探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.13
  • (78)
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  • (230)
  • (56)
本棚登録 : 3432
レビュー : 455
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150305215

作品紹介・あらすじ

札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわいにする「俺」は、いつものようにバーの扉をあけたが…今夜待っていたのは大学の後輩。同棲している彼女が戻ってこないという。どうせ大したことあるまいと思いながら引き受けた相談事は、いつのまにか怪しげな殺人事件に発展して…ヤクザに脅されても見栄をはり、女に騙されても愛想は忘れない。真相を求め「俺」は街を走り回る。面白さがクセになる新感覚ハードボイルド登場。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。やはり初期は伏線の回収も鮮やかだし文章も密度が高くていいなー。
    後期のようなススキノを揺るがす大事件でもなく、行政の腐敗にメスを入れる批評的な視点が強いわけでもなく、言ってしまえば、地味な事件だけど。
    1番のどんでん返しは、読者を驚かせる仕掛けではなくて、人間の多面性だろう。
    「俺」が馬鹿にしていた人間が実は全てを動かしていて、安易に他者を馬鹿にする「俺」を逆に軽蔑する。実は友情に厚い人間で、人情の機微を見抜いている。
    沈黙する「俺」が、非常に苦く、切ない。
    ふやけたところがなく、どこを読んでも軽妙でいかしている。モンローとの別れのシーンは愁眉。
    映画化により、映画から入った、ハードボイルド・ミステリを読み慣れていない素人さんが低い評価をつけ始めた、という印象。
    文章を読み慣れているか人か否か、書かれた文章を見ると割合に予想できる。
    評価は人それぞれで構わないと思うが。未知のものに遭遇したときにとりあえず拒絶から入る、という精神のあり方は、豊かなものだと自分には思えないね。

    また再読。どんだけ東先生好きなんだろう俺は。。。
    愚かな人間に対する著者の眼差しは、冷徹だけれど、真摯で丁寧である。後年の作品では愚かな人間をストレートにバカにしてしまうようなところに違和感を感じていたので、愚かと思っていた奴が実は。。。というどんでん返しも含め、著者の眼差しが嬉しいね。

  • 「ススキノ探偵」シリーズの記念すべき第1弾。
    探偵というと颯爽とした活躍をする場合と、どこを切り取ってもカッコイイとは形容できないような風貌でありながらキメるところはキメる場合がある。
    「ススキノ探偵」シリーズの<俺>は、どうみても後者だろう。
    携帯電話が嫌い。面倒くさいことが嫌い。なのに面倒くさいことに巻き込まれてしまう。
    許せることと許せないことが曖昧なようで、実はしっかりとハードルの高さは決まっている。
    アルコールが主食のような生活を送り、昼と夜が逆転した時間を生きている。
    他人とは絶妙に距離をとり、土足で踏み込むようなこともない。
    もっとも、自分自身にも踏み込ませはしないのだが…。
    突然現れた後輩からの依頼にも、当初は冷たい態度で接する<俺>。
    なのに読み終わって感じるのは<俺>の人の良さだったり、人からはわかりにくいだろう屈折した優しさだったりする。
    <俺>のキャラクターがすこぶるいい!
    けっして説明口調ではないのに、それぞれの登場人物たちのキャラクターがはっきりと伝わってくる。
    もしかしたら、札幌という街を…ススキノという場所を…もっと知っていたなら何倍も楽しめたのでは?と思い悔しい気持ちにもなった。
    <俺>はとても魅力的なキャラクターだ。
    どこかしら壊れてしまっているような、突き抜けているのか投げやりなのかわからないような人生観もいい。
    ゆるいようで鋭く、暴力的な描写のあとにほろりとさせられる。
    安っぽいくせにやけに純粋で、大馬鹿者のようで妙に人情家だったりもする。
    ハードボイルドなのだけれどあたたかい。
    ふと、「ケラー」に行ってみたくなる。まだ見ぬその店は、きっと極上に居心地のいい空間に違いない。
    これからも読み続けたい!と思える「ススキノ探偵」シリーズだった。

  • 読了。
    映画で最高だと思ったこの空気。小説でもやっぱり最高だった。人生が何階かあるのなら一度くらいはこういう人生を送ってみたい。

  • 映画化されたことと、
    舞台が北海道なので読んでみたが、
    うん。まぁ、探偵物の話って感想しか出てこない。
    もともと推理小説の類をあまり読まないので、
    特に引き込まれることなく終了。

  • 映画の印象が強く(と言っても見たわけではないのですが...)、読み始めて、こんな展開なんだ...と。ススキノを知る人には嬉しい作品なんでしょうね。私にとっては、夜の風景、ちょっとバイオレンスシーンなど、もう少し慣れが必要なのかもしれません。

  • 東直己さんススキノ探偵シリーズ第1弾「探偵はバーにいる」読了。ススキノで便利屋をなりわいにしている「俺」が繰り広げる、新感覚ハードボイルド小説。バーで待っていたのは大学の後輩。同棲中の彼女が帰って来ないという。ちょっとした小遣い稼ぎで調査を開始した俺だったが、いつのまにか怪しげな殺人事件に発展し。。大泉洋さんで映画化された本作。面白かったー。北海道の方言でのやりとりも新鮮で「俺」の返す言葉の巧みさに面白可笑しく読みました。ススキノの裏世界が垣間見えたような内容で時折読ませる戦闘シーンもなかなかです。シリーズも12作目になったということで非常に楽しみなシリーズとなりました。オススメします♪

  • なんだか読み難かった。会話も誰が喋ってんのかわかんなくなったりするとこもあってテンポよく読めなかった。 kobo

  • 東直己さん。初読み。
    映画化されて初めて知って手に。

    北海道ススキノを舞台にした探偵ハードボイルド。
    軽妙洒脱で分かりやすくて純粋に楽しめた。

    それにしてもこのシリーズ、現在12作も続いてるのか…。しかも最新作では主人公の「俺」が52歳!!(1作目の今作で28歳)凄い!
    全部読めるかな…。でも52歳の「俺」もみたい。

    ちなみに、大泉洋さんで映画かされたとのこと。イメージとしてはもうちょっと小太りな人の方がしっくりくるかな。と思っていたら、見返しの著者写真を見てびっくり!
    もう私の頭の中では「俺」が完全に東さんになってしまいました(笑)

    最後に本書から
    「何かと制約の多い人生だ。呑む相手と寝る相手ぐらいは自分で選びたいと思っている」
    最高。
    自分はそれすらままならないけどさ。まったくさ~。あ~あ(笑)

  • 映画はなんなんだ、だったが小説の方は結構面白い。文体が変わってる、ってか個性的?リズムがある。その変わりっちゃなんだが、筋立てそのものはわりと平凡、かな。

  • 普通に面白かった。内容の割に登場人物がムダに多くて疲れるのと、必要以上にハードボイルドな言い回しと、28歳の自分を「ぢぢぃ」と呼んで年下を「子供」と呼ぶのが何とも言えない感じ。
    著者の写真を先に見てから、主人公でありハードボイルドな「俺」の話に入ると、どうも著者の顔がチラつくので、完璧な装丁ミス!もしくは、私の短絡なシナプスが悪いのか…
    ぼちぼちオモロい本でした。

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著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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