闇の公子 (ハヤカワ文庫 FT リ 1-18)

  • 早川書房
4.12
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  • (4)
本棚登録 : 582
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150204761

感想・レビュー・書評

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  • 他の方もおっしゃっておられますが文章が芸術作品のようにきらきらしています。比喩がものすごいといいますか……何か特別な単語を使っているというわけではなく、想像しやすいかなと思います(読書慣れしていない人にはとっつきにくいかもしれませんが)
    短編集ですが、最初から最後まで順番に読んだほうが面白いです。あと、ファンタジーと言っても表紙から察せられるように、ダークファンタジーなので、登場人物の9割が救われません(苦笑)ですが面白かったです。
    ちょっと表現として……エロいですし(苦笑)男性同士の恋愛???が駄目な人には一話目は抵抗があるかもしれません。が、最初の峠を越せば後は大丈夫かと。
    ファンタジーで、救われないお話でも大丈夫!な方は読んでら楽しめると思いますので、オススメです。

  • 言葉の幻想絵巻!
    宝石に飾られた妖魔たちの世界、たった一人の妖魔の王に翻弄される人間たちの運命がはかなくも美しい文章で語られます。
    章ごとに終わる物語が複線となって最後につながる様も見事でした。

  • ジュエリーを鏤めたような絢爛豪華な読む画集。

  • 破滅的な美を帯びたおとぎ話、あるいは神話。
    圧倒的なまでの美と力はなぜか強烈な引力でもって心を惹きつける。
    チェーザレ・ボルジアを読んだときにもうっすらと感じたことを、より強く感じさせられた。

    こころゆくまで美とエロティシズムに耽溺したい時に。

  • 読み終わって、ほっと感嘆の息が漏れた。耽美だとは聞いていたが、無慈悲な企みの数々が見事なまでに極上の艶やかさに彩られている。妖魔の王が人間たちの愚かさ、知恵、悲しみ、憎悪、喜びといったあらゆるものをからめとり、砕き、愛おしむさまに、すっかり翻弄されてしまった。もう本当に、ごちそうさまでした(笑)。

  • 闇の公子、妖魔の王アズュラーンを中心にした連作短編です。
    タイトルの通りですが、夜、闇、黒の魅力が詰まっています。
    コトダマが宿っていると確信できるほどの訳文の美しさ。
    大人のための夜の御伽噺です。

    早川さん復刊してくれてありがとう!!

  • 妖魔の王アズュラーンによる気まぐれで翻弄される人々のオムニバス。とにかく文章が美しい。人生を狂わされる人間の矮小さ、純粋さ愛おしさが際立ちそりゃ何でも出来るアズュラーンも愉しくてちょっかい出しちゃうよね。
    結局自分で自分の首をしめる結果になるけど、種まきの段階から憎悪と対峙する場面、その流れも完璧。あと復活するラストはなんだか笑える。
    「平たい地球」シリーズ第1作だけどこれだけ完成されてると思う。ダークファンタジーの最高峰。
    タニス・リーはやっぱり凄くて変わらず好きなんだけど翻訳された浅羽さんもとてつもなく凄い人なんだなと再認識した。なのになんで絶版なんだ....!!!!

  • 4.14/539
    〈平たい地球〉シリーズ(『闇の公子』→『死の王』→『惑乱の公子』→『熱夢の女王』→『妖魔の戯れ』)

    内容(「BOOK」データベースより)
    『まだ世界が平らだったころ、地底では妖魔の都が栄えていた。その都を統べる妖魔の王、絶大な魔力と美貌を誇るアズュラーン公子は人界に遊び、無垢なものたちを誘惑して愉しんでいた。育て上げ寵愛した美青年、残虐非道な女王、生まれる前にふたつに引き裂かれた魂…闇の公子の気まぐれないたずらは、あまたの人間の運命を変え地上を災いの種で満たしていく。傑作ファンタジイ“平たい地球”シリーズ第1作、待望の復刊。』

    原書名:「Night's Master」 (Tales from the Flat Earth #1)
    著者:タニス・リー (Tanith Lee)
    訳者:浅羽莢子
    出版社 ‏: ‎早川書房
    文庫 ‏: ‎346ページ

  • 語られる物語の描写があまりにも美しく耽美的で、魅せられたように一気に読破してしまうような話だった。
    特に好きなのはシザエルとドリザエムの話だ。
    ラストのアズュラーンの呼びかけに応え、振り向いたときの二人の表現には自然に涙が出た。
    ”二度も分かつにはみごとであり過ぎる”
    ”この世でいかほどの値打ちを持つかは知らぬが、わが祝福を受けて旅立つがよい”
    と云うアズュラーンの言葉で幕を閉じるところが、ひとつの物語の閉じ方として、最高のものを見たとさえ感じた。

  • 女性の書く美醜の話はなんでこう容赦がないんだろう。ある意味ホラー。

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