双生児 下 (ハヤカワ文庫FT)

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  • 早川書房 (2015年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150205799

作品紹介・あらすじ

稀代の物語の魔術師プリーストが、SF、ミステリの技巧を駆使して書き上げた大作。解説:大森望

みんなの感想まとめ

独特の並行世界を舞台にしたこの作品は、読者を幻想的な混乱へと誘います。物語は、サムの記録を通じて展開し、ページをめくる手が止まらないほどの緊張感を生み出します。終盤にかけては、何を信じればよいのか分か...

感想・レビュー・書評

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  • 史実と違う並行世界の話かと読み進めたところ、一度目の大きな混乱は中盤サムの記録で、どういうこと?という勢いのままそれ以降ページをめくる手は止まらず、終盤に入ってからはもはや何を信じればいいのかわからない非情に心地よい混乱があった。まさに【読書は受動的な娯楽ではなく能動的な営み】だと感じさせてくれる一冊だった。

  • なにこの異空間。頭こんがらがる。
    一言でいえば傑作。

  • こういうオチね。
    しかし、スムーズに幻想の世界に入っていくなぁ。
    騙されるか、と身構えていてもムダ。
    たった一行の文章で、ぜんぜん違う世界に変わっちゃうんだから。
    読み返してもダメ。
    そことは繋がっているようで、繋がっていないから。
    プリーストの作品、これまで読んだのはずれ無し。

  • 2019/7/18購入

  • 双子のもう一人、ジョーのパート。
    良心的兵役拒否者としての登録、赤十字の仕事、遠く離れた妻の関係と赤ん坊、兄弟と和平の交渉。
    日付も読まずに一読しただけでは、最後まで読んでも何が起きていてどういう意味なのか分からなかった。双子であるから尚更ややこしい。偽のヘス、兄弟の動向、子供の名前、微妙にすれ違う史実。解説を読んで、該当ページをパラパラと見て文脈を思い出して、ああそういうものなのかと。再読したい。
    私がヨーロッパ第二次世界大戦の史実にうといだけかと思いながら読んでいたけど、流石に終結くらいはわかるし、そう言われればそうだよな…

  • ドイツと戦争中のイギリスを舞台にしたSF。
    解説を読むまで勘違いして読んでたことに気付かなかった。
    もう1つの歴史はお兄ちゃんの妄想で片付けてしまうところだった。
    メビウスの輪のようにぐるっと入り口につながっているのでした。

  • 読書会の為に久しぶりに再読。今回はきっちりメモを取りながら読んだせいか、上巻は分かりやすかった。第二次世界大戦が1941年で終わった世界が興味深いし、ジャックの手記も読みやすい。だけど下巻に入りジョー視点の話が多くなるとこんがらがってくる。そもそもジョー自身が混乱してるし、なんだか生身の人間に思えない。あとがき読んでもすっきりしない。まあ作者の術中にはまったということか。

  • なるほど〜、奥泉光先生の戦記ものとの共通点かぁ。
    大森望氏の解説が優れているので、頑張って作品を読み通した甲斐がありました。
    SFが苦手でも、歴史改変ものがあんまり好きじゃなくても、優れた世界文学を読みたい気持ちがあれば読んで良かったと思えるプリースト。

  • あー、最初から文庫版で読みたかったかも。ミスリードされたまま「続く」で終わって、下巻でやられちまった感で満喫できたかも。w
    世界史の勉強のし直し迄も強いられてしまいました。

    更に大森望の解説を読んで、「ドリームマシン」の内容が思い出せなくて焦っている。そして他にも未読のものがあると気付いてポチりに走ってしまった。

  • 上巻半ばで解説のネタバレ直前まで読み…なんとなく輪郭掴んでから読み進み。
    そうか、タイムリープとifなSFだったのかと。最終的にジョンは楽観的な奴である程度の自分の幸福を得られたらタイムリープをやめたけどジョーは神経質で理想主義だから二兎を追ってしまいぐるぐるしてるなぁと雑な感想になりました。

  • さあて、下巻でどのようにSF要素を……


    いや、どっちかというとミステリじゃないかなあ。


    1941年のことに詳しくないし、
    ヘスについてもほぼ知らないと言ってもいいくらいだし、
    そのあたりの基礎知識があれば、より興味深く読めただろうね。勉強不足だね、僕の。
    解説読んで、一晩考えて、やっといろいろ得心がいきましたよ。
    そしてちゃんと原題も見ておくべきだった……


    今は、

    もし戦争が終わっていても米中戦争が起こっていたくらいだから日本が戦争に巻き込まれるなりするのは確実だし、太平洋戦争はなかったかもしれないけれど南方の国々は植民地支配から開放されたんだろうか、

    とかそっちのifが頭のなかをぐるぐるしています。

  • 読んでみるといい歴史改変ものと紹介されたが、
    たしかに面白い物語だった。
    双子が歩む二つの歴史というだけではなく、
    その二つでさえ、絶えず変化を繰り返して、
    解説にあるような、ヒントもちりばめられており
    (見落としたヒントはあとがきで回収)
    何が起こっているのかと、思いながら
    一気に読み進んで、鮮やかに、かつ幻想的に
    物語は終わる。
    国戦時中の人々の生活の一端、兄弟家族の複雑な感情、
    と戦争と平和に対する考証も加えて、
    技巧的エンターテインメント小説。
    第2部の時代の行き来や変化と、第5部の変化には
    何らか構成上に関係があるのではないかと、
    思ってしまうが、どうだろう?

  • 下巻。
    解説を読むと、単行本の刊行当時は年末ベストのランキング上位だったらしい。ちっとも知らなかった……。
    さて、本作は一種の『歴史改変SF』ではあるが、『歴史A』と『歴史B』が並列する、平行世界ものでもある。歴史改変SFで名作とされる作品は数多くあるが、その大半が『もしあの時、○○ではなく××だったら』という思考実験を行っているのに対し、本作では『平行』『分岐』というのが重視されていると言える。
    ところで私はプリーストを読む時、あまりSFだと思っていない。一般文芸指向が強い作風は解説でも言及されているが、幻想小説指向が強いんじゃないか、というのが個人的な感想。本作にしても、上巻は兎も角、下巻に入ってからは、徐々に現実感を失い、現実と幻覚の境目が曖昧になる様子が非常に幻想小説的に表現されていいると思う。

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