スペース・オペラの書き方―宇宙SF冒険大活劇への試み (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.71
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本棚登録 : 148
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150304096

作品紹介・あらすじ

魅力的なキャラクターを創る方法とは、ストーリーの盛り上げかたは、作ったアイデア・カードの活用方法とは、といった創作の秘訣から、ホテルでのカンヅメの仕方、ライティング・デスクとチェアの選び方、さらにはSFプロ作家のワープロ・ソフト大公開まで、具体的な創作方法をわかりやすくおもしろく語り、星雲賞を受賞した文章読本を文庫化にあたりバージョンアップ。これを読めばあなたもプロ作家になれる。

感想・レビュー・書評

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  • いつぞや買ったSFハンドブックに、野田氏と高千穂氏の対談が載っていたなあと思い出して衝動的に買ってみた本。
    結局自分はSF(に限らず本というもの)を読み始めたのが遅すぎたので、どんな本を読んでも新しいわけです。
    で、これは小説の書き方ハウツー本なのかというと、そうであり、そうでない、みたいな感じです。とりあえず何でもやってみようよ、という野田氏の軽快な語り口調に惑わされそうですが、この「何でもやってみようよ」の「何でも」が、野田氏の経験をベースに具体的に挙げられているのが重要なのです。
    そんなの具体的に挙げられてる本はいくらでもあるでしょ、と言われそうですが、何かこの本に載っているやり方は、なんかこう、泥臭い(笑 んですね。効率重視の手法的なものと、根性重視の特訓的なもの、それぞれがバランスよくせめぎ合っている感じ。
    手法ばかりを示されて「こんなの考えたって無理なんだよ」と思ってしまうところを「考えるな、感じろよ」で通す。感じられないならば感じられるまで積み重ねる。ここら辺が本の中でもスッゲー好きになったエリアです。
    結局こういうことの創作過程って王道なしなんだから、どんなハウツー本でもそのやり方は自分なりにモディファイしないといけない。これは当たり前なんですが、そのモディファイという工夫に対してまで、思想信条的な面も物質的な面も、広くポインタを与えている本ってそう無いんじゃないかなとは思います。

  •  SFマニア&SF作家である著者の創作指南。
     具体的である。


    <フェーズ1>
     自分がどんなものを描こうとしているのかをはっきりさせ、先人の業績のインプット

    <フェーズ2>
     周辺作品から、ノウハウを盗む

    P121
     作者によって設定された舞台・ひとつの時代とその社会は、話が始まる前から登場するキャラクターの性格・人生をかなりの幅で決定している。

    <フェーズ3>
    その1 まずはカード作りだ
     役に立ちそうなものは断片としてとにかくカードの形で蓄積する
     作ったカードはランダムに箱に放り込んでおく
     ランダムに取り出して、模索

     徹底的な「解剖」
     小説でも、映画でも

    ”とにかくまじめにやりなさい、そうすれば必ず金は儲かる”

    <ベビーネンネ>
     キャラの実家 アンドロイド工場 死体置き場 侵入軍のアジト  異次元トンネル
     と分解して考える。

    P256
     つまり、ちゃんとした生身のキャラクターには、ストーリーそのものをきちんと統御しすすめていく力がある。
     そのキャラクターがきっちり”生きて”さえいれば、キャラクターは自分で動き出し、自分なりに直面する事態と対決し始め、ストーリーはある幅を持ってちゃんと動き出す。

    P257
     (設定や世界観)
     君の周囲というか、君が日常性として把握している世界で話を始める方が、リアリティからすれば暑くてしっかりしたものがより楽に賭けるという言い方もある。

    P272
     かきたい、なぜかかけそうな気がするその部分を書いてみるといい。

    P306
     起伏が多いストーリーの時、キャラが多いとき、山が多いとき、構成をあんまり入り組ませるな。
     逆は構成で工夫しろ。

    P318
     (設定をしっかりし、地図まで書く)
     キャラクター尾を行動させるにしても、その距離とか地形、方向、法学、経過時間などにちゃんとした根拠を与え、それがストーリーに確固としたリアリティを与えることになるし、その制約があるために新しいアイデアが浮かぶかもしれないのだ。

  • 野田元帥の本には子供の頃からお世話になってて。
    スペースオペラは大好きで。
    小説書くのも好きで。
    この本は、スペオペの書き方、確かに構想から何から非常に実践的に書いてあって、その部分もいいのだが、スペというものに、創作というものに野田さんがどう向き合って関わって来たかが、軽いタッチでしかも真剣に描かれていて良い。
    良著。

    ただ、文章の書き方は書いてないので注意。

  •  アイディアの発想法とかプロットの作り方とかは他のハウトゥ本にもあるだろうけど、「高級ホテルに篭もる時の心構え」とか「書斎の机はどのくらいのサイズが望ましいか」とかの、実践的を通り越して生々しい知識まで書いてくれているのが面白い。

     書かれたのが94年なので、「ワープロと手書き、どっちにすべきか?」という質問を色んなSF作家に訊いてたりする。キャノワードとかトスワードとか、そんな時代もあったんだなぁ。キューハチってのはたぶん、Windows98じゃなくてPC-9800のことなんだろうなぁ……。

     右往左往シートというのは、岡田斗司夫さんが以前紹介していたミニッツライナのことなんだろうな。小説なら10ページずつ、映画なら1分ずつ、何が起こってるかを文章に起こして、始めから終いまでを一望できるようにするプロット構築/解析法。今度やってみよう。

  • 実は心の師匠と仰いでいる野田先生の一冊
    「~の書き方」とありますが、それ以上に物書きの心構えを考えさせる一冊のように思います
    とはいえ、堅苦しい本ではなくて、とても読みやすい面白い本なのですが

  • 11月3日読了。スペース・オペラ小説を書くための心得を説く、この種のノウハウ本の古典だとか。SFの黎明期に苦労して米国の文献を収集しそれを体系化し、多数の訳書と自作スペース・オペラを著した著者の申吟と苦悩の日々、あとちょっとした自尊心などが文中に溢れており興味深い。小説を書くにあたり最重要なのはメンタルの強さと「とにかく書き出し、書き続けること」に如くものはないようだが、アイデアを書き付けるカードや「右往左往シート」などスペオペを書くための実践的ツールも紹介されており参考になる。宇宙船が飛び交い謎の未来技術が溢れるスペース・オペラだけあり、作者自らが体験した出来事・日常の中のおもしろきことを投影したものでなければ、読者をひきつける物語を書くことはできない、ということか。なおスペース・オペラを作る作法とは言え現代を舞台にした小説を書くにもこの本で説かれている手法はもちろん有効だし、逆もまたしかり。

  •  冗談めかしているようだけど、実に堂々たるマニュアル本である。スペース・オペラ(軽めの宇宙冒険小説)と題名をつけてあるけど、エンターテイメント一般にあてはまる話であろう。僕自身、見よう見まねで書いている自分のつたない台本の書き方を思い浮かべ、「なるほどこうであったのか」と膝を叩いた。この本の通りにできたなら、本当にすばらしい物語が書けそうな気がする。もっとも、楽に書けるというわけではなさそうだけど。

     冗談めかしているように読める部分、実はこの本そのものが堂々たるエンターテイメントである。作者自身の経験を語る部分は、一種の内幕ものとしても読めるし、一種の自伝でもある。そして、何よりその部分に込められた、SFへの愛情が美しく胸に迫ってくる。僕自身も古くはキャプテン・フューチャーやジェイムスン教授に夢中になった者であり、それらの作品の魅力を日本に伝え、あの名調子を翻訳したのがこの作者であることを考えると、美しく胸に迫ってくるのも当然かもしれない。

     SFのことをほとんど知らない人でも楽しく読めると思うし、もしかしたら読んでいる途中で本屋や図書館に走りたくなるかもしれない。知ってる人なら2倍も3倍も楽しめると思う。楽しかった。
    2009/3/21

  • 「スペース・オペラの書き方」を手に入れたので、読みました。
    こっちは、あくまで自分のスペース・オペラの「書き方」がメインなので、作品の紹介は少なめです。わたしは、別にスペース・オペラを書きたいわけではないので…書きたい気持ちがあっても、七転八倒はしたくないので…、どっちかというと、純粋に作品の紹介をしてくれる方が楽しいかも。

    まあ、小説を書くために生まれてきた人でなかったら、小説を書くというのは大変だということが良くわかりました。

  • スペース・オペラの書き方入門書となっていますが、どちらかといえば野田さんのスペース・オペラへの愛をびしばしと感じた一冊でした。
    わかりやすく創作について書いてあるので、読んでいるうちに、スペース・オペラがなんだか書けそうな気がしてきます。でも実際書くと書けないと思う(笑) 構想の段階で、ストーリーが破綻してきそうだし。

    参考に挙げられている作品(SF以外もあり)が面白そうに紹介してあるので、そっちを読みたくなりました。

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