パロのワルツ―グイン・サーガ(25) (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 263
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150302306

作品紹介・あらすじ

中原の華と謳われたパロと新興モンゴールの戦いの渦中に突如あらわれた豹頭人身の超戦士グイン。ひとたびはパロの遺児リンダとレムスを助けた彼は、いまは北の大国ケイロニアの千竜長として辺境の戦場に-。一方、ノスフェラスの秘密を解明せんとした草原の風雲児スカールは、病を得てパロに身を寄せるが…。数多の人々の運命を描く未曾有の大河ロマン第25巻!

感想・レビュー・書評

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  • スカール―ーーー。

  • スカールがパロに軟禁されるところから話は始まる。この巻はかなり読み応えがある。特に登場人物のそれぞれが良い塩梅に活かされていて、同じ出来事をとっても十人十色で受け止める内容が異なることを上手く表現しているように感じる。
    スカールの妻であるリーファをイシュトヴァーンが殺した訳だが、ベックは心から同情し、リギアはイシュトヴァーンに執心していたナリスの気持ちを心配し、リンダは久しぶりの消息に愛慕の念を強くする。リギアとリンダは似ていないように見えるが、一人の男のために起こる他人の不幸を気にも留めないその一途さは似ていると言える。アムネリスさんも同じかな。男に依存しやすい気質なのだろう。作者が描く女性像はそういうものなのかもしれない。しかし、このような部分が彼女たちの特色を強くしているといえるので、このシリーズの強みにもなっていると思う。
    それにしてもスカールは魅力的だ。まぁ、草原の掟は基本的にDQNルール全開なので、現実にいたら決してお近付きになりたいとは思わないが…。
    そして何よりこの巻が良かったのは、レムスはカル=モルに半ば乗っ取られていることがハッキリと分かった事だ。レムスに対して感じていた違和感と反感が一気に解けて、解決すべき問題が分かったような気持ち良さを感じた。
    そして意外や意外。スカールが最後にパロから無事出立できるとは!いや、まだ無事と決まっていないが…。続きが気になる!

  • あとこの本の凄い所は、巻によって視点が違うので、ケイロニアが武骨で野暮ったく見えたり、パロが陰険で閉塞的に見えたり、最初は嫌な感じだったモンゴールが素朴で暮らしやすそうに見えたりします。各国色々な特色があって、それぞれいい所悪い所が書かれているんです。だから頭の中に中原の地図が描かれるんであります。ちなみにこの巻は陰険パロ

  • パロ軍に救出されたスカールはクリスタル宮に招き入れられます。まあ体のいい幽閉ですね。このスカールの登場がパロの人びとに様々な波紋を投げかけていきます。死霊に取りつかれたレムス王、古代機械の謎を知りたいアルド・ナリス、イシュトヴァーンの消息を知ったリンダ姫、スカールに思いを寄せるリギア、謎めいた軍師ヴァレリウス…。すべての鍵はノスフェラスを指し示しています。
    そして、その時イシュトヴァーンは…。
    いよいよ話はモンゴール再興に向かって突き進んでいきます。

  •  1997年7月14日再読

     2007年3月13日再読

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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