梅田地下オデッセイ (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (1981年2月11日発売)
3.62
  • (4)
  • (2)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 76
感想 : 5
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784150301262

みんなの感想まとめ

未来のテクノロジーや人間社会の複雑さをテーマにした本作は、ハードSFの魅力を存分に味わえる短編集です。特に、著者の石原博士による60ページにも及ぶ熱い解説が、作品の深みを引き立てており、単なる解説を超...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 石原博士の60ページにわたる解説が熱い(解説のほうが面白いかもしれない)。著者は多忙なエンジニアで会社員生活の傍らの創作。名作とされる表題作も新婚旅行期間の執筆だそう。定年退職後の活動は期待できるだろうか╱現在理系で一番儲けている金融工学は「賢い者は大きな責任を任され大きな失敗をする」リスクがある。ゲーム産業とともにSFは未来をシミュレーションすると思う。/人体と社会という二つの超巨大複雑オブジェクト。宇宙、深海(深地下も)という二つのフロンティアを開拓する未来テクノロジーの果て。未来の変貌を垣間見る思いのする本作品群のようなハードSF(小説)の市場は(物理法則を無視した荒唐無稽な魔法世界、転生異世界)ファンタジーに比較して少ないのが残念/映画化されんと話題にならん╱ノンフィクションライターは文系が多い。立花隆程度で理系知識に詳しいと言ってもねえ?

  • 北野勇作の「ウニバーサルスタジオ」を読みかけてたら、「梅田地下オデッセイ」の名前が出てきて、そのとたん、何年も前にNHKのラジオドラマを聞いたことが、ぱっと記憶によみがえりました。不気味な嬰児を抱いて、封鎖された梅田の地下街を歩く男の話。あれ、最後は結局どうなったんだろう・・・
    気になり出して調べてみると、すでに絶版になっており、図書館で取り寄せてもらったんですが・・・こんな本格ハードSFの短編集とは知らんかった。いきなり解説に「ハードSFのわからんやつは読むな!」みたいなことが書かれててビビりましたが、むずかしい理論とかよくわかんなくても、けっこう面白く読めましたよ。とか言うとハードSFの人は怒るかもしれないけど。
    古典ホラー「猿の手」から題をとった「宇宙猿の手」は、宇宙に浮かぶ切り落とされた手のイメージも鮮烈だし、望む結果があたえられる世界を選ぶために、情報量の少ない世界に移行していく、という逆説が面白い。人類が未来世界へのワープをくりかえすことで、未来を貧しくしていってしまう、という「熱の檻」も、印象に残りました。
    そして、数十年ぶりに結末を知った「梅田地下オデッセイ」。そういう話だったのか・・・とても満足です。

  • 少し前に読んだ福田和代さんの「東京ダンジョン」の解説で紹介されていたので読んでみました。
    この本はもう絶版なので図書館で借りるか、オムニバスの「大阪ラビリンス」で読むかですかね。

    ハードSFとのことなので万人向けではないかも。
    石原藤夫さんの80ページにわたる図入りの解説?は一つの作品を成しています。
    タイトル作品以外は全て宇宙での話なので、地下街との接点は閉鎖空間ということなのかな。

    不気味さの観点では東京ダンジョンより怖かった。

  • あらゆるシャッター、スプリンクラー、照明などがコンピュータにより自動制御された梅田地下街。そこに、突如として異変が発生した。次々と降りるシャッターは複雑な迷路を形成し、外部への脱出は不可能となった。野獣と化した者たちの争い……限られた小世界での苛烈な生存競争、そして生まれた胎児の如き外見の奇怪な子供ーー近未来という設定でハードSFを書きあげるという、野心的な試みの表題作ほか、堀晃ならではのイマジネーション豊かなハードSF群を結集する意欲作品集! 巻末に石原藤夫氏による80枚にもおよぶ堀晃論収録。
    (1981年)
    — 目次 —
    アンドロメダ占星術
    塩の指
    無重力の環
    宇宙猿の手
    猫の空洞
    地球環
    熱の檻
    連立方程式
    梅田地下オデッセイ

全4件中 1 - 4件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1952年 山口県生まれ、画家
山口県下関と奄美大島とで絵画制作中

現代日本絵画展大賞 昭和会展優秀賞 モダンアート展協会賞 小林和作賞 山口県芸術文化振興奨励賞 損保ジャパン美術財団奨励賞受賞者展優秀賞 リキテックスビエンナーレ展受賞 安井賞展 明日への具象展 具象絵面ビエンナーレ 日本青年画家展 現代美術選抜展 両洋の眼・現代の絵画展 前田寛治大賞展 プサン青年ビエンナーレ テグアジア美術展 その他多数

個展:北九州市立美術館、下関市立美術館、日動画廊、日本橋三越本店、中宮画廊ほか多数
収蔵:下関市立美術館、大分市立美術館、東郷青児美術館ほか多数
出版:エッセイ集「波打ちぎわ」パステルスケッチ集「加計呂麻」

「2008年 『今夜も眠れないこの島で 奄美からの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堀晃の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×