〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (587ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150203573

作品紹介・あらすじ

北イングランドに赴いたジャーナリストのアンドルーは、彼を呼び寄せた女性ケイトから思いがけない話を聞かされる。おたがいの祖先は、それぞれに"瞬間移動"を得意演目としていた、二十世紀初頭の天才奇術師。そして、生涯ライバル関係にあった二人の確執は子孫のアンドルーにまで影響を与えているというのだが…!?二人の奇術師がのこした手記によって、衝撃の事実が明らかとなる!世界幻想文学大賞受賞の幻想巨篇。

感想・レビュー・書評

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  • 服役中の新興宗教の教祖が信者の臨終の場に現れたという話を取材するために北イングランドを訪れたジャーナリストのアンドルー。
    彼を待っていた女性ケイトは、アンドルーにお互いの祖先が瞬間移動を得意とする奇術師でライバル同士だったと語る…。

    瞬間移動を得意とする奇術師で何となく感じる兄弟の気配、ときたらオチはあれだよなと思っていたらまさにその通りだった。
    幻想小説とはいうものの、ラストの1章以外は普通に2人の奇術師のライバルとしてのあれやこれやで、読みにくさや分かりにくさはなかった。
    事前に難解と聞いていたので構えて読んだけれど、肩透かしだったなぁ。
    このくらいの配分だったら大丈夫。
    逆にいえば普段馴染みのないジャンルでありながら驚きとか新鮮さを感じなかったのが残念。

  • 20世紀初め“瞬間移動”をテーマに競い合った2人の天才奇術師。その確執は子孫にまで続き、2人の残した手記から驚くべき事実が明らかになる。世界幻想文学大賞受賞作だがファンタジーというよりSF。何よりプリースト十八番の騙しのテクニックは巧み。

  • なんとも評価に困る本。
    まず、序盤から中盤までが読みづらい。
    二人の奇術師の確執をそれぞれの手記で描いていくのだが、ここはそこまで面白くない。ただの伝記。
    しかし、少しずつ謎が見え隠れする後半から面白くなっていって、ちょっとぞっとするような結末を迎える。
    読み終えてからも、結局どこまで信じていいものかと、煙に包まれたような気持ちになる。
    終わり方は面白かったけど、人に勧めるほどでもないかも。

  • クリストファー・ノーラン監督。
    クリスチャン・ベール(バットマン・ビギンズ)、ヒュー・ジャックマン(X-MEN)主演。
    映画、『イリュージョンVS』ならぬ『プレステージ』の原作。

    どちらかといえば、ミステリーを求めるなら映画を、幻想を求めるなら小説をと言ったところ。

    原作は、世界幻想小説大賞を授賞しているので、純粋にミステリーやSFを求める読者には不向き。

    同作者の『魔法』が、SFのガジェットをラブストーリーとアーバンファンタジーで味付けし、各ジャンルを覆うほどの風呂敷の広げ方だったのに対し、
    こちらは同じくSFのガジェットを用いながら、ホラーあるいは怪談的な雰囲気と幻想小説にとどまっているので随分分かりやすい。

    だが、『語り』は『騙り』ならぬ『記述』は『奇術』の手法は健在で、読者が頭の中でストーリー及びその背景を構築することが求められる。
    本書の構成の妙は、それをも意図して書かれているのですごい。

    充分推測できるほどのリドルストーリーであるラストだが、そこに幻想小説としての極みが見える。

    映画とは大筋以外ストーリーは違っているが、映画版と共に、個人的歴代ベスト級。

  • なかなか読むのに時間がかかった。
    英語の本て、訳す人によってかなり変わってくるし、今と昔とで作品の雰囲気すら変わるから面白い。(逆に難しいってのもあるけど。。。)
    映画「プレステージ」の原作。映画は見たことなかったけど、ざっくりしたストーリーは知ってたので、雰囲気には入り込みやすかった。
    頭の中に「?」が浮かぶことがいくつかあったけど、総合的には面白く読めた。
    映画との違いをちょっと調べたけど、だいぶ違うのかな?逆に映画は映画で楽しめそうです。

  • 9784150203573

  • サスペンスだと思って読んでいくと見事に足元を掬われる作品。ハヤカワ文庫ではファンタジー枠で分類されているが、SF寄りの作品だと思って読むのを私はお勧めしたい。
    映画「プレステージ」の原作ですが私は映画は未見。原作のあの複雑な構成と、文章だから成り立つトリック部分をどう映像化しているのか興味はあるのでいつか見たいと思っています。

  • 作者にしては親切だなというのが第一印象。互いに至高の奇術師を目指すボーデンとエンジャ。ボーデンの子孫の語りから物語は始まるが、自分には双子の兄弟がいる気がするとおかしなことを述べている。その後主にボーデンの手記、エンジャの日記が出てくるが、二人の絡み合った不幸な因縁と最高の奇術を目指す圧倒的情熱が悲劇を産み出してしまう。
    二人とも瞬間移動の奇術を考案するが、エンジャのネタは詳しく説明されていて、それがまた面白い。だがボーデンの方はどうなんだろう。エンジャはボーデンのネタを分かったと言うが、本当に合っているのか最後まで曖昧だ。そしてラストの恐ろしい場面。ホラーっぽくてぞくぞくする。面白かった。

  • 古書購入

  • 読み終わってしまった。
    その瞬間は、ちょっと待って、まだ謎が謎のままじゃん、と思ったけど、それが奇術。
    完全なネタバレなんて、するわけないか。
    読者の想像に任せる辺りが幻想的。
    SF要素も盛り込まれてるけど、現実にはこんなこと無理だと思う。
    この構成がまた上手い。
    この作者の本は2冊目だけど、再読必至。

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