空の都の神々は (ハヤカワ文庫FT)

  • 早川書房 (2011年10月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784150205379

作品紹介・あらすじ

後継者争いに巻きこまれた少女イェインは、人々が古の神々を使役する都へ招かれる……

みんなの感想まとめ

人間の欲望と神々の関係を描いた物語は、古の神々が人間の欲望の具現化として存在する様子を描写しています。主人公イェインは、神々を使役する都に招かれ、彼女の深い情が欲望とは異なる何かを分かち合うことの重要...

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙を作った3人の神々が争った末にできた世界。末の妹は死に、兄は捕らえれて子神たち同様人間の身体に押し込まれ、唯一神として真ん中の弟が支配している。唯一神より力をもらって人間界を支配している一族の後継者争いに巻き込まれた若い女性が主人公。世界観が細かく作り込まれていて魅力的だし、主人公が争いに巻き込まれ死の恐怖に怯えながら、自尊心を忘れずに力強く自分を貫こうとする姿勢に引き込まれる。でも神々の力の前では、人間がひれ伏して当然とする前提がなんだかなという感じ。面白かったけど。

  •  すごい、すごい物語。
     壮大なハイ・ファンタジィにして、目眩くスペクタクル作品でした。

     解説からあらすじを引用。<blockquote> はるか昔、<大渦巻>によって創られたこの世界で、三柱の神による激しい戦いのすえ、光の神イテンパスが勝利した。黄昏の女神エネファは殺され、敗れた闇の神ナハドとその子どもたちは、以後はスカイという名の空中都市で、イテンパスの僕である人間の一族アラメリ家の者たちによって奴隷のように使役されることになる。
     そんなスカイの都へ、アラメリの長たる祖父デカルタの後継者争いに参加するため、辺境の小国ダールの首長であった十九歳のイェイナが招かれる。野蛮とされる民の出身ゆえ、イェイナは富も力もなく、はじめはスカイの宮殿で生き延びることさえ困難に思えるが、やがて少しずつ頼ることのできる味方を得てゆく。そして、イェイナがスカイに来たのにはもうひとつ、暗殺とおぼしき母の死の真相をさぐる目的があった。アラメリの家長の交代の儀式が近づき、またイェイナの復讐すべき相手がわかりはじめるにつれ、この世界の根幹にまつわる大きな秘密も明らかとなってゆく……。</blockquote> このあらすじからも分かるように、とても多くの要素が含まれる、重層的で重厚なハイ・ファンタジィです。
     ストーリィの根幹は、圧倒的な存在感で目前に広がる異世界を舞台にしたハイ・ファンタジィ。そこへ、ミステリィやサスペンス、そしてラヴ・ストーリィといった、エンターテインメントの要素がふんだんに盛り込まれていきます。
     こういう、様々な要素を詰め込んだ作品は、往々にして収拾が付かない、散漫な方向へと流れてしまいがちになるものなのですけれど、作者はその秀逸なストーリィテリングの才能によって、これだけ盛り沢山の作品を鮮やかにまとめ上げ、なめらかで筋の通った、美しい織物へと編み上げた上で、すべての要素が破綻せず、また、すべての要素を使い切って、物語を終わりへと導くのです。
     陳腐な言い回しになってしまいますが、ジェットコースタのようなストーリィ展開が、読み手をまったく飽きさせず、先へ先へとページを繰り続けさせてくれます。気を持たせつつ、それでいて、惜しげもなく種明かしをし、どんどん深まっていく謎と、どんどん明確になっていく謎の両面に、ただ翻弄され続けて、あっという間のラストシーンです。

     読了後、上質の作品を読んだあとにだけ味わえる、あの穏やかな満足感に浸れます。
     佐田千織氏の翻訳も素晴らしいです。

     ファンタジィというジャンルには、あらゆるジャンルが包括されうるのだなあと改めて思い知らせてくれた作品でした。解説によれば、本作は三部作の1作目でもあり、2012年後半に続刊が刊行予定とのこと。ここから、どういう風に物語が展開するのか、今からとても楽しみです。

  • これは神話のかたちをとった人間の欲望の物語です。
    見る者の望むかたちをとる『夜の君』は己の欲望を映す鏡。
    隷属する神々の力を行使した悲惨な有様は欲望が暴走した結果。
    あまりにも愛しすぎたがゆえの憎しみも束縛したいという欲望の果てなのです。
    イェイナが持つ情の深さは欲望とは違う相手と分かちあう何かなのだと思います。

  • 神同士の戦に敗れた神々を兵器として使役する選ばれた民とその都の物語。とは言うもののあまり戦争描写はない。むしろ人間ドラマ的。神々はギリシャ神話のようにあくまで人間らしく、愛憎に苛まれ、傷つき悩み続ける。文章と専門用語、世界観は難解だけどちょっとしたミステリー感もあり、読んでいて飽きはこない。SF好きだけど恋愛小説もOKな人向けかな。

  • 「可愛い系とかっこいい系の人外に同時に求められちゃう強いけど弱いワタシ」のテンプレどおりのストーリー。女子中高生がかりそめの全能感を味わうにはいいんでないの、というのが感想。

    ファンタジーなんだからいいでしょって言われればそうなんでしょうけれど、ただその場でめいっぱい毅然としてるだけで、セックスの上手なイケメンに愛されるってそれはまた随分すてきなお話ですね。最終的に相手にあげられるものが自分の体って、笑っちゃったけど、その後で寒々しい気持ちになった。その挙句に神に転生して世界がひっくりかえるって、セカイ系にもほどがあるよ...

  • ローカス賞受賞の帯に惹かれて購入。購入してから読むまで大分時間が空きましたが読み出したら一気読みでした。最初の一文で主人公がその状態?と言うところからひきつけるのが上手いなあと思いました。

    神々が兵器である、と帯に書かれていたのが斬新で手に取ったのですがなるほどこういう意味なのかと。人と人が意思疎通を行うために使われる言語も異種族との交渉ではかくも意味合いが違ってくるのかと思い知らされた気がします。それでもやはり分かり合うことは可能なのでしょうか。そんな可能性と期待を未来に持つのは人間だからこそと思いたいところです。

    ぶっちゃけ主役の女の子よりも彼女の母と祖父の確執や母親の過去の方が興味引かれるところでした。確かに彼女は中途半端なその場しのぎはしない人ですね。

    それにしても続きが出るというのが気になりますね。どんな感じに続くんだろう。個人的にはココで終わらせたほうが座りがよい気もするのですが。その辺りも踏まえて是非次も読みたいな、と思います。

  • 視点が最初わかりづらいが、わかるにつれて物語も見えてくる。
    三部作らしいですが、ここで終わりで十分かと。

  •  遠い昔の戦いで敗れた神々を、人間がしもべとして使役している世界を描いたファンタジー。
     後継者争いに巻きこまれた国王の孫娘が、日陰の存在となった神々と一緒に、自分の母親の死の真相を探っていくメインストーリーには何とか入り込めそうだったのだが、気が強いのに、運命に逆らえず、悲劇のヒロインを演じる主人公に感情移入できず、最後は惰性で読み切った。ハーレクイン・ロマンスのようなファンタジーが好きな人向け。

     巻末に用語集や付録がついていることから察せられたが、世の中のファンタジー作家の例に漏れず、この本の作者も一度作った世界観で続編を作りたくなったらしく、3作目まで出ているらしい。

  • 久しぶりにタイトル&表紙買いした一冊。

    期待して読み始めたものの、読後感はイマイチ。
    自分の読解力が足りないのは認めるが、それを抜きにしても読むのが疲れる小説だった。

    文章が直訳というか、何を言いたいのか一読では理解できないことが多く、何度読み返しても意味が分からず結局諦めて先に進むことも・・。

    また、とにかく説明不足(巻末に世界観の補足等があったが)というのも辛かった。
    登場人物が何を思い発言しているのか、何故その考えに至ったのか、どういう設定が背景にあるのか等があまり描写されず、全てが唐突な感が否めない。
    その為、非常に感情移入がしにくく、物語に入り込めなかった。

    世界観自体はとても魅力的なので、そのあたりの説明からじっくりと話を広げ、人物を丁寧に描写していけば、素晴らしいファンタジー小説になったであろうだけに、とても残念だった。

  • 限りなくファンタジーに近いSF小説だと思います。人間と神々の関係を上手く描いていて面白い小説です。

  • 神々の戦いの後の世界、勝利した神のしもべが納める国の王位継承争いに、属国の女王が巻き込まれる話。力を持ち、人間etcを作った人=神というタイプの神様は、やっぱり人間臭い。
    翻訳本なせいか、元々の作風のせいか、ややわかりづらく、読み進めるのに時間がかかる。特に感動はない。でもシリーズ作があれば読みたい感じ。……と思ったら、三部作の1作目だった。今のところ2作目まで翻訳出版済み。

  • ローカス賞受賞/ヒューゴー賞、ネビュラ賞、世界幻想文学大賞候補ってすごいな。
    『アレクシア女史、欧羅巴(ヨーロッパ)で騎士団と遭う』が刊行される前に読まなきゃ。

  • ヒューゴー賞受賞の作家さん。影響を受けた作家によしながふみさんを挙げられているということです。
    ファンタジー読むの苦手なの忘れてた…!

  • 頑張った。やっと読み切った!
    長かった~~~~~~~。(P数がP数で、放置期間も挟んでいるので時間もかなり……)
    面白かったし、考えさせる内容だし、なのですが、体力要ります、読み切るのに。
    シアがかわいい。

  •   兄弟妹である三神の争いで光の神イテンバスが勝利をおさめ、僕であるアラメリ家の人々を通じ空中都市スカイから<十万王国>を支配していた。主人公イェイナは辺境の小国ダールの首長。下級貴族でしかないが、アラメリ家の長デカルタの孫であり後継候補の一人としてスカイに招かれることになる。野蛮な出自と蔑まされるイェイナは神も人も混然となったスカイの権謀術数の世界に図らずも巻き込まれていく。

     アラメリの先祖は元々イテンバスに仕えていた神官であり、敗者の神やその眷族はアラメリに永遠に使役される身である。またイェイナは自らだけではなくダールの命運を担っている。というようなところは現実社会を思わせるところが面白い。複雑な異世界は非常によく計算され、幻想的な描写も美しく、ミステリ的な要素もピタリとはまっており、全体を通じて筆致は堅実で、全体に多少ゆったりとした展開にロマンス要素多めな部分には好みもあろうと思われるが、第一長篇とは思えない完成度である。
     

  • 昼と夜と黄昏の神がいた
    彼らは神々の戦いを引き起こし
    それは昼の神の勝利に終わった

    戦いで黄昏の神は死に
    敗北した夜の神は昼の神と、彼を信仰する民の奴隷となった……

    今、世界を統べる民が
    世継ぎを決めるべく1人の女性を都へ招いた
    光り輝く空の都「スカイ」
    しかしそこは
    見た目の美しさとは裏腹に
    陰謀と欲望と怠惰の渦巻く世界だった——

  • 神々の争いに勝った光の神イテンパスは、僕(しもべ)たる
    アラメリ家の人々を通じ、空中都市スカイから世界を統べはじめた。
    そしてアラメリ家の世継ぎ候補としてスカイへ招かれた
    辺境の小国の首長イェイナは、母の暗殺の真相を探ろうとし…。
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    というのが大まかな導入。

    独特の世界観を理解する必要があるため、最初はすごく読みにくいと思っていたけど
    読み進めるごとに止まらなくなっていったのは、ミステリ要素が入っていたためだろうか。
    イェイナの母親像が気になってしかたなかった!

    神々は人間臭い性格で、ヒロインの女性は人間だてらになかなか強い。
    愛憎劇的な部分もあり、読み応えある1冊でした。

  • すごく壮大なようで実はこじんまりとしたお話なんですが、それも神話っぽくて良いと思う。
    けっこう長いし、振り返ってみるとそんなに長い必要がある気はしないんだけど、読んでいる最中は飽きなかった。
    ヤングアダルト的というか少女漫画的というか、そういう感じが強いので、そっち系に慣れていない人にはしんどいかも。
    ぼくは好きです。

  • 昼の神に敗れ黄昏の女神は死に、夜の神と眷属は人間の支配者の奴隷になった。支配者の後継ぎを決める為、蛮族ダールの娘イェイナはスカイと呼ばれる都に呼び出された。そこで、奴隷となった神々と出会い、自分が何者かを知る。壮大なファンタジー世界を舞台にしているようで、小さい内向的な話。気取った少女漫画みたいで、個人的には、いまひとつ。

  • 読みにくかったー!全然集中できなくて大変だった。でも読み終えたら面白かった。不思議。

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