- 早川書房 (1973年12月12日発売)
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感想 : 3件
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784150300210
感想・レビュー・書評
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全編、これ、暴力。
人間誰もが内に秘めているであろう根源的な暴力性を、これでもかと見せつける作品ばかりです。ただし、巷にあふれるいわゆる「エロ・グロ・バイオレンス」的な、ただその場を盛り上げるためだけの無意味で子供っぽい残虐味はありません。
うまく表現できませんが、「意味のある暴力」。独特なスタイリッシュさがあります。
暴力の背景に、人種差別や職業差別といった様々な差別意識が内在されているところが、平井和正の問題意識を感じさせます。といっても説教くささは微塵もなく、差別に対するネガティヴな主張を繰り広げるでもなく、登場人物たちが自らの持つ差別意識を極めて内省的に辿る様子が、直截的な暴力描写と同時並行で描かれる筆致が、本当に個性的です。血と衝撃と破壊に塗れながらも、クレバーな世界観です。
これ、10代の男子が読んだら、超超カッコいい!と思うんだろうなー。熱狂的なファンが多かったのも肯けます。
エロ要素は薄めなので、今の10代男子にもオススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ウルフガイ」シリーズの人の短編集。
「レオノーラ」が良かった。
集団リンチに遭い、人間恐怖症になった男の元に、
給仕アンドロイドのレオノーラがやってくる。
彼女(?)の優しさに、徐々に心を開いていく男だが…。
乾いた視線で人間を描く。 -
レオノーラ(平井和正)
ロボットは泣かない(平井和正)
著者プロフィール
平井和正の作品
