そして夜は甦る (ハヤカワ文庫JA 探偵・沢崎シリーズ 1)
- 早川書房 (1995年4月11日発売)
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感想 : 165件
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150305017
作品紹介・あらすじ
西新宿の高層ビル街のはずれに事務所を構える私立探偵沢崎は、ひょんなことから、行方不明となったルポライターの調査に乗り出すことに――そして事件は過去の東京都知事狙撃事件の全貌へと繋がっていく……。いきのいい会話と緊密なプロット。レイモンド・チャンドラーに捧げられた記念すべき長篇デビュー作。
みんなの感想まとめ
ハードボイルド系の推理小説として、独特の魅力を放つ作品です。昭和末の雰囲気や、巧妙に描かれた登場人物たちが織りなす物語は、読者を引き込む要素に満ちています。主人公の探偵・沢崎は、冷静沈着に事件を解決へ...
感想・レビュー・書評
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何十年ぶりだろうか?急に再読したくなって、居ても立ってもいられなくなり購入しじっくり読んでみました。
昭和末の雰囲気、チャンドラーを彷彿とさせ、「渡辺探偵事務所」の「沢崎」などのこだわりが多彩、気取っているけど派手さが無いところ、全部が好きでした。
『遅筆』がキャッチフレーズのような原尞作品、全部読み直ししてみようと考えています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
さすがに原尞、処女作から読み応えあり。推敲を重ねただけあって文章は練れていて、いかにもハードボイルドという味わいが漂う。古い本なので、今となってはユーモアのセンスは古めかしいかなとは思う。でも、それでいい。主人公の探偵の沢崎、錦織警部、ヤクザの橋爪という常連になる登場人物の造形も実にいい。事件自体も二転三転として飽きさせない。うーん、佐伯名緒子の心理だけは、ちょっと分かりにくいかな。
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デビュー作にしてこのクオリティ。
この原尞氏はまさにチャンドラーの正統なる後継者だ。
物語の導入部にある大富豪更科の邸への訪問は正にチャンドラーのマーロウシリーズ第1長編の『大いなる眠り』へのオマージュそのものだ。そして冒頭と終盤に現れるあの男は『長いお別れ』のテリー・レノックスだろう。
こういう舞台設定からして、チャンドラーを愛する者としては(自分のことをチャンドラリアンとまで評するほど、私はまだ判っていない)胸がくすぐられる思いがする。
さらに加えてプロットにはロスマク的家庭の悲劇も加味されている。権力に溺れゆく人々の狂った歯車がぎしぎしと音を立てて、沢崎によって一つ一つ解体されていく。
そして登場人物たち。
悪友ともいうべき新宿署の錦織、「カイフ」とだけ名乗って去っていった男、渦中の更科一家はもとより、中盤以降事件の焦点となる都知事の向坂、その弟で俳優の向坂晃司。特に向坂知事はその描写からして現都知事の石原慎太郎をモデルにしているとしか思えない。この作品当時、まだ新宿都庁は出来ておらず、当然の如く都知事も違う。
まるで原氏はこうなる事を予見していたかのようだ。
しかし正直に云えば、双子の兄弟でありながらある事情で苗字が違う仰木弁護士、失踪した佐伯を密かに慕う辰巳玲子、失踪した男の世話をしていた海部雅美などの登場頻度の少ない脇役の方が妙に印象に残った。
とどめはかつての沢崎のパートナーだった渡辺。手紙のみの登場をしなかった彼が今後シリーズにどのように関わってくるか、興味深い。
しかし何と云っても圧倒的存在感を放つのが主人公である探偵沢崎だ。
その他者の侵入を容易に許さぬ姿勢、上下関係や権力者特有の主従関係など全く意に介さず、どんな相手にも自分の態度を崩さず対面する男。背伸びせず、粋がりもせず、かといって卑屈にもならない。読者の眼の前にいつの間にかあるイメージが上がっていく。
しかし、気付いたであろうか?
文中、沢崎の人と成りを表した描写など一切ないことを。原は沢崎の台詞と仕草、動きだけで読者にそれぞれの沢崎像を作らせているのだ。この筆致の凄さは並々ならぬものがある。
さらに文章。チャンドラーの正統なる後継者と先に述べたが、その文章はチャンドラーの諸作に見られるような大仰な比喩が頻出するわけでもなく、きざったらしい台詞が出てくるわけでもなく、派手派手しいわけではない。
しかし、この本にはノートに書き写しておきたい美文に溢れている。
真似したい減らず口がある。
かつてチャンドラーを読んでいた時に駆られた、「私もこんな文章で物語が書きたい」と思わせる雰囲気がある。
日常特に感慨もなく見ている風景が語る人によってこれほど印象深く描写されるのか、そう気づかされる事しばしばだった。
そしてやはり古典は読むべきである。
名作ならば尚更だ。
この沢崎シリーズを十二分に楽しむためにもやはりチャンドラーの諸作、少なくとも全ての長編には当たるべきだろう。そしてそうした私は正解だったと今更ながらに気付かされた。
今夜の酒はきっと美味いに違いない。 -
ハードボイルド系推理小説というジャンルの面白さに気付かせてくれた作品。事件の展開が二転三転する中で、あくまでクールに事件を解決に導く主人公・沢崎の推理に引き込まれてしまった。
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正統派ハードボイルド作品。都内で探偵業を営む「私」こと沢崎が資産家の娘の夫を探す事件から大きな陰謀に巻き込まれていく。プロットとしてはこの手の作品にありがちな展開。しかしながら沢崎の減らず口と数多な登場人物たちを使い切る手立てが上手い。なおかつ緩和した部分というか作品に遊びが無いため緊張した場面がずっと続く。普通なら読んでいるうちに疲れてくるが、沢崎が軽妙に語るためにしんどさが現れてこない。終盤が駆け足すぎるのがもったいないのと風呂敷を広げすぎているように思える点が気になるが、完成度はピカ一の傑作。もうめちゃくちゃ面白い。
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あまりに、チャンドラーのエピゴーネンで、その潔さが却って清々しい位。
一人称の視点・短い文章・気の利いた(風に見える)科白回し等々。
「私が殺した少女」をかなり前に読んだから詳細を忘れていたが、ああそうなんだったなと思い出した。 -
初・原作品。
面白いとは聞いていたけど、それ以上に遅筆で有名な作家なので、読み出したら、すぐに全作品読み終わってしまいそうなので、今までなかなか手を出しにくかった。
しかし、読んでみると、本格的なハードボイルドで、時代背景に古さを感じるものの、十分楽しめる。
沢崎の人間味を感じさせないキャラクターが、さらに今後を期待させる。
あ〜、やっぱり一気に読んでしまいそう・・・ -
ハードボイルドだ。レイモンド・チャンドラーの描く主人公フィリップ・マーロウのような探偵 沢崎が主人公。緻密な描写と粋なセリフで物語をぐんぐん引っ張っていく。文体に慣れるまでは読みづらいけれど慣れると快感に変わる。面白かった。
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「沢崎シリーズ」第一作。まだ肩に力が入った感じだけどシリーズが進むにつれてこなれてくる
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行方不明になったルポライターの調査に乗り出した私立探偵沢崎。事件はかつての都知事狙撃事件へと繋がっていく。歯切れのいい文章、洒落た会話、手に汗握るプロット。アメリカの本格ハードボイルドの翻訳を読むような、日本のハードボイルドではかなり質が高い正統派のデビュー作だ。これで十分なのだが、今後本家を超える作家の登場を期待させる記念碑的名作。
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久しぶりのハードボイルド一気読み!
1988年刊行らしいので、ポケベルも携帯もない時代だから、電話応答サービスが登場した。
最新作がでてるみたいで、どんな時代設定か気になります。
この本は、北海道のいわた書店で新しく始まった、いわたま選書で選書してもらった9冊のうちの2冊目読了。 -
久しぶりに読む手が止まらない小説に出会った。主人公の探偵沢崎は誉田哲也の小説の東刑事に似てるなと思っていた。正義のアウトローというようなイメージだがフィリップ・マーロウというモデルがいたんだと納得した。レイモンド・チャンドラーも今後読みたい
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面白かった。
日本のものはあまり読まないので、このミスで初めてこの作者を知る。続けてこのシリーズ読みたい。
車や煙草、音楽と時代を感じる。所長の使い方が上手い。依頼者の行動・感情が不可解だが‥
後書きが示唆に富む。すぐ「私が殺した少女」買おう。 -
沢崎探偵シリーズ1作目。序盤から中盤まではグイグイきたが、少しずつ明らかになるにつれ違和感が出て、全体的にはまあ普通。個々のキャラクタのイメージがなあ。佐伯夫妻が何故結婚したのかピンとこないし、辰巳玲子を活かしきれてない感じがするし、海部雅美の描写が中途半端な気がするし。当時の世相はいいのだが、実際の事件等を想起させるようなストーリはあまり向いてないと思った。勿論文章は素晴らしいので楽しめますが、自分の著者へのハードル設定が高いので、この作品は並の評価で。
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探偵・沢崎シリーズ1作目。
面白かった。これぞ正統派の探偵ハードボイルド。沢崎が渋くて、格好イイ。時代背景が一昔以上前であるせいか、最初、少し古臭い感じがしたけど、だんだん気にならなくなり、途中からはのめり込むように読んだ。シリーズを読むのが楽しみ。
ただ、都知事とその弟が、某現知事とその弟と何やら被ってるように見えるのはお遊びだろうか。出版当時にはまだなっていなかったはずで、ビックリ。 -
和製マーロウの口コミで手をつけたが、その評価に偽りはなかった。オリジナルを超えたのではなく、二人によって生み出された作品と言いたい。ラストシーンがしびれた。
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まわりくどすぎるセリフと淡々とした文体が好きすぎる。自分はハードボイルドが好きなんだなって実感できた作品。
何重にもわたる謎の究明シーン、からの終章のなんともいえない虚無感と後味の悪さがたまらない。もっと読みたい気分にさせてくれる。 -
やっと巡り会えた
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