白虹―グイン・サーガ(26) (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 264
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150302351

作品紹介・あらすじ

パロ‐モンゴールの戦いの渦中に突如現れた豹頭人身の超戦士グイン。彼の出現はパロ王の遺児リンダとレムスの、野望に燃えるイシュトヴァーンの、そればかりか全中原の運命すら大きく変えていくのだった。そしていま、彼は北の大国ケイロニアの千竜長としてユラニアとの国境紛争に赴くが…人々の運命を、国々の興亡を描く全100巻の未曽有の大河ロマン!

感想・レビュー・書評

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  • こ、これがリンダなのかっ。
    お、俺の中ではいつまでも小さな女の子なのに(笑)。

  • イシュトヴァーンも魅力も実力も並外れてあるのだろうが、スカールやグインと並べると一段下がって見えてしまう。そのようなところが、イシュトヴァーン自身には耐えられない屈辱であるのだ。イシュトヴァーンについてだけ考えてみれば、読者の人物に対する評価と物語での人物の自己評価が近似するという、とても素晴らしい出来である。このしっくりとくる立ち位置が物語にのめり込ませるための良い装置になっている。栗本薫先生はキャラクター作りがとても上手だと思う(他の作品を読んだ事がないので、いい加減な評価かもしれないが…)。
    リンダがナリスから距離を置かれて不安を抱くシーンがあるのだが、よくぞ書いたと言いたい。リンダは勿論イシュトヴァーンを愛しているのだが、許嫁同然だった社交界の至宝ナリスを心の底では手放したいとは思っていないのだろう。つまりキープしたいのだ。これは皆さんも良く分かる精神の働きだろう。自分の一番の恋人ではなくとも、周囲が羨むような相手と良い仲であれば、殊更にそれを手放したくはない。まして従兄という絆と自らの美貌から当然にナリスの寵はまず自分にこそ注がれるべきという、無意識の自信があったと思われる。それが肩透かしを受ける訳だ。これはリンダとしては、今後ナリスを意識してしまわざるを得ないのではないか。イシュトヴァーンへの恋にリンダはどこまで忠を尽くせるだろうか。ナリスにあたら花を手折られるのではないかと、興味が尽きませぬなぁ。
    他方、グインが所属を伏せたケイロニア軍を率い、ユラニア領を転戦する様は、戦国もの歴史小説を髣髴とさせる。戦いの書き振りも躍動感を持たせながら、良いテンポで進み北方謙三先生ふうの爽快感があった。
    さて、この巻とは全く関係ないが、こうなると栗本先生が亡くなられた後に有志が承継したグイン・サーガは果たしてこの質を保っているのか、まだまだ道は長いのだが気になってしまう…。
    とりあえずミーハーなことを言うようだが、スカールは本当に渋く、かっこいい。そして他の方も感想に書いているがグイン・サーガは表紙、挿絵ともにどのアーティストも素晴らしいため、電子書籍版よりも断然文庫版をお勧めする。しかし、悲しいかな次巻に関して本屋を探し回っても現物が見つからないの…。
    ハヤカワさん、文庫版もう一刷りして…。

  • グインと黒竜将軍ダルシウスの別れは個人的な名シーンです。まるで時代劇のようです。そしてついにイシュトが国取りい動きます。表紙がこれまた素晴らしい。

  • 表紙がとにかく美しく印象深い。

  •  1997年7月14日再読

     2007年3月16日再読

  • この表紙のリンダは天野さんの挿絵の中でもピカイチ。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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