言葉使い師 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川文庫 (1983年6月29日発売)
3.58
  • (26)
  • (33)
  • (70)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 475
感想 : 30
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784150301736

みんなの感想まとめ

多様なテーマを持つ短編集で、言葉や知性、記憶、そして甦りに関する深い探求が展開されます。荒涼とした火星での画家と無機的生命体の交流を描く「スフィンクス・マシン」、宇宙で新たな生理機能を持つ女性を中心に...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「きみの心とはなんだ?そんなものはどこにもない。脳を走るパルス群の事か?」

    心理療法医の勧めで荒涼たる火星を訪れた画家と、人間とコミュニケートできる岩に似た無機的生命体の接触を描く「スフィンクス・マシン」。
    女は、女と男そして愛娘を生むことが出来る――。宇宙空間で妊娠した女性に発現する新しい生理機能とは何か…「愛娘」。
    知性に支配された不死人都市で、「母親」に恋をしたために大人になれない自分を悔やむ少年が選んだ生き方とその結末…「甘やかな月の錆」。
    すべての言語活動が禁止されている無言世界で、言葉を操る言葉使い師と出会ったために、否応無く裁判にかけられることになってしまった「きみ」の物語…表題作「言葉使い師」他2編。

    言葉、知性、記憶、そして甦りの短編集。

  • 再読

    SF短編としての奇想・世界観は流石…なのだけど、自分の思考の変化もあり人物描写やストーリー展開等が合わなくなってきた。設定は面白いのだけど…。「女は強し(冷たし) 男は情けない生き物なり」観が苦手になってきた、というのもあるかも。男女の性愛が基本(夫婦が別れても新しいパートナーをすぐ得ている)とか、女性と母性がセット的な所とか。

    「スフィンクス・マシン」
    絵を描く事、文章を綴る事、自分の脳を表現するという事についてのスフィンクスとの問答。
    今作の設定が一番好き

    「愛娘」
    宇宙での生殖研究を行った研究者夫婦に起きた奇跡と奇妙な結末。妊娠から妊婦の細胞の変化により1+1ではなく1→1で老化→若返り→別個体へ変身、は中々ぶっ飛んだ設定だけれども、夫婦をサポートした医師のカンで「大丈夫だろう」となるのはちょっと丸投げ過ぎでは?と思う

    「美食」
    工場で生産される培養肉を食べるようになった未来。妊娠への拘りと、人工子宮による代理出産に疑問を抱いた妻が叫ぶ「私は女よ!」に少し違和感。人間ではなく女である事を求めるのか…とか。自分が気にしすぎ? 培養肉の正体については今や割とメジャーな気もするが、当時としては斬新だったのだろうか

    「イルカの森」
    時空間の乱れに巻き込まれ遥か未来へ飛ばされた男2人。イルカが人類を飼い慣らす世界。イルカのパロは可愛い、が結局あんなに拘っていた妻への愛を忘れて若い(そして初恋の面影を宿す)女に走るのかよ、と孤独ながら希望も少し見せるような終わり方をしてみせるラストを読んでも爽やかさを感じず。

    「言葉使い師」
    言葉を使う事を禁じられ、コミュニケーションはテレパシーで、娯楽はイメージを焼き付けた映画(今で言うVRに近い?)のような物を見る世界。
    言葉を使ってはいけない、と言いつつテレパシーで使っているそれは「言語」では…と基本的疑問が抜けず。最初のスフィンクスマシンの方が言葉使いっぽいなと思ってしまう

    「甘やかな月の錆」
    不死の人々が暮らすユートピア=ディストピアからの脱却を目指した男の夢。ループする世界からの脱出もの…と言った感じだが、その衝動の源となる母への恋慕への嫌悪感が…近親のアレがどうしても苦手で頭に入ってこない。

  • 短編集。全六作品。表題作は、話すことも書くことも禁止された社会。意思疎通はテレパシーのみ。そこに言葉を操る男が現れ……。改めて言葉に宿る力を感じる。「スフィンクス・マシン」火星の“岩”との対話。「愛娘」宇宙空間での実験出産。「美食」極める先に潜む倫理上の禁忌。妻でなく料理人を雇えと言いたい。「イルカの森」太古のような未来へのタイムスリップ。「甘やかな月の錆」幸せからは程遠い不老不死の世界。

  • 普通に楽しめる本
    ただ、私にはどのような状況なのか想像できなかったけど

  • イルカの森が爽やかな読了感で好き。

  • 蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか

  •  マリオネットたちに愛をこめて

     作者のテーマが最初に書いてあった!

  • 高校の頃、読んだはずだが、全然覚えてない。

    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 小説

  • SF。短編集。
    どの作品も独特の世界観と不思議な読後感。
    切れ味鋭いSFホラーの「愛娘」「美食」も好きだし、「イルカの森」の主人公が原始的なヒトへと退化していく様子も面白い。
    今まで読んだなかでは、この著者の短編作品にハズレなし。

  • 神林長平初期の傑作。SF的情景描写がどれも美しく、テーマもこの作者には珍しく直球でSFしている。

  • 表題作の、最後のひとことにどっきり。

  • 第2作目の短編集ということで、6作全て初出が私が生まれる直前(の3年間)。むはぁ…。 どれもそれぞれ好きだけど…漠然とした不安をフィクションの中に提示されたようで、全体的にぞっとしていた気がする。だからこそ読まなきゃいられないのだけど! 今回は、表題作<言葉使い師>が群を抜いて好きだけど、あと<愛娘>はSFベースの都市伝説っぽさが好み。 間を置いてまた再読したくなる本だ。

  • 夢幻のSFと、言葉で黄色いバラを一輪。

  • まだこの頃は若いということだろう。アイデアは豊富だが、何か少し物足りない。

  • 発想がおもしろい。ただちょっと気分が下降気味の時に読んじゃったので、もう少し明るい話が欲しかったデス。

  • スフィンクス・マシンが印象に残った。
    言葉使い師はもう少し読み込んでみたい。

    境界。
    どこからどこまでが意識なのか、言葉なのか、機会なのか、人なのか。

  • アシモフ/クラーク風の皮肉が利いたものから、ディック的な大仕掛け、そして真骨頂=言葉・自我をテーマにした作品まで、初期作品にしてその多彩さを十分アピールした一冊。特に表題作は30ページ弱にして、イメージと「言葉」が記憶に鮮やかに残る佳作。あと「イルカの森」や「甘やかな月の錆」のありそうな設定に見えてすこーしひねってるところに神林感(謎)を感じた(後者はタイトルも素晴らしい)。こういう作家の色みたいなものを知ってしまうと、その作家にだだハマりまではあと一歩である…。

  • スフィンクス・マシンが好きです。絵を描くことが好きなのでなお一層です。
    久しぶりに日本人作家のを読んで落ち着きました。
    短くて読みやすくて好きです。

  • 神林長平、第二短編集。「スフィンクス・マシン」「愛娘」「美食」と、前半三篇はどれもじわじわと怖い話で、後味が悪いというか、読後もかなりダメージが残る。後半三篇も怖いと言えば怖いのだが、神林作品らしい“夢”のような雰囲気を持ったSFで、個人的にはこちらのタイプの作品の方が好み。特に、表題作「言葉使い師」は、二人称小説というスタイルの珍しさがまず印象的で、かつその二人称スタイルが腑に落ちるラストがとてもいい。
    そして、どの作品でも非常に独特なSF的世界設定が敷かれているが、そのどれもが読んでいる内に違和感がなくなる自然な描かれ方で、いつものことながら凄いSF作家だなあと感じ入る。どの世界も、我々が生きる世界の未来の姿として十分にリアルで、実際にはこの世界はどの選択肢を選んで進んでいくのだろう?などと考えてしまったりも。

全26件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

神林長平の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×