神狩り (ハヤカワ文庫 JA (88))

著者 :
  • 早川書房
3.44
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本棚登録 : 260
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150300883

感想・レビュー・書評

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  • こういうスケールの大きなSFも日本にもあったのだな。

  • やっぱり少し古いね/ 古さなりの堅さがある/ 押井守が小説を諦めた一作だと、少し気負いすぎた/

  • 謎の古代文字の解明をめぐるあれやこれやまでは面白かった。緻密な論理建てによる言語学の知識も興味深かった。
    かなりエンタメに偏ってはいたけれど、「人間」対「神」の対立の構図はわくわくしたし、時間がたつのも忘れるほど夢中に読み進めることができた。途中までは。。。。


    なのに、あっさりと神と交信可能な霊能者が登場し、それまでの緊張感は一気に失われてしまった。え、だったら霊能者に聞けばいいじゃん!古代文字とかどうでもよくね?と思ってしまった。あと、ジャクスンっていったい何者だったの?なんで人間側を妨害してたの?火星に古代文字???何のために?????人間が火星に行くのを神が妨害してる?????何のために??????
    「神」のイメージ設定がぶれまくり。
    前半が面白かっただけにただただ残念な結末でした。

  • 古代文字をとっかかりとし、神を暴こうとする作品。古代文字の特徴から理論的に神が証明されていく展開は面白い。神という絶対的な存在と主人公たちを襲う事件は証明途中であるはずの神をより強く表しているよう。展開に単調さも感じてしまったが、高みに上がっているのか、落ちぶれているのかが分からない主人公の行く末はぜひ見てみたいと思いました。

  • ありえない言語構造から、人間の論理では理解できない存在……神……へと話が繋がり、神を追い詰めるために言語構造を解き明かそうとする。よれよれになり、くじけそうになりながらも諦めない主人公が格好いい。

  • 最近続編が出版されたようなので、読んでみようと考える。しかし、前作を読んだのは大昔のこと、内容は全く忘却の彼方、それなりに面白かったはずとのみ記憶する。ということで、再読。

    なんとまあ読みやすいことか。至極あっさりした内容に、読みやすい文章も、この適当なページ数もね、すべてそれなりに○。今の感覚なら、中編とするのが適当だろう。

    そういえば、「弥勒戦争」なんてのもあった。これも好感触をもったことのみ記憶する。ともかく、続編はどんなだろうか。

    因みに、私が今回読み直したのは早川JA文庫のやつ。
    (2005年記)

  •  名前だけは昔から知っていたが読む機会のなかった本。
    神の残した古代文字が見つかり、それを解読しようとする・・・その事は神との戦いにつながる・・・という壮大なテーマだがページ数は少なく、ストーリーはコンパクト。
     結局何が起こっているのかわからないまま登場人物は次々に神に殺されていく・・・で、戦いはこれからだ、という所で終わる。
     人間は五つの論理記号を持っているが神は二つしか持っていない とか
    関係代名詞が七重以上入り組んだ文を人間は理解できない
    ~人間の短時間記憶の容量を超えるため~が、神の言葉には十三重以上の関係代名詞が使われている(P128)・・・
     など言語構造に関する記述は面白かったが、ストーリーは本質的なものを書き得ず、表面をぐるぐる回って中に入っていけない、という感じ。
     でもこれ以上書けないよなあ・・・と思ったら 神狩り2が出てるみたい。
     ちょっと興味はあるが、結局 神 は描写できないんだろうなあ。
     

  • 山田正紀氏のデビュー作。古代文字を解明しようとした若い学者が勝ち目のない「神」との戦いに巻き込まれてゆく話。
    氏の作品は「オフィーリアの物語」と「イノセンス  After The Long Goodbye」の2作しか読んだことがないけれど、それらと比べると随分若書きだなあという印象がある。書き手と主人公に対して「一体なにをそんなに尖ってカッコつけているのか」と小一時間問い詰めたいレベル。
    キャラの心理的な流れも事件の流れもまだまだ生硬なところがあって、決して読みやすい文章ではないが、でもそれが十数年たつと、あの「オフィーリア」の流麗な文章に化けるのだから、それだけ資質が凄いのだろう。
    実際、「神は人間の敵であり、人間を使って残酷なゲームを楽しんでいる」という設定からして壮大過ぎるし、衝撃も大きくて、この設定は後々のSF作品に影響を与えているのではないか。
    例えばサイボーグ009の「天使編」や「神々との闘い」はまさに同じネタで、サイボーグたちは人間を超越し、なおかつ人間を弄んでいるらしい存在と戦う話になっているし、昨年公開された映画版も神の存在について問う話になっている。

  • 他人に向けて書いていないので、話が分裂的ですがオレは健康であります。

     まず、タイトルが面白い。神狩り。神を狩る?おいおい、ちょっと待てよ。そんなのありか?そもそも神とは何なのか?まあ、規定できてしまったら神ではなくなってしまうのだが。少なくとも、神は俺達よりも上位の存在であることは間違いないだろう。
     分かりやすく言えばこういうことだ。三次元の存在である人間が、自らが産み出した二次元の存在に殺される。普通は干渉不可能だろう。だが、主人公はそれをやろうとする。それも「狩る」という単語が示すように、神に対するあからさまな敵意を持って。
     この小説では、その不可能な行為を言語論理学で実現しようとする。キーワードとしてヴィトゲンシュタインの残した「語りえぬことについて「我々は沈黙を守らねばならない」と言う語が出てくる。このルールを破ろうとする主人公達は神からの干渉を受け、仲間が次々と殺される。
     この小説で描かれる神は悪の性質を持っている。神が人を殺すのは裁きなどではなく、一種の娯楽、ゲームとして捉えられる。更には、キリストは神に預言を託されたのではなく、神に弄ばれたのであり、だからこそ彼は死に際に「神よ私を見捨てるのですか?」と言ったのだと言う、面白い解釈をしている。
     最大の難問であった、どうやって神を狩るのか?と言うことだが、これには「言語」がポイントになっている。神が人間をゲームにおびき出すためにわざと人間に示す「神の言語」それを解明することにより、神と同次元の存在になろうとしたり、攻撃を加えようとするのだ。
     神の言語と言う発想には感心した。そもそも神は絶対者であるのだから、言語を持つ必要はないと思っていたが、人間が言語をもてるのに神がもてない訳はないし、もしかしたら、神は言語上に生きている存在?で、人の言語は物理的力を持たないが神の言語にはその力があるのでは?神の言語で神を殺せるのでは?などと妄想した。
     しかし、世界の限界は私の言語能力の限界であるのだとしたら、神の言語を解明したとき、私自身が神になるという皮肉な結果が待っているのではなかろうか?では一体どうやったら神に勝てるのか?少なくともその答えを神が教えてくれることはないだろう。

  • 花崗岩石室に刻まれていた謎の古代文字、そこには「13の関係代名詞が入り組んだ構造を持ち二つの論理構造からなる言語」が刻まれていた。
    それは明らかに人間が使いうる言語ではなかった、なぜなら人間が思考するには関係代名詞は一度の文で七つまでしか使えない。人間の短期記憶の仕組みが関係しているらしい。また、なぜなら人間は最低でも五つの論理記号(そして、ならば、あるいは、でない、必然である)のだ。
    つまり、この古代言語は人間の論理能力では扱えない代物だったのだ。では一体誰がこのような言語を使っていたのか―

    主人公である情報工学の学者である島津は、人間よりも一段階上の論理能力を持つ存在、つまり「神」でしかありえないと考えるようになる。
    この古代言語はいわば人間の思考について一段階上の段階から記述したメタ言語ではないのか、そしてこの言語によって世界のすべてが「神」によって記述されているのではないか―

    序盤は「古代文字」についてのハードSF的な考察が割と多い。しかし後半、島津が理亜達と行動を共にするようになる辺りからはミステリーの楽しさが勝るようになる。また思索的な部分も言語についてから神とは何か?というより壮大なテーマについて語られるようになる。
    ここで語られる「神」とは、私たちを支配しようとする管理者で、人間はそれにあらがい戦わなければならない。それでこの本のタイトルは『神狩り』であるというわけだ。

    思いのままに世界を操る「神」に島津は勝利することが出来るのか?戦いの果てに何が?

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著者プロフィール

山田正紀(やまだ・まさき)
1974年、『神狩り』(早川書房)でデビュー、同作は第6回星雲賞日本短編部門を受賞した。『最後の敵』(徳間書店)で第3回日本SF大賞を受賞、『ミステリ・オペラ』(早川書房)で第2回本格ミステリ大賞と第55回日本推理作家協会賞を受賞。「神獣聖戦シリーズ」「五感推理シリーズ」など、多数の著作がある。

「2019年 『大江戸ミッション・インポッシブル 幽霊船を奪え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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