シャーロック・ホームズとサセックスの海魔 (ハヤカワ文庫FT)

  • 早川書房
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感想 : 12
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  • 本 ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150206222

作品紹介・あらすじ

サセックスで引退生活を送るホームズは、海辺の街での女性失踪事件を調べることに。事件の影には古き神として蘇ったあの仇敵が!

感想・レビュー・書評

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  • No. 24ろ020G,7
    読了日:2024年 2月17日

    ホームズ物語とクトゥルー神話のパスティーシュ小説 3部作中の第3作。

    ホームズとモリアーティとの対決から30年後の物語です。

    後半、なにが起きているのか分かりませんでした。気がついたら、モリアーティとの大決戦が繰り広げられていました。

    ミステリ要素がほとんどなく私は物足りませんでした。クトゥルー神話の要素が強いため、クトゥルー神話が好きな方は好きなのかなといった印象です。

  • 2023年11月ハヤカワFT文庫刊。シリーズ3作目にして最終巻。1作目から30年後、古き神々のエキスパートとなったホームズとワトソンが世界を救う。驚くような事件で始まる魔界ストーリーは、アイデアは面白いのだが、展開が緩やかで退屈。大団円なラストが良い。

  • ついに第三巻で完結。シャーロキアンというよりは、どちらかというとラヴクラフティアン向けのシリーズだったのかなと。両方のファンなので、二乗で楽しめました。
    ルルイエでのクトゥルーとの対決や、ネクロノミコンに魔法の道具の数々、ラヴクラフトの十八番である日記形式…クトゥルー神話好きには堪らないネタを次々と投入しながらも、ホームズ小説の史実にも忠実なストーリー展開と気の利いた言い回しが職人技。

    論理思考の権化的アイコンのホームズが、邪神蠢く心霊オカルト世界に参入してしまうという意外性(でも、ヤク中だから体験的には慣れてそう)が楽しいコラボですが、好奇心と先見性が旺盛すぎるが故に、一線を越えてしまった結果のラストが辛い…。
    続編はなさそうなので残念ですが、短編が『ミステリマガジン2023年11月号』に掲載されているようなので、そちらも当たってみようかなと思います。

  • 面白かったー。ホームズとワトスンの関係の描き方が絶妙だし、ホームズをホームズらしくクトゥルーに溶け込ませているので、この人はこんなことはしない!みたいな気持ちにならずに読めた。他にも長編があるみたいなんだけど、未訳なのでぜひ読みたいです。最後の演習もベタなんだけど、良かった。

  • ホームズらと邪神との戦い、完結

  • 太古の神クトゥルーとの対決が始まってから30年。サセックスで隠遁生活を送るホームズは失踪した3人の女性の調査を行っていた。ドイツ人スパイが暗躍し、戦争に突き進むヨーロッパで、遂にホームズと、ルルロイグとなった宿敵モーリアティとクトゥルーと三つ巴の最後の対決が始まる!

    3作目になると、もう世界観も把握できてるので内容はスムースに頭に入る。映画を観てるようだ。もういにしえの神との対決なのだから、これが本当の最後の事件なのだ。ライヘンバッハの滝に落ちてる場合ではないのだ。開始早々にホームズの兄マイクロフトが殺された!ディオゲネスクラブのメンバー7人が同日に死ぬのだ。邪教の影、幽霊甲虫、ヘビ人間。マイクロフトを殺した犯人と失踪した女性たちを探してニューフォードへ。クトゥルーの名作「インスマンスの影」を彷彿とさせるシーデヴィルたち。囚われたホームズとワトソンはドイツ軍のUボートへ。船は悪夢の都市ルルイエに向かう。そこにはあのクトゥルーが眠るという!もうどんどんネタを注ぎ込んでのてんこ盛り、面白い展開だ。

    しかし話は少しもったいない。最終対決が主題だから結末をつけるためのストーリーは面白い。しかし、逆に言えばこれホームズでなくてもええやん、というところか。いうなれば、もっとホームズらしさにこだわるか、ホームズを無視してもっともっと話をどきどきわくわくに仕立て上げるか、だったのだが、作者のラヴグローヴはその中間に落としてしまった。

    いやそれでも十分楽しめましたよ。

    この話はそもそもの設定が難しいのだから。そして、あとがきにまで仕掛けがあって、そこまでがストーリーなのだ。コズミックホラーの本領は発揮される。

  • シリーズ最後が出てから、この本の存在を知り、3冊まとめて購入、まとめて読みました。1冊目は、正直かなり突拍子もない!のと、シャーロックホームズの作品を全て読んでないので、わかりにくいところもありましたが、2作め、3作目と読み進めるのが楽しかったです。
    私的には、2作目が一番面白かった!3作目は、かなり期待して読んだからか、ストレートな流れで、これはこれでオッケーだけど、もう少し入れて欲しかったなーという気分でした。でも、3作飽きずに読めたのでよかったです。

  • 読みました。三部作で出会いから引退までの年月が経ているのでラストのホームズ見守るワトソンが尊いの一言でございました。
    三部作通してクトゥルフ物としては比較的グロ味が少ないので読みやすかった&所々でのホームズの達観した台詞が個人的にとても良くて、合理主義者のホームズが科学とはまるで正反対のところにある異形の者たちとの世界で孤独に戦い続けているその覚悟が美しい話でもありました。
    ラスト、ほんと尊かった…。

  • 三部作最終!引退したホームズとともに挑んだ最終決戦の地はまさかのあそこ。そこに行き着くまでの旅路も面白かった楽しかった。とくにシー・デヴィルに拐われた3人の女性の事件はこれぞまさにホームズといった感じだったし年をとっても熱血漢なワトスンがよかった。そしてこの3人の女性!事細かくは書かれてはいないけれど、それでも好きな3人。
    冒頭の事件や、ちょいちょい出てくるネタももちろん読んでいて楽しかったのはいうまでもなく、いやあでも、自我というものは厄介だなあとも思ったり。
    最後に相応しい神がでてきたりと大満足だった。

  • クトゥルー・ケースブック三部作の最終作であり、ホームズが宿敵ルルロイグと決着をつける三部作全体のクライマックスでもある
    探偵業を引退しイーストボーンで隠居生活をするホームズが、現役同様事件に向かっていくのが最高だった

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