ペガーナの神々 (ハヤカワ文庫FT)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150200053

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  •  まだこの世が始まらない前――。
    <宿命(フェイト)>と<偶然(チャンス)>が勝負をした。勝者がマアナ=ユウド=スウシャイに神々を創らせた。その後、マアナは休息のために眠りについたが、<宿命>と<偶然>は大空を盤に、神々を駒にして新たな遊戯を始めた。しかし人々はそれに気づくことなく、神々を崇め続けるのだ――。

     ラヴクラフトの創作に多大な影響を与えた、神々の活躍とその黄昏を詩的にかつ雄大に描いた創作神話の短編集。クトゥルフ神話を嗜んでから読むと、どの部分が参考にされたのかがよくわかる。そして古典ながら、根源という以上の読書体験を得られた。クトゥルフ神話の拡張を画策している人にぜひ読んで欲しい。何らかのひらめきが得られるはずだ。

  • 1900年代に書かれた神話ファンタジー 
    ダンセイニが小学校しか出ていないというのは驚いた。
    とてつもなく豊かな想像力だけど、神々の沈黙とかを読んだ後だったので若干サヴァンなのかなと穿った見方もしてしまった
    作中に出てくる表現をそのまま引用するのは稚拙かもしれないけど、「霧に包まれた世界」みたいな絶妙に不思議な感覚に引き込まれる

  • のちの作品に多大な影響を与えていると言われるペガーナ神話に興味があって読んだ。
    神々や自然物がかなり擬人化されて書かれている。
    「時と神々」には寓話的な話が多かった。
    なんとなく不思議の国のアリスを思い出させる書き方。

  • 〈宿命〉と〈偶然〉が賽をふり、勝者がマアナ=ユウド=スウシャイに語りかける。マアナ=ユウド=スウシャイは神々をつくり眠りに落ちて、再び目覚めたとき創造された全てを終末に運ぶーー。

    本編は神々と、神々が手慰みに産み出した、世界に生きる人々の物語。神々の人間に対する所業は無慈悲であり、救いでもある。
    文章がとても綺麗。読み進めるにつれ脳内に映し出される創作神話の世界は、幻想的な輝きに満ちている。
    登場人物ではムングとリンパン=タン、ドロザンドが好き。物語として好きなのはドロザンドはイムバウンとのエピソード。

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  • 参考文献

  • ダンセイニといえば私にとって、好きだけどなぜ好きなのかわからない。しかしとても惹かれる作家でした。でもこの作品は素晴らしい。神々と人間、それぞれの役割や生きざまを夢のように、淡々とむなしく、そのために時々悲しくて仕方なくなるような、そんな筆致で描いている。でもそれは夢であり真実など誰も知るところではない。アマナは作者=ダンセイニ自身の投影であろうかという気さえする。そんな物語は、砂漠を彷徨う求道者が見つけた、美しい赤い薔薇のような印象を読者に残す。とにかく読めてよかった。ただその一言に尽きる傑作です。

  • 一応 ケルト的かなしみに とか言われるが、
    マアナ ユウド スウシャイと諸神 とその被造物である地球のいろいろは、全体を司る絶対者と被造物、というキリスト教の世界観まんまである。

    ハワード・フィリプス・ラヴクラフトのクトゥルフ神話体系に、本書の影響が伺われる。

  • 5/3 読了。

  • ダンセイニ卿の幻想神話。
    ケルトと北欧のまざったような淡い世界。

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著者プロフィール

本名はエドワード・ジョン・モートン・ドラックス・プランケット(1878‐1957)で、第十八代ダンセイニ城主であることを表すダンセイニ卿の名で幻想小説、戯曲、詩、評論など多くの著作を発表した。軍人、旅行家、狩猟家、チェスの名手という多才なアイルランド貴族だった。『ペガーナの神々』をはじめとする数々の著作により、その後のファンタジイ作家たちに多大な影響を与えた。

「2015年 『ウィスキー&ジョーキンズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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