シャーロック・ホームズとシャドウェルの影 (ハヤカワ文庫FT FTラ 5-1)

  • 早川書房
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150206154

作品紹介・あらすじ

医師ワトスンは怪事件を追う探偵ホームズと出会う。事件の背後にいるのは古き神々クトゥルフ! ふたりは深淵へと足を踏み入れる

感想・レビュー・書評

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  • No. 24ろ018E,7
    読了日:2024年 2月14日

    ホームズ物語とクトゥルー神話のパスティーシュ小説 3部作中の第1作。

    ホームズ物語をベースにクトゥルー神話の要素を混ぜた物語。もしかしたら、ホームズはこんな冒険をしているかもしれないというパラレルワールドを描いたものだと私は解釈いたしました。

    この物語は、ワトスンとホームズとの出会い、ホームズとモリアーティとの対決について描かれています。

    感想ですが、全体的に物足りなく感じました。
    クトゥルー神話に関連した事件にホームズが巻き込まれ推理していく物語だと思い読み始めたのですが、ミステリ要素が少なく物足りないような感じがしました。

  • 2022年8月ハヤカワFT文庫刊。シリーズ1作目。クトゥルーとシャーロック、ワトスン、モリアーティが登場する魔界ストーリー。従軍中に魔界の者達と戦ったワトスンや魔導書を使いこなすホームズという設定はわくわくものだが、展開がステレオタイプでおそろしく退屈。そして話は次巻へ持越しとなる。うーむ手ごわい。

  • シャーロック✕クトゥルフ
    パスティーシュ ホームズ
    シャーロックの宿敵との邂逅は闇の怪事件だった!
    外なる神に挑むシャーロックとワトソン
    アナザーストーリー的で面白かった
    シャーロックの切れ味は健在です!

  •  ワトソンの未発表原稿が見つかってという、王道の展開から始まるホームズのパスティーシュもの。とは言えそこに至る過程にクトゥルフの産みの親であるラヴクラフトを挟んでいるところがこの話の肝。
     テンポよく進む話。次々に展開する事件。ワトソンとホームズの掛け合いもらしいし、特にワトソンのキャラクターはだいぶ好きな方。だというのに星が伸びなかった理由は、ひとえにこの話のメインがクトゥルフだから。
     おそらくホームズとクトゥルフが同じくらい好きか、むしろ、クトゥルフものが読みたくて買いましたという人なら評価は変わるでしょう。
     シャーロック・ホームズの世界にクトゥルフ要素を加えたのではなく、クトゥルフ世界にホームズ達を招待したという印象。パスティーシュものとしての出来はかなり良いです。
     とはいえ、ホームズが好きであればある程モヤモヤ感が残ってしまうので、次回作は手に取らないだろうな。

  • 作者のラググローブはラヴクラフトの血縁だったことがわかり、ラヴクラフトが保管していたワトソン博士の未発表原稿を託されるところから話は始まる。その原稿を読んでみると‥。

    1880年ワトソンはロンドンで起こる謎の連続殺人事件をきっかけにホームズと出会う。しかし狂った容疑者は自分の腕を噛みちぎりながら死ぬ。図書館から盗まれたネクロノミコン。謎を追ううちにふたりは事件の黒幕モリアーティ教授に辿りつく。しかもその背後にはクトゥルーのいにしえの神ナイアルラトホテップ。地下に聳えるピラミッド。そして蛇人間。ホームズはどこかで読んだようなピンチを迎え、話は大団円へ。

    ホームズものだから、ホームズが負ける訳にはいかない。しかし、相手はクトゥルーの神、これもまた負ける訳がない。そこをどう折り合いをつけるのかと思いきや、うまい具合に話を運び、おもしろく仕立てている。

    でも、純粋なホームズファンには物足りないだろう。推理の面白さは少ないからだ。一方、クトゥルーファンにも物足りないだろう。あの予測不可能なコズミックホラーの恐怖がないからだ。どちらでもない冒険小説的な面白さを備えている。このクトゥルーケースブック3部作。今後が楽しみである。



  • よく知られたアイコンを駆使することで、ホームズとはどんな奴で、クトゥルーと何?といった手続き的な説明をすっ飛ばして、軽快に物語をドライヴする。こいつは善玉でこいつは悪玉でよかった、昔日の冒険活劇のよう。その分、物語が少々安易に流れたきらいはある。全般的に作者に状況を打破するアイデアに乏しく、殊に終盤の活劇では、ホームズたちの窮地を結果的にモリアーティが救うパターンが繰り返されて、なんだか彼がいい人に見えてきたりもする。とはいえ、堅いことを言わずに愉しむタイプの小説として悪くないと思います。

  • 勢いで購入したこの本。かの有名なホームズ書きの方のお話があまり好みではなかったので、これも本家には敵わないだろうなと思ったのですが、これは面白かった。むこうみずで常識人のワトスンに、浮世離れしたホームズ。この二人のやりとりがすごく好きでした。著者の方と関係性の解釈がにてるのだと思います。お話の方もクトゥルー神話とうまく融合してて、最後までハラハラしました。翻訳もよかったのだと思います。三部作の第一作目のようですが、残りのお話も読めるといいなあと思ってます。

  • 割と力技な設定と展開で、面白かったけどところどころ「???」と首を傾げてしまう部分があった。全体的には楽しかった。私もあそこの司書さんになりたい。
    モリアーティさんがもっとアホみたいにカッコよかったら嬉しかったなあ。
    カバーイラストとデザインに惹かれて買ったところが大きいので、本の装丁って大事だなあと思いました。

  • ホームズはそこまで興味ないが、クトゥルフ神話が好きなので読んだ。
    ミステリー要素があってしかるべきなのに、まったくないので逆に読みやすかった。どちらか片方が好きなら読んでて楽しいと思う。反対にどちらにも明るくないのなら、読んでいても楽しくはないと思う。というか、まずそういう人はこの本を選ばないと思われるが。
    マイクロフトがいい味を出してた。
    三部作らしいので、次巻以降にティンダロスの猟犬が出てくるといい。
    ただ特段、次回作を読みたいと思わないのは何でだろう。

  • シャーロック・ホームズの物語とクトゥルー神話を合体させたパスティーシュ。実はホームズは『緋色の研究』と『四つの署名』しか読んでないし(内容もだいぶん忘れてしまってる)、クトゥルーに関しては全くの未読。でも、ホームズとワトスンの(ありえない?)冒険物語として読んでみて、とても面白かった。
    ワトスンの怪我はアフガニスタンでの戦争ではなく、実はトカゲ人間の負わされた傷だったとか、公式ホームズの設定をうまく利用していてにんまりしてしまいます。
    本書は「クトゥルー・ケースブック」三部作の一作目とのこと。
    続編も読み始めました。

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