟み込まれていた。

    重量制限のある宇宙船に人間の脳だけを搭載する辺りはトム・ゴドウィンの古典SF短編『冷たい方程式』を連想させる。また、作中にはアーサー・C・クラーク原作の映画『2001年宇宙の旅』の有名なシーン、ヒトザルが骨を投げるとそれが宇宙船になるという描写も描かれており、笑った。実際、劉慈欣は様々なSF小説やSF映画に造詣が深いようだ。

    三体文明の地球侵略に対抗する『面壁計画』の裏で、若き女性エンジニア程心が発案した極秘の『階梯計画』が進行していた。目的は三体艦隊に人類のスパイを送り込むことなのだが、光速の1%の速度で宇宙船を推進するためには極限まで総重量を軽減させる必要があった。程心は宇宙船に人間の脳だけを乗せて三体艦隊に送り込むことを決断する。そして、その脳を提供したのは末期癌に冒された程心の大学時代の同級生、雲天明だった。

    三体危機は過ぎ去ったかに見えたのだが、致命的な隙を見せた人類に対して三体世界は再び牙を剥く。

    本体価格1,100円
    ★★★★★

  • Ⅱから失速すると思いきやまた新たな展開に目が離せなかった。全神経集中させるような読書で、常に体力を削られた笑 宇宙スケールで考えると、自分の存在は虫以下のちっぽけさであることが物語の壮大なスケールからしみじみと実感してしまう。

  • 難しいところは流し読みになってしまったけど、まだ続きがあることにワクワク。一体どうなるのだろうか。下巻へ。

  • 正直、物理学とか宇宙とか、ちんぷんかんぷんな私ではありますが…。
    そうであったとしても、シリーズのなかで一番面白かったです。

    地球の危機に立ち向かう人類の心理、怒り、焦り、不安は普遍的で興味深い。

    読み進むにつれて、驚きで何度かえっ!?と声が出たほど…。

    SFを読むたびに、平凡な人生を送っている自分が、普段は絶体に考えないようなことを、あれこれと考えてしまう。そこが面白い。

    いよいよ三体Ⅲ下巻、読みます!

  • 面壁者(ウォールフェイサー) と執剣者(ソードホルダー)。大河的流れで繰り返す絶望と希望。
    最終作は、個々の人物描写が減るものの、人類社会の目まぐるしい変化が怒涛に描かれる。

    これでもかと注ぎ込まれるSF描写と、宇宙を舞台にした、空間的な限界のない世界観。
    良い意味で体力いる作品でした。
    新鮮で面白いです。

    次の下巻でラスト!

  • Ⅱの後でどういう展開があるのか懐疑的だったが、新たな舞台にまた引き込まれる。物理学や宇宙論、未来世界はもとより、描かれる社会混乱の数々、宗教観、人間心理など、作者の広範な知性に改めて感服。作品への予備知識が無かったことに感謝。

  • 感想はまとめて下巻の方で!

  • 広大な宇宙の中で語られる3世紀近くの話を描いてきた『三体』。
    前巻の暗黒森林理論に基づく相互抑制で地球と三体文明に平和が訪れたかのように思えた。こんなに綺麗に終わった物語を続けさせるのか、と思ったが、読み終わって認識を改めさせられた。かなり壮大な世界観になっていたが、それに負けないストーリーで良かった。
    面壁計画やその裏で起こっていた階梯計画、執剣者計画など様々な思惑が最後にちゃんと絡んでおり面白かった。
    SFならではの超技術により、キャラクターが冷凍保存によって未来に行け、再登場出来たりするのが良かった。また、SFの中にSF的なお伽話が挿話されたりとそれも読み応えがあった。

  • IIで終わりかと思っていたので、嬉しいんだけど、地球的にはちっとも嬉しくない話。だけど、あと1冊で終わりかと思うと、だいぶ寂しい。でもでも早く読み終えて、Netflix もう一度見直したい。

  • 面白い!と恐い!が交互にやってきて、読むのがやめられなかった。今日は早く眠れそうな日だったのに、一気読みである。
    読み終わったあと、あれ、最初この話ってどこから始まったっけ?と呆然としてしまう。最初は確か、謎のカウントダウンとかあったし、そうだそもそも、一人の女性が三体世界にメッセージを送ったところから始まったのだった。三体世界を体感できるゲームなんてものもあった。そこのことを思い出すと、ほんと、途方もないな!!!笑
    この物語を読んでいて恐いと思うのは、この世界(人類世界)が、ほんとーーーーにめっちゃちっぽけで、その中で自分の人生なんてまじで取るに足らないものなのに、でもその取るに足らないものこそなんてかけがえのないものなんだろうと、思い知らされるからだと思う。ものすごい恐いけど、でも、清々しさがある。この生を生き切るしか、私たちにやれることはないぞ⁉︎という清々しさ。
    私はSFにこれまであんまり触れてこなかったけど、こんな深淵で清い世界を垣間見えるものだったとは。やーーーーーーほんとすごいなーーーーこの本‼︎まじすげえ‼︎
    あ、そして、異常に地球への愛が高まる。戦争なんかしてる場合ちゃうで、ほんま。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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