夢の10セント銀貨 (ハヤカワ文庫FT)

  • 早川書房 (1979年2月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784150200022

みんなの感想まとめ

若者の傲慢さや欲望をテーマにした物語は、主人公が自らの不遇を周囲のせいにしながら、環境を変えれば素晴らしい人生が待っていると信じる姿を描いています。物語は冗漫な描写から始まり、主人公の必死な行動が描か...

感想・レビュー・書評

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  • 『夢の10セント銀貨』(原著初版:1968)とは、SFファンタジーの名手ジャック・フィニイによる妄想長編小説です★

     大恋愛を経て結婚したはずが妻に飽き、仕事もぱっとしない、タラレバ中年男のストーリー。
    「彼女と結婚しなければ」「元カノと別れなければ」「それに、あの職業についていたら」諸々、うまくいかなかった夢が都合よく回収される! タラレバパラレルワールドと往復できる手段が見つかります。
    「できたらいいな」という夢を、みんなみんなみんな叶えてくれる、不思議なコインがあったとさーー☆

     この『夢の10セント銀貨』、同著者の短篇集『ゲイルズバーグの春を愛す』に収録された「コイン・コレクション」の拡充版、とでも言いましょうか。
     しょうもない話だけど大好きだという方が、男性を中心に一定数いるはずです★ 作者自身もこの妄想ドリームがお気に入りだったのでしょう、同じ着想で二度書いたくらいですから★
     両作は大筋で同じ設定なんですが、大きな違いは……、短編は浮気の心理、長編はストーカー心理がわかるかもしれないですね~★

     まず、テンポよく書かれてて圧倒的にまとまりが良いのは短篇です。主人公が単純にあちらとこちらを行き来して、違う妻のいる生活を味わう。こんな話だから軽妙な語りが合うのです。ただし、はっきり言って、この男性は身勝手で無責任だね……真剣に読んではいけない話だ★

     一方、本書は、追加されたアイディアの面白味、同著者の「レベル3」を思わせる硬貨の使い方、理想の美人妻にも満たされぬ男の滑稽さ、徐々に哀れさが滲み出す言動など、読みどころが増えます☆ 私が関心を保てる気がするのは、長編のほうみたい。
     アメリカで現実に流通する10セント玉には、今もあの元○○領が横向きで刻まれてるのですね。長く読み進めると「もし○○領があちらになっていたら、米国はどうなってたんだろう」なんて、ふと考えさせられたりして。

  • 若者というのは傲慢と欲の塊だなあとしみじみしてしまいました。我が身の不遇を運の悪さと妻のせいにして、環境さえ変われば素晴らしい人生が送れると思っていられるんですから。それが特権でもあり、可愛げでもありますが。
    はじめのうちは冗漫に感じた文章が、コインを使う度に勢いが増していき、必死になってライバルの家に忍び込むくだりを読む頃にはいつの間にか引き込まれていました。無謀な企てが妻を得るためというのもロマンチックと言えなくもない。しかしこれだけ男女の立場や考え方が変わった現在では、少々無茶苦茶というか、愛情ではなく所有物が人にとられそうになって焦っているだけではと疑ってしまいます。また逃げたくなってパラレルワールドに行くことがあるのかどうかは分かりませんが、その頃にはもうちょっと現実の自分を受け入れられる、身の丈を知った大人になっていてほしいものです。

  • 昔読んで面白いと思ったが、今読んでみるとさすがに古い。
    よくあるパラレルワールド物だが、後一ひねり欲しい。

  • 同著者の『ゲイルズバーグの春を愛す』に収録されている
    短編「コイン・コレクション」の拡大版的な長編。
    何かが異なる二つの世界(パラレルワールド)を、
    双方で流通する硬貨を使用することで行き来する
    ファンタジックSF。
    ただ、倦怠期に陥った男が
    妻以外の女性と楽しく過ごすのが往還の目的なので、
    バカバカしいというか苦笑するしかないというか。

  • いかにも作者らしいファンタジー。最後にどんでん返しもあり。

  • 「ゲイルズバーグの~」にある「コイン・コレクション」とネタは同じ。正直短編の方がまとまってて好きだなあ。でもこれはこれでプラスフイディアが詰まってて面白い。コパーナゲル大統領!

  • 3月17日読了。「盗まれた街」が有名なジャック・フィニィのコメディタッチのSF。平凡で何のとりえもなく、かつて大恋愛した妻にも飽き飽きした男が、「ありえたはず」の並行世界へのスイッチを手にし、巨万の富・地位と憧れの女性を手にするが・・・。どの10セント銀貨を新聞スタンドに支払うかで未来が切り替わる、というアイデアはとても面白い!映画かドラマにしたら楽しそうだ、が、やや近未来のライフスタイルや、そこで生きる主人公の内面描写がいささか突飛に過ぎる・共感しづらいものなのがマイナス。お前ブレ過ぎやろ!と突っ込みたくなる。ここら辺も、憎めなくて巧みなコメディアンに主演を張ってもらい映像化作品を見てみたいところ。

  • 読んだのはかなり昔だが、なぜか本棚に登録されていなかったので

  • なにが気に入らないって主人公のベンですよ。
    上司に罵られ妻にヒスられ、妻の前の恋人と一緒になればよかったとかドリームしているこの男。
    仕事中もしょっちゅう落書きをしては(文字に陰影やらバックやらつける凝りよう)それを百枚くらいコピー機にかけるという出て行けこの野郎な奇行っぷり。
    そんな彼が新聞スタンドで受け取ったのは、この世界では存在するはずのない銀貨と新聞。
    いつの間にやら別世界へと迷い込んだ彼は、その世界では成功者で、妻は前の彼女の赤毛のグラマラス美女。
    ……中学生の妄想のような話でした。
    「愛の手紙」が素敵な話だっただけにがっかりです(T_T)
    別世界への入り口が、どちらの世界でも存在している小さな新聞スタンドで、小道具がコイン、というのは好きなんだけどな。

    カバーイラスト / めるへんめーかー
    原題 / THE WOODROW WILSON DIME (1968)

  • これ天海祐希さん主演で、宝塚で上演されてます。どんなお話か知りたくて読んでみたらヒットでした。

  • 珍しく(私としては・・・ということです)ドタバタ・・・
    笑うところが若干1箇所。
    ありえないけど想像すると笑える。
    キーワードは犬です。
    きっと吹き出してしまいます。

    ユーモアとスリル(スリルって本当にあるかな?)のパラレルワールドへどうぞ!!
    ミステリではありません。
    ファンタジー・・?

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