悪夢のかたち (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (1973年12月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784150300210

感想・レビュー・書評

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  • 全編、これ、暴力。
    人間誰もが内に秘めているであろう根源的な暴力性を、これでもかと見せつける作品ばかりです。ただし、巷にあふれるいわゆる「エロ・グロ・バイオレンス」的な、ただその場を盛り上げるためだけの無意味で子供っぽい残虐味はありません。
    うまく表現できませんが、「意味のある暴力」。独特なスタイリッシュさがあります。

    暴力の背景に、人種差別や職業差別といった様々な差別意識が内在されているところが、平井和正の問題意識を感じさせます。といっても説教くささは微塵もなく、差別に対するネガティヴな主張を繰り広げるでもなく、登場人物たちが自らの持つ差別意識を極めて内省的に辿る様子が、直截的な暴力描写と同時並行で描かれる筆致が、本当に個性的です。血と衝撃と破壊に塗れながらも、クレバーな世界観です。

    これ、10代の男子が読んだら、超超カッコいい!と思うんだろうなー。熱狂的なファンが多かったのも肯けます。
    エロ要素は薄めなので、今の10代男子にもオススメ。

  • 「ウルフガイ」シリーズの人の短編集。

    「レオノーラ」が良かった。
    集団リンチに遭い、人間恐怖症になった男の元に、
    給仕アンドロイドのレオノーラがやってくる。
    彼女(?)の優しさに、徐々に心を開いていく男だが…。

    乾いた視線で人間を描く。

  • レオノーラ(平井和正)
    ロボットは泣かない(平井和正)

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著者プロフィール

 1938年5月13日、神奈川県横須賀市生まれ。
 1963年、漫画原作を担当した『8マン』(少年マガジン連載)は、その後自らがシナリオライターのチーフを務めてTBSでアニメ化され、大ヒットを記録する。
 1971年、『狼の紋章』が爆発的にヒットし、松田優作のデビュー作として映画化。『ウルフガイ・シリーズ』は若い世代の心を捕らえ、永遠のバイブルとなっている。
 1967年に刊行開始した『幻魔大戦シリーズ』は“ハルマゲドン”旋風を巻き起こし、総計2000万部を超える大ベストセラーを記録。1983年にアニメ映画化される。
 1994年、日本で初の本格的オンライン小説『ボヘミアンガラス・ストリート』をネット連載。『月光魔術團』『ABDUCTIONシリーズ』『幻魔大戦deep』など現在も精力的な執筆活動を続ける。

「2008年 『幻魔大戦deep トルテック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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