ラベンダー・ドラゴン (ハヤカワ文庫FT)

  • 早川書房 (1979年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784150200084

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  • p.84 ”宗教は、人生に正義と理性をつけ加えることができたかもしれないのに、時とともに汚れていく一方だ。というのも、それは愛のかわりに恐怖から生まれたものであり、信頼より猜疑から発したものだからだ。”

    p.91 "目的が曖昧で、友情も疑わしく、存在自体が単に見解上の問題であるような高次の存在"

    p.95 "ドラゴン卿"


    風刺や教訓の物語であるが、どっとはらいな昔話形式で終わるのは、美しい結末と見るべきか、やや投げやりな結末というべきか。

    風刺はなかなか楽しめるが、教訓についてはそうでもない。謎の力で衣食住が保証されてる村社会なので、説得力には乏しい。

    上下左右の余白を合計すると6cmくらい。早川には稀なことだが、時にはそういう装丁のものもある。


    以下雑感。
    痛風でリューマチの老ドラゴン。

    本題ではないが、ヒロインの魅力を語るのが作法というスタイルはたしかにある。リリアンの萌えポイントはえくぼ。

    p.152 テミトクレスの訳注?に「サラミスの海戦でイランを破る」とある。なんでイラン? 人物評ならその人物の生きていた当時の名称を用いるべきではなかろうか。

    p.153 ヴァレリウス・フラカスが後年「神主」になったという。神主には「フレーメン」とルビが振られている。ちょっと調べた限りではこの一節に相当する情報は得られず。フレーメンは、アラキスの砂漠の民を表すフレーメンと同じ語だろうか。

    p.155 「たら腹」。「たらふく」が漢字で表されるのは初めて見た。「鱈腹」と漢字で書くこともあるそうだが、当て字だそうな。半分漢字のものも当て字の亜流だろうか。


    山本弘が一時期「よいモンスター」論を展開していた時期があった。当時は『モンスター誕生』に触発されたのかと思いもしたが、『ラベンダー・ドラゴン』に触発されたのかもしれない。アイスウィンドサーガは本国での発刊が1988年であり、『モンスターの逆襲』と同年である。当時の山本弘はドリッズドの存在を知っていただろうか。
    2026年頭、Xとして知られるTwitterで「モンスター的な生物の社会性が表現されることがあるが、そのほとんどは人間社会のコピーにすぎない」というようなポストを見かけた。この意見を目にして腑に落ちたことがある。先の山本弘の主張には当時から偽善的であり胡散臭いと感じていた。その理由としてシンデレラフィットする見解だと思えた。
    生物がなにか哲学的なことを生みだすとして、それが自らの特性を無視したものであるとは思えない。牙や鉤爪をそなえた者が、持たぬ者と同じ哲学を抱くとは思えない。その生物が生きるニッチを満たすものであるはずだ。強者であれば強者なりの。弱者であれば弱者なりの。人間が理想とする善のコピーではないはずだ。


    PS.本書も長年の積読状態にあった。知ったのは『リリス』と同時期である。

  • ファンタジーではない。そこが好きだ。

  • 表紙と、ドラゴンという言葉に惹かれて。

    物語としてのファンタジーではない。非常に直接的な老人が若者に向ける訓戒である。ドラゴンの存在や、非の打ち所のない理想郷の存在と言う点で非常にファンタジックではあるが。

    訓示的な台詞が長々しすぎ、物語もなくあまり楽しめなかった。

  • ユーモアファンタジーだという話を聞き、すごく笑えるのを期待して読んでみたが、そういうユーモアではない方だったので少ーし残念だった。ファンタジーとして、設定やドラゴンの考え方も好きだが、最初に依頼のあった、ドラゴンを恐れている村へなぜ説明しに帰らないのかとか、哲学的な話や神話の引用が多いところが微妙に引っかかった。

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