火星鉄道一九 (ハヤカワ文庫JA―航空宇宙軍史 272)

著者 :
  • 早川書房
3.93
  • (9)
  • (8)
  • (11)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 76
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150302726

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 古本を購入。初出一覧によれば、収録作品は、「SFマガジン」1986年12月号から1988年4月号までに掲載されたものばかりなので、全て雑誌掲載時に読んでいるはずだが、例のごとく内容は全然憶えていなかった。「火星鉄道一九」だけは、つまらない話という印象が記憶に残っていたが、読み直してみると思いの外おもしろかった。どうしてそんな印象を抱いたのか、今となっては分からない。架空の話とは思えない現実感が、「航空宇宙軍史」シリーズの魅力だと思うが、収録作品の中で一番現実感があったのは、「ドン亀野郎ども」だった。
    収録作品:「火星鉄道(マーシャン・レイルロード)一九」、「ドン亀野郎ども(タートル・ギャング)」、「水星遊撃隊(マーキュリー・スカウト)」、「小惑星急行(アステロイド・エクスプレス)」、「タイタン航空隊(フライング・タイタンズ)」、「土砂降り戦隊(cats'n dogs fighters)」、「ソクラテスの孤独(ロンリー・ソクラテス)」

  • この作品に出てくる人物は
    決してヒーロー級の人物ではないです。
    下っ端も下っ端のくたびれた機体だったり
    システムに関しても旧式だったりと
    まあ、やる気もなくすような状態ですよ。

    ですが、そんな人の中にも
    輝くものを持っている人はいるわけです。
    しかも時は航空宇宙軍と外惑星連合の
    戦争中ですので、攻撃に見舞われるのです。

    被害を抑えるために活躍するのが
    今回でてくる人間たちです。
    どこかそこにはトラウマだったり、
    人並みの状態にはいなかったり…

    それだからこそ、この作品は
    映えるのかもしれませんね。

  • 第2次外惑星動乱勃発記念 第3弾。

    第1次外惑星動乱での戦いを航空宇宙軍の視点でリアルに描く短編集。戦いといっても派手なドンパチはほとんど無い。
    なにせ敵は6,200万kmかなたで肉眼で確認しながらレーザーを撃ちまくるなんてできない。じっとストレスをためながら30時間待って次のアクションをとっていく。宇宙に憧れて航空宇宙軍に入隊したのに、航宙艦からは外見えない。まるで潜水艦のような閉鎖空間・・・

    じみで息苦しい困難な局面をくぐり抜けていく技術者や兵士の姿に静かに感動してしまいます。しぶいなぁ。

    こういうのに共感している自分の日常の息苦しさやストレスの元が気になるなぁ。じわじわ突破するしかないのだな。
    自分も航空宇宙軍の兵士と重ね合わせてしまいます。

    ディスプレイがCRTというのが唯一時代を感じさせます。CRTなくなっちゃいましたね(しんみり)

  • 2014年12月27日、白子BF

  •  筆者の長編をふたつ読んだ後で、短編集。短編集といっても舞台設定などは同じで、宇宙を舞台にした戦争を背景にしている。

     おもしろかった。長編よりも、状況と人間の関わりが鮮やかであり、ある状況をどのように打開するかというパズルストーリーになってたりして楽しい。もっとも、結末に対してこっちの知能がついていけず、なぜそれがハッピーエンドなのかわからなかったりもしたのだが。

     まだまだ読んでみたいシリーズである。
    2006/6/15

  • 「航空宇宙軍史」シリーズ第5段。
    火星のオリンポス山に設けられた軌道カタパルトを描く表題作を含めた7編の短編集。
    絶版の上、中古本も在庫僅少の為、AmazonのUsed価格が異常なまでに高騰している。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1951年兵庫県生まれ。青年海外協力隊などを経て作家デビュー。SF小説、冒険小説、山岳小説など広い分野で高い評価を得ている。96年「白き嶺の男」で第15回新田次郎文学賞を受賞。主な著作に「航空宇宙軍史」シリーズ、「覇者の戦塵」シリーズ、『白き嶺の男』などがある。

「2019年 『硫黄島航空戦線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷甲州の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×