- 早川書房 (1987年11月11日発売)
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感想 : 10件
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784150302528
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
テーマは、戦争の影響に取り憑かれた主人公の心の変遷と社会の崩壊です。物語は、テレビディレクターの安田修平が「戦争が始まっている」との考えに囚われ、徐々に精神的に破滅していく様子を描写しています。読者は...
感想・レビュー・書評
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かれこれ20年ぶりの再読。
このころの栗本薫はすごく好きで、かたっぱしから読んでた。この話は、なにかの拍子にふと思い出しては、なんだかすごく怖くなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1987(昭和62)年発行、早川書房の文庫本。SF的なフィクション世界や「やおい」的閉鎖世界での(個人のものを含む)滅びはかなり多く書いている作者。しかし、同時代の一般的な社会での滅びはこれ1作のみか。主題としてはファンタジー的な社会でのものと同じのようだが、現代に舞台を持ってくると「社会派」っぽくなるから不思議。で、この作者は「社会派」のものは書けないらしく、どうもギクシャクしているように感じる。
その他:「あとがき」(1987年10月15日) -
テレビディレクターの主人公安田修平は、ひょんなことから「戦争が始まっている」との考えに取り憑かれ、しだいに破滅していく物語です。だんだん壊れていく様子が描かれ、とてもオソロシイ。
タイトルに「1984年」とありますが、元々はその1984年に SF マガジンに連載されていたもの単行本化された本です。1984年というと、20世紀の終わりが見えてきて、終末論が幅を効かせていた時期です。この本は、すごくそういう時代に書かれたものだなぁという感じがしますね。 -
ヨーゼフ・ゲッベルスの思想的末裔たる
現代マスメディアに奉仕する主人公は
くだらないイメージの切り貼りに終始するTV屋の仕事に
内心疑問を抱き、誇りを失ってしまったのか
なんの脈絡も持たず最終戦争の開幕に怯えはじめ
恐怖を共有することでのみ人々の心はひとつになると信じる
寂しさ
それゆえにどこかで待ち望んでもいるわけだ
だからこそ、コスプレでそれを茶化すオタクが許せない
アトラクションの戦争でマジになるバカオタクはもっと許せん
おのれオタク死すべし、というわけで
自分がテロリストになってしまうんですね
クソバカやろうである
ソドムの町のロトにしたって、みずから人を裁いたわけじゃないのに
80年代のSF純文学路線において
作者の暗黒面が露骨に映し出された、裏の代表作と言ってよいだろう
後に来る、オウム真理教をはじめとした新宗教ブームはもちろん
見方を変えれば
2008年の秋葉原通り魔事件を予見したものと言うこともできる -
栗本薫の描く終末感は好き。クールな女キャラが実は頭おかしい設定が良い。
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1984年に書かれた本…だったはず。
多分、この本のハードカバーを1984年に見た覚えがあるような気がする。
今から、30年前ですよ。
でも、この小説のなかで語られるこの閉塞感は、今の方がリアルで近くにあると感じます。
30年たって、この小説は、いまなお「今」です。
未来視、栗本 薫。恐るべし。 -
オーウェルの1984を読み、これを読んだのが高校生の時。ピカソのゲルニカを見たくてスペインに留学し、改めていろいろ考えた本。何が狂気で何が正常なのか。ベクトルは違うが伊藤計劃の作品と通じる気もする。
結局自分は正常や普通という言葉に違和感を感じるんだろう、それを表現している本に会うのが好きなのだろうと、初めに考えた本。 -
うーん、あぶない。知的な主人公、けっきょくはあっちの世界の人になってしまうのね。でもやつらは実在する?戦争はひとときも終わったことはない。栗本さんはテーマをびしばし登場人物に言わせてもさほどうっとーしくないね。語らせる部分が多い。『1984年』を先に読んどいてよかった。'92
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