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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784150203788
みんなの感想まとめ
魅力的でありながらも不思議な世界観を持つ物語が展開され、登場人物たちの複雑な関係が描かれています。特に、報道カメラマンのグレイと彼の恋人スーザンを中心に、語り口が頻繁に変わることで、読者は誰が真実を語...
感想・レビュー・書評
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著者のクリストファー・プリーストは「逆転世界」で世界の基盤をひっくり返す衝撃力に驚いた特別な作家だけに、「自在に姿を消せる魔法の力に恵まれた男女3人の奇妙複雑な関係」?に若干の不安を抱きつつ読んでみる。原題のTHE GLAMOURは魅力という意味で訳されるのですが、元々は魔法や呪文という意味だそうな。この深い意味を表す言葉によるすれ違いや、誤解を生じさせながら、爆弾テロによって記憶を失った主人公が記憶をたどるサスペンス小説かと思いきや、わかりやすいSFになるのか?を経由してその手を使う!?になります。不思議感満載のファンタジックな男女関係。信じてもらうって難しい。往年のハードなSFからは離れてしまった感じでしょうか?
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報道カメラマンのグレイと彼の恋人のスーザン、主な登場人物は二人なのに一人称、二人称と語り口は頻繁に変わる。今語っている「わたし」とは誰なのか。話し相手が語っていることはどこまで真実なのか。今対峙している人は実在してるのか。自分とは何なのか。読み進むにつれて混乱してきて、ラストでは頭の中が?だらけ。分からないことだらけだけど、面白かったー。
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映画「プレステージ」を観て、プリーストの衝撃は それなりに知ってはいたつもりですが…
いやーとんでもないわ。
途中で告白される、ある大きな要素「グラマー」。
これで完全に世界観がひっくり返る。
ふつうはグラマー=魅力=魅する力と考えますが、
個人的にはまったくの正反対の印象。
あなたがどちらの印象を受けるか
そしてこの力を欲しいと思うかはともかくとして、
前半の恋愛モノが一変しまくる事は保証する。
ラストの一行でまたひっくり返す手法も見事。
結局冒頭の、途中の、ラストの章は誰のものか?
頭ぼーっとさせてくれること請け合いです! -
クラクラする内容です。取り敢えず絶賛!
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最後が理解できなくてくやしい(T ^ T)
読みやすいし、ファンタジー要素が出てからはワクワクもしたのに、最後の数ページで置いてけぼり。ナイオールなにもの?絵葉書どゆこと? -
プリーストのPBを読もうと思ったが、文庫の未読本があったので先に。
グラマーは英文法の魔法なんだなぁ -
5/20 読了。
すべてのエンターテイメントには、今見ている/聞いている/読んでいるものは現実ではないと、提供する側もされる側も分かっていながらそれを一旦受け入れ、そのうえで<まるで信じているかのように>幻想を楽しむ、という大前提がある。不信という前提があるから安心して楽しみに身を委ねることができるのだ。プリーストは、その黙認契約を中心テーマに据えて物語るスペシャリストである。「奇術師」ではこの<エンターテイメントの大前提>を早々と登場人物に語らせ、手の内を晒しながらもトリックを仕掛けるというまさにタイトル通り奇術のような語り口をとっていた。「奇術師」より先に書かれた本作では、<エンターテイメントの大前提>が中心テーマであることは終盤までの隠されている。読者は物語内リアリティを巡る問題に翻弄され続けた結果、遂に謎を解き窃視愛好者を断罪するつもりが自らが他ならぬ窃視愛好者であることを発見させられるのである。エンターテイメントにおける観客とは物語に参与することなく一方的に<見る>者であるが、その<見る>者が無意識的に<見られる>者に対して行使してしまう生殺与奪権の恐ろしさを体感させてくれる傑作。
ラストがあまりにも周到かつ巧妙なので、なるほどねー!と早合点してしまうのだが、スーザン視点の中盤とかめちゃくちゃ変な話w なんでこんなこと思いつくんだろう。「奇術師」の方がエンタメ性は高いけど、その代わり仕掛けも早い段階で分かってしまい(わざとだろうが)あまり上手くないなぁと思っていたら、本作は断片的な情報の出し方や話し手の人称の切り替え方などとてもスマート。なのに変な話具合では断然「魔法」の方が上なので、遅ればせながらプリースト恐るべし、と思わされた。 -
再読したら、解釈や感想も異なるのかもしれない。
これまたネタバレさせずに感想を書いたり、
あっさりとした最終章と、
語り手を明確にしないため書き直したという
そのひとつ前の章により、ネタバレさせず
自分自身の解釈を書くのも難しい。
がっかりする人もいるだろうが、のめりこんでいき
やられたと思う人もいると思う。
「双生児」を読んだ後だけに、
記憶の食い違いから平行世界の話しかな?
と疑わせながら、見えないがそこにいる、
どこにでも現れるナイオールとははたして何者か、
そしてどういう結末が待っているのか、
と思い読めていったが、これまた鮮やかなラスト。
純文学的アプローチでI.マキューアン『贖罪』、
(厳密には異なるが、騙しの面で)
サスペンス、サイコスリラー的アプローチで
P.ルメートル『悲しみのイレーヌ』あり、
ある者が持つ絶対的な力とそれを目にする第三者
そして登場人物の関係をSF,FTの舞台で表現すると、
こうなるのではないかと。
登場人物が映画に対する考察で触れているのも
そういうことなのかも。 -
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自分の理解能力を上回る作品やった。面白いんやけど。
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記憶をなくしたカメラマン。恋人を語る女。彼女は元恋人との問題を抱えていた。とてもグラマラス(魅力的)な男。
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超能力ものという情報で読み始めたけど前半は恋愛ミステリ的で、あれ?と思っていたら後半は異能者の話になっていった。
爆弾テロに巻き込まれ記憶を無くしたグレイ。
療養中の彼のもとに、かつて恋人だったというスーザンが現れる。
記憶の中で欠けている期間に交際していたのかとグレイは半信半疑だったが、思わせぶりな言動を取るスーザンに惹かれていく。
記憶を取り戻すため、グレイは催眠療法を受ける。
ここで章が変わり、時間を遡ってグレイ目線でスーザンとの出会いからの日々が語られる。
幸せなカップルだった頃を思い出したグレイだが、スーザンはその記憶は真実ではないと語る。
スーザン目線で明かされるグレイとの関係は、グレイ自身の記憶(前章で語られた内容)とは全く異なるものだった。
スーザンが語る真実にグレイは混乱し、ふたりの記憶のズレをすりあわせて行くところで物語は佳境へ。
最後の最後まで面白かったのだが、正直オチがよくわからなかった。
これはメタフィクションなのか?
長い物語で、グレイの回想あたり、ここは必要か?と思うほど長い旅の描写などダレる部分もあったのだが、
スーザンの特殊能力の話が出てからは一気に面白くなった。
”人に見えない”という能力の定義、それを活用したエピソードが新しくて巧妙。
そしてスーザンの恋人であるナイオールが恐ろしく、人間ドラマとしてもよく出来ていた。
終盤まで、何が真実がわからずどんな種明かしがあるのか期待したのだが、その分結末には肩透かし感が。
そこだけが残念。 -
1984年発表。クリストファー・プリースト著。爆弾テロに巻き込まれて記憶を失ったグレイの元に、かつての恋人を名乗るスーザンが訪ねてくる。記憶は回復していくように見えたが、ナイオールという男が入り込んでくると発生する三角関係、そして二人の記憶のずれがストーリーを掻き乱す。
面白かったがいまいち物足りない感があった。文体はあっさりしていて簡潔で読みやすい。少し複雑なストーリーも割と分かりやすく書いてあるし、ミステリー的な面白さがあると思う。男女関係のずれみたいな部分もよく書けている。
ただ、結末だが、ああいうオチにしたならしたでもっと哲学的に突っ込んでほしかった。犯人を示してそれでおしまい、というのは味気ない。この小説は中盤の旅の描写がやたら長いのだが、そこを削ってオチの描写を徹底してほしかった。
もし、そうできないのであれば、メタ的な結末をやめて、もっと幻想小説寄りに振りきってしまってもよかった気がする。私個人はそういう印象で読んでいたので、結末は肩透かしといった感じがした。
それに、爆弾テロ、記憶喪失、記憶のずれ、存在の希薄性など、どのエピソードをとっても、どこかの漫画で読んだような既視感があった。大衆小説だなあ、と感じて少し冷めてしまう。 -
最初は本当にただの恋愛ミステリ(しかもありがちな)と思って読んでいて、けれど部が変わるたびに秘密がどんどん募っていく。決して解き明かされはしない。不可視者という概念、無数にちりばめられたギミック。
主人公は記憶喪失だけど、記憶を失っていなくても比喩的にはありえることなのだろうなあ。
メタフィクションよりかはもう少し幻想よりな着地のほうが好みかな。 -
私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2014.5.7読了
なかなか難しい、という印象。あ、文章は読みやすくて、話そのものはわかりやすいのですが。
そして、ネタバレせずにレビューを書くのは、更に難しい。
お話は、男女の三角関係をめぐる話、なんですが、そこにひとつ、物語としての要素があって、そして、物語全体が魔法のようになっているという何だかわからないレビューになりましたが、これは小説ならではの面白さたっぷりで、もう映像化は絶対無理なんじゃ無いかという、もし何だったら誰か映像化に挑戦してみてよというぐらい、小説の力を具現化しています。
ま、その分、私の読解力では最後の方がよくわからなくてモヤモヤするようなこともありますが。
とにかく、章ごとに人称を変えたり、視点を変えたり、同じような舞台が場所が変わっていたり、小説のかたりの手口がこれでもかと詰まっています。
ま、そもそも小説というのは、様々に書かれている文章を読んで、そこから読者一人々々がそれぞれのイメージを想起して、そこに何らかの楽しみや様々な感情を抱くものだけれども、そのイメージというのは、いったい何?なんてことを考えることはあんまり無いよね。
そして、この魔法というタイトル、彼方と此方の違いがあるので、しょうがないんでしょうが、やっぱりイマイチだよね。 -
ぶらぶら考え、予想しながら読んだが、結局自分のレベルをやすやすと超えられてしまった。帯に「著者が語る(=騙る)」とまで書かれて、それを念頭に置いて読んでたのに。
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原題は「The Glamour」邦訳では「魔法」と表現されていますが
もっと別ないろいろな意味を内包している言葉で、それが
そのままこの物語の重要なポイントになっています。
作者曰く、古い物語に恋に落ちた男が魔女の力で愛する女性に
"glamour"の魔法をかけてもらい、女は"glamorous"になって
他の若い男性の「目に見えなく」なるというのがあり、この題は
それに因っているそうですが、物語自体も同じく「目に見えない」
「不可視性」というものがテーマになっています。
もし「目立たないこと」が特殊な魔法のような能力なのだとしたら?
そしてその不可視性の陰の世界に暮らす人々があちこちにいて
現実の世界のものを掠めながら暮らしているのだとしたら?
そしてその世界の狭間にいるヒロインが影の世界と現実の世界の
恋人に引き裂かれ・・・という単純な話ではぜんぜんなく。
テーマはあくまでも「不可視性」。コレがどういうものなのかを
ヒロインや主人公、催眠術の観点からなど、あらゆる角度から
分析させているところが面白いところだったりするのですが
そんな単純な事が魅力なわけでもぜんぜんなく。
ひとつの出来事が何人ものファクターを通して描かれていて
いかに「現実」というものが曖昧模糊としたものかを知らしめる
とても複雑で不思議な物語。最後は手品のように終わってしまい
狐につままれたというか煙に巻かれた気分というか。
だいぶ玄人向けの物語かもしれません。
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