魔法使いの弟子 (ハヤカワ文庫 FT 30)

  • 早川書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150200305

感想・レビュー・書評

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  • 確かこの作品、映画化もされましたよね。
    残念ながら見てはいませんが。

    魔法こそ出てきますが
    よくあるファンタジー作品に出てくる魔法とは
    一線を画しますし
    実際には炸裂はされません。

    つまりこの作品を読んで感じることは
    このような非現実な術は
    ただ同然で出来るわけではなく
    必ず何らかの対価を支払わねばならぬということ。

    そのためにラモンは
    自らの大事なものを「担保」に
    するわけで…

    他のファンタジーとは毛色が違いますので
    読む際には注意。

  • 4/26 読了。
    ダンセイニの本領は短編だと思っていたけど長編もいいな。びっくり箱的なギミックとしての魔法ではなく、魔法が存在する"世界"を描き出す美しい文章。荒俣宏の訳文が素晴らしい。
    影を生み出す"物体"であることを重要視する主人公ラモン・アロンソ及び城の人びとと、物体を軽んじ精神の世界に遊ぶ魔法使いの二項対立。「すべての根源は一つ」と説く魔法使いにとって金は無価値なものだが、地に足をつけて生きるラモン・アロンソたちにとっては必要なものだ。影=物体なんて無価値だと言い切れないのは、アネモネが語る影の思い出のせいだろう。このシーンの美しさが全編を通して1番印象に残っている。もちろん、魔法使いの寂しくも美しいラストシーンも甲乙つけがたいけど。

  • 荒俣氏だったのですね、訳。私内的にファンタジー=『魔法使いの弟子』というくらい、ファンタジーを読む楽しみ、異質な世界とこちらの世界のあわい、を童話めいた道具だてで、はっきりとそこに出現させ、みせてくれる本。漠然とピレネーという境界を、そしてそこで分断された近代と中世という時間と土地を、閉じた扉とともに想像してみる。ファンタジーってやはり世界を取り戻すことだと思う。

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著者プロフィール

本名はエドワード・ジョン・モートン・ドラックス・プランケット(1878‐1957)で、第十八代ダンセイニ城主であることを表すダンセイニ卿の名で幻想小説、戯曲、詩、評論など多くの著作を発表した。軍人、旅行家、狩猟家、チェスの名手という多才なアイルランド貴族だった。『ペガーナの神々』をはじめとする数々の著作により、その後のファンタジイ作家たちに多大な影響を与えた。

「2015年 『ウィスキー&ジョーキンズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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