三体0 球状閃電 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2025年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784150124755

作品紹介・あらすじ

謎の球電に魅せられた青年【陳/チェン】は、研究を進めるうち思いも寄らぬプロジェクトに巻き込まれる。〈三体〉シリーズ衝撃の前日譚文庫化

みんなの感想まとめ

科学と哲学が交錯する中、主人公の青年が謎の球状閃電を追い求める姿が描かれています。彼は14歳の誕生日に両親を失ったことから、球電の研究に没頭し、大学院での研究を経て、軍による兵器化プロジェクトに巻き込...

感想・レビュー・書評

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  • 劉慈欣『三体0 球状閃電』ハヤカワ文庫。

    『三体』シリーズの前日譚。『三体』の3部作同様に面白い。

    突然発生し、あらゆる物質を透過し、突如として爆発的なエネルギーを放出する球電。何故、球状の中に電磁波が閉じ込められているのか。そんな謎に満ちた球電の正体を追う科学者たち。

    ストーリーの中で語られる哲学や科学アプローチの方法は十分に現代の仕事に活用出来る考え方であり、決して創作と軽んじてはいけないと思った。

    今の自分の存在が事実であるのか否か。そんな疑問が渦巻くような結末。

    本作の中で興味深かったのは球電を発生させるためのパラメータと計算式のシミュレーションを行う過程であった。確かに大昔のコンピュータは演算能力が限られていたし、コンピュータを制御する言語にも苦労させられた。そんな中、クラウド・コンピューティングの思想を盛り込んで来たところは面白い。

    自分も高校時代に自作したマイコンは機械語しか扱えなかったが、大学に入るとたちまちBASIC言語が登場して来た。社会人になると仕事でオフコンとメインフレームコンピュータを扱っていたが、それがパソコンからサーバーへとダウンサイジングされ、言語もCOBOL、FORTRANからC言語、VC++、PL-SQLなどに変わっていく過程を目の当たりにした。


    14歳の誕生日に突然発生した謎の球電により両親を失ったことから、その後の人生を激変された陳は球電の研究に没頭する。

    大学、大学院と進み、球電の研究を続ける陳は思わぬプロジェクトに巻き込まれる。陳が巻き込まれたのは、林雲が進める軍による球電を兵器に利用しようとするプロジェクトだった。一度だけ目撃した球電を再現しようと、パラメータと計算式を模索する陳だったが、なかなか結果を出せずに居た。

    そんな中、陳と林雲はロシアの科学者から招待を受け、ロシアでの球電研究の結果に衝撃を受ける。

    本体価格1,300円
    ★★★★★

    • shintak5555さん
      これは!
      必読ですね!やばい!積まねばなるまい!
      これは!
      必読ですね!やばい!積まねばなるまい!
      2025/04/11
    • ことぶきジローさん
      shintak5555さん。『三体』の前日譚。読まねばなりませんね。
      shintak5555さん。『三体』の前日譚。読まねばなりませんね。
      2025/04/11
  • 「三体」の前日譚。安定の面白さ。素晴らしすぎる。ありがとう。。。

    今回1番に面白かったのは、球電の正体が解き明かされるシーン。ディンイーによって謎が明かされ、世界が開く。そんな体験は、SFでしか出来ない体験でした。あと、観察者のくだりも、、、

    中国での刊行順はこの三体0からだったとか。皆さんもこの一冊から始めてみては。

  • と言うわけで、三体の名を冠する本は全て読んだわけですが、やはり三体本編に引けを取らぬ面白さですね。特に球電の正体を解き明かすまでのドキドキ感は三体の黒暗森林仮説による抑止を,ルオジーが成し遂げるまでの流れと同じ感覚でした。最後の方で智子の存在が暗示されていたりと様々な伏線回収があり素晴らしい作品となっていました。
    最も印象深いのはやはり軍人達ですね、日本や中国関係なくどの国でも軍隊は全てをそれに結びつけてしまいます。

    • shintak5555さん
      なるほど!
      三体疲れが癒えたら行かせて頂きます!
      なるほど!
      三体疲れが癒えたら行かせて頂きます!
      2025/10/01
    • 本が好きな奇人さん
      ぜひ読んでください!感想楽しみにしてます!
      この本も三体X(中華料理)の軸と一つとなっていると思います。三体本編を材料とすると油のような作品...
      ぜひ読んでください!感想楽しみにしてます!
      この本も三体X(中華料理)の軸と一つとなっていると思います。三体本編を材料とすると油のような作品となっています。とはいえ三体一巻同様物理学が頭を叩いてくるのでゆっくり休憩して疲れを取ってから望んだ方が良いでしょう(一気読みで後悔した人からの助言)
      2025/10/02
    • shintak5555さん
      ぐっ (。•̀ᴗ-)و ̑̑✧
      ぐっ (。•̀ᴗ-)و ̑̑✧
      2025/10/02
  • 量子力学が支配する世界はミクロ。
    実はマクロな電子や、原子核が存在したら。
    これまたら面白いことを考えたものだ。

    マクロ電子が励起した際のエネルギーで
    物質は量子化してしまう。
    量子化するとシュレーディンガーの猫よろしく
    確率論の世界になってしまう。

    量子化した人は、そちら側の観点だとどんな世界を生きてるのだろうか。

    いつもながら、もう少し人物を掘り下げて欲しいと思うけど。

  • 謎の発光体、球電によって両親を奪われた主人公は取り憑かれた様に球電を追い求めるようになる。やがて球電の兵器利用を目論む軍部との接触をきっかけとして、その驚くべき正体が明らかになっていく...

    「三体」の前日譚とは誇大広告もいいところだが、このタイトルでなければ読んでいないのも確かなので、まんまと命名者である大森望の術中にはまっていると言える。
    主人公の感傷的すぎる一人称や終盤の悲劇的な展開はあまり好みではないが、大暴走の果てにとんでもないことになった「三体」3部作に比べて、一冊できちんと完結しているのは高評価。とはいえ球電の正体、捕獲、兵器化、そして量子状態など、今作も十分とんでもないことになっている。
    個人的には世界が一変するような結末だったら最高だった。

  • 三体シリーズの前日譚

    三体に出てきた人物や描写の背景など本編をさらに深掘りもしてくれた一冊。

    球電という自然現象をめぐる科学者の話。科学は純粋な研究にもなるし、恐ろしい兵器にも転用できてしまい、ほんとに使い手次第になってしまう。

  • よかったです

    さすが三体。
    ロマンが詰まっていて
    一度読み始めたら止まりませんでした


  • 久々の三体シリーズ。安定の面白さで一気に読み切った。著者の後書きにある通り、SFは一種のファンタジーワールドを展開して引き込んでくれるのが醍醐味の一つなのだが、ありもしないと分かりつつもありそうな世界へ没入させられてしまう体験…これぞ名作の所以と言えるだろう。
    三体シリーズ読む前に読んでおけば…もっと楽しめたかもしれない。取り急ぎ関連部分は再読した。

  • 『三体』の前日譚という触れ込みであったけれど、実際には丁儀という物理学者が共通して出ているという程度で、話の繋がりはほとんどない。
    が、そんなことはどうでもよくて、『三体』に比べて圧倒的に若書きで詰め込み過ぎなのが気になってしょうがなかった。

    出だしは面白かったんよ。
    14歳の誕生日に、目の前で両親が球電によって灰にされた陳は人一倍死を怖れながら、球電に魅せられ、物理学徒となる。
    最初は気象を学んでいたが、自分が知りたいことは物理を学ばなければ分かり得ないと気づき、ひたすら球電についての研究を一人で行っていた。

    ところが軍属の美女・林雲と出会ったところから、急速に物語は加速していく。
    究極の兵器づくりだけを追い求める林雲とは目指すものが違うはずなのに、彼女に引きずられるように球電を兵器として活用するための研究を始める陳。

    量子力学っぽい話が出てきて、なんだかシュレーディンガーの猫の話になりそうだと思ったら案の定。
    観測者の有無で消失までの速度が変わる?
    人間だけじゃなく、そこに観測装置があれば存在できない?
    観測の意志を球電はどうやって判断するというのか?

    空気中に存在するという、見えない球電の卵を捕獲する方法も、今一つ曖昧だし、球電が向かいターゲットに指向性があるってどうやって分かった?
    そして、その球電が何をターゲットにするのか、どうやって分かった?
    実験して、分析して、何年もかかりそうな家庭はさっくり端折って、何千もの球電を捕獲って、全然現実的じゃない。
    プロットが足りなすぎる。

    林雲の恋人である江星辰が戦死したとき、ガンダムのウッディ大尉みたいな人だったなと思ったせいか、後に球電の兵器としての使われ方、周辺の電波の遮断もまたミノフスキー粒子の二番煎じみたいだと思ってしまった。

    中国とアメリカとの戦争で海戦と言えば、日本は絶対に巻き込まれているはずなのに記載なしなのは、まあしょうがないとして、絶体絶命だった中国が結局連合国軍に勝って終わるというのもリアリティがなあ…。

    そして、丁儀が陳にその後の林雲について話すのも、さらに戦後の彼らの生活も、もはや蛇足。
    とにかくエキセントリックと言えばいいか、誇大妄想狂気味の林雲の行動を正当化するための言い訳にしか見えない。

    第一部だけを丁寧に書き込んでくれれば良かったのに。
    残念。

  • やはり劉慈欣の作品は面白い。
    作品に登場する科学理論や事象を全て理解することは難解だが、それを超えるエンタメ性を提供してくれるから最後まで諦めずに読破できる。

  • マクロ世界もワクワクするな

    三体シリーズの流れで、途中までは「丁儀が出てくるキャラもの」として読んでいた部分もあったけれど、最初から独立のSF小説の気持ちで読めば良かったと少し後悔。
    それにしても、観察者効果で地球外文明の存在を匂わせる流れは期待したとおりでニヤニヤしてしまった。

  • 三体三部作のスケールには及ばないものの、素粒子をベースにした読みごたえのあるSFとして楽しめます。
    少しだけ現実社会に近い分、分かりやすくなってます。かな?

  • 相変わらず、着地点がまったくわからないストーリーで面白かった!
    球電、私は見たことないけど、以前家族が見た話を聞いていたので、そういった点でも興味深く面白かった
    三体シリーズでの丁儀、Ⅱはなんだかとても印象に残ってるんだけど、記憶が朧な場面もあるので、また三体読もうかな

  • 三体0は三体の前日譚でありディン・イーが登場する作品という前知識で読んだが、実際には想像以上に、というよりほぼ完全に独立した物語だった。

    物語は、球電現象の解明に人生を捧げる主人公・陳と、兵器開発に強い執着を持つ林雲が協力し、科学・軍事・倫理という複数の視点からその正体に迫っていく構造になっている。特に印象的なのは、物語後半において球電現象がほぼ解明されることで、関心が「現象の理解」から「その利用と責任」へと移行していく点だ。

    なぜ林雲は兵器開発にこだわるのか。そして彼女は最終的にどうなったのか。こうした要素は、三体本編でのディン・イーの言及とも重なり、キャラクターへの理解を補強する役割も果たしている。

    読後には、ディン・イーが密かに持ち続けていた写真と、陳の家に飾られる青い薔薇のエピソードが強く印象に残った。林雲はもはや二度と会うことのできない場所にいるが、それでもその存在を感じさせる描写が残されている。ただ、それはかつてのような関係が続いているというよりも、関係のあり方そのものが変質してしまった結果のように思えた。会うことはできないが、存在は感じられる。その不安定な状態に、強い切なさと、わずかな救いのようなものを感じた。

  • ・「ぼくの心をかき乱す女性が、同年代の女の子とメイクの話でもするみたいに、こんなに平然と流血や死について語るなんて。⋯でも、もしかしたらこんなところが、ぼくの心を捉えて離さない彼女の魅力の源泉なのかもしれない。」
    ・「物理学的に見れば、生命は、物質と運動のさまざまなな態様の中で、とりわけ重要な意味を持つわけではない。⋯物理学上、ひとりの人間の死とひとかけらの氷の溶解に本質的な違いは存在しない。⋯宇宙の究極の法則という観点から人生を見ることを学べば、もっと楽に生きられるよ。」

  • この話に出てくるサンダーボール(雷球)は、滅多に見ることができない自然現象みたいだが、驚いたことに、昔、叔父が四国の山奥で出会ったらしい。
    四国の山では、もののけや動物に憑かれた人たちを含めて、いろんな超常現象が起きるんだなとつくづく感心。
    叔父の話では、真っ赤な球が空中に浮かんでいて、それがどんどん膨らんで突然大きな破裂音とともに爆発!そのあたり周辺の電子機器が故障したとのこと。
    SFのお話が、身近に起こったことを聞いて興奮した。
    小説のラストでは、物理的視点で人生のロマンを表現していて、素敵だった。
    難しい理論をロマンに昇華させる筆力が素晴らしくて、もういなくなった人や物がまだ別次元で存在しているように思えて、心があたたかくなるお話だった。

  • おもろい、三体最初っから読み直させてください

  • 劉慈欣のファンとして、読まない手は無く
    楽しみに取っておいたが、ついに積読消化

    本作ももちろん、私を圧倒的な世界に没入させてくれました

    期待値が高いにも関わらず面白いのは、何故だろう?

    それは
    「球状閃電」の謎を徐々に解き明かしていく、ミステリーの部分があるからだと気づきました

    三体シリーズ然り、現実でも起こり得そうな不可解な現象のベールが徐々に明かされる構成により、最後のページまでノンストップで読んでしまうのだと思います

    こんな、量子の解釈の仕方もあるのか、、、読み終えるまでに何度圧巻したか数えきれません

    堂々の星5

    スピンオフなので、どのタイミングで読んでも構いません

    また、あとがきを読むと「三体シリーズ」の解釈が深まります

    おすすめします!

  • 丁儀が活躍する。うっすらクズなんだけど愛らしい。
    一人称で進むから、主人公の名前が最後までわからない。いや、多分どっかで出てるはずだけどさ。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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