たまご猫 (ハヤカワ文庫JA)

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  • 早川書房 (1998年1月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (100ページ) / ISBN・EAN: 9784150305949

みんなの感想まとめ

現実と幻想が交錯する美しい短編集で、各作品が独自の魅力を放っています。特に「おもいで・ララバイ」や「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」、そして表題作の「たまご猫」は、恐怖感と美しさが共存した印象的なラストを...

感想・レビュー・書評

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  • 怖い、妖しい、美しい短編集。
    どの話も本当たまらなく良かった。
    「おもいで・ララバイ」
    「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」
    「骨董屋」が特に気に入りました。

  • 一言で表すと、美しくて怖い物語でしょうか(ベタですいません)。

    表題作の「たまご猫」が気に入りましたが、どの話も面白かったです。
    「をぐり」や「厨子王」などは実在の古典がベースになっているのでしょうか。
    この「厨子王」ですが、以前山椒太夫を読んだ時のことを思い返して、こんな描写あったかな?と感じたのですが、皆川さんがお考えになったのでしょうか。
    それか、私が読んだものが読みやすいように(あるいは子ども向けに)変えられていたものかもしれませんが。

    怖いと言っても、どのお話も震えあがるほどではないのですが、「骨董屋」はゾッとしました。
    エツ子とリュウも怖いけど、麻子はてっきり小島との結婚を断ると思っていたのに、それをしないで(?)『変えてあげるわ』などと言うので、一体何をするんだ?!とそちらの方が怖かったかも。

    あと、いくつかの話が繋がっているのでは?という感じを受けました。
    微妙ですが、もしかしたらこの人とさっきの話のあの人は親戚なのかな、というような。

    ところで黒澤明監督作品に夢というオムニバス形式の映画があります。
    最初から最後まで観たわけではなく、たまたまやっていたのを観ただけですが、
    その中の一つにお雛様が出てくる話がありました。
    詳しくは覚えていないのですが、雛人形が人の大きさになって(人間がお雛様に扮装している)、
    梅?が咲く中、お雛様よろしく段になって並んでいる場面があります。
    そのシーンが強烈に印象に残っているのですが、「春の滅び」というお話を読んでそれを思い出しました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「をぐり」や「厨子王」などは実在の古典がベース」
      「をぐり」は不思議な(ってどれもですが)話で結構好きです(小栗判官)。
      「「をぐり」や「厨子王」などは実在の古典がベース」
      「をぐり」は不思議な(ってどれもですが)話で結構好きです(小栗判官)。
      2012/05/02
  • 現実と幻が入り混じるような雰囲気の短編集。ちょっと背筋が寒くなったりならなかったり。
    「雪物語」が怖くなくて好きだ。

  • 表題作が凄い! ラストのイメージがとても鮮烈で、恐ろしいのだけれどそれ以上に美しい。「たまご猫」という、一見わけ分からないタイトルも惹きつけられるし、これは名作。「クライン・キャット」欲しいなあ。こんな結末になってしまうのは嫌だけれど。
    「骨董屋」は他の短編集でも読んだ覚えがあるけれど、やはり傑作。幻想的な美しさもさながら、はっきりとしたオチもあるので、「皆川作品はどうも分かりにくい」という人(かくいう私もけっこうそう思っています。好きなんだけどね)にもお薦め。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「雰囲気に呑まれてしまう部分」
      確かに、、、
      初期の作品「ペガサスの挽歌」が、そろそろ書店に並ぶ頃らしいです。
      「雰囲気に呑まれてしまう部分」
      確かに、、、
      初期の作品「ペガサスの挽歌」が、そろそろ書店に並ぶ頃らしいです。
      2012/10/05
    • ao-nekoさん
      「ペガサスの挽歌」買いました!
      読むのが楽しみです。
      「ペガサスの挽歌」買いました!
      読むのが楽しみです。
      2012/10/06
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「ペガサスの挽歌」買いました!」
      おっと、早いですねぇ~私は図書館に予約予定です。。。
      「「ペガサスの挽歌」買いました!」
      おっと、早いですねぇ~私は図書館に予約予定です。。。
      2012/10/09
  • 友人におすすめ頂いた作品。
    一番の感想は「この著者さん[結婚]に何か恨みでもあるんかな?」という事。

    短編集で読みやすい。作品の全貌がわかった時のゾワゾワ感が良かった。

  • 現実との境界が曖昧で、気がつけば幻にとらわれている。もしかしたら、現実などないのではとも思えてくる。甘美な悪夢を見ているようで、頭が蕩けた。「春の滅び」と「水の館」が好み。

  • 初めて読む皆川作品集。
    『たまご猫』『をぐり』『厨子王』『春の滅び』『朱の檻』『おもいで・ララバイ』『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』『雪物語』『水の館』『骨董屋』の10篇。

    どの短編も、短編の鏡というべき、構成のひねり、あっといわせる結末、虚実の反転、が描かれる。
    そして一文の無駄もない文章。
    茫洋と闇の中にゆっくりと沈み込んでいくような、えもいわれぬ恐さや不気味さを感じる。

    たまご猫、春の滅び(雛人形のライトモチーフ)、朱の檻(座敷牢への取材)、骨董屋(骨の笛)、が気に入った。

    解説の東雅夫も書いている通り、幽霊小説。
    幽霊、異世界、幻想によって現実の世界が一変する、小さいが大きい力を持った短編群。

  • 帯の「怖い、妖しい、美しい」まさにこれ。

  • 可愛らしいタイトルだけど、意外と怖めのお話ばかり。表題作は自殺した姉の遺品を整理する妹が出くわす怪異。「をぐり」「厨子王」はタイトル通り説経浄瑠璃の「小栗判官」と「山椒大夫」をモチーフにした歪んだ姉弟もの。古い雛人形に魅入られた女性の「春の滅び」はアンソロジーで読んだことがあったけどこれも不気味で淫靡。新婚旅行で訪れたペンションが実は過去のトラウマに関係していた「おもいで・ララバイ」も最後のオチがとても怖い。

    座敷牢のある旅館「朱の檻」、ジャズバンドのメンバーの夜ごとの同窓会「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」、バーのマスターと常連客の「雪物語」、アイドルグループの少年と男性マネージャーの「水の館」、奇妙な姉弟が妊婦を脅かす「骨董屋」は、いずれも死んだ人がしれっと現れたり時間が歪んで過去と未来がごっちゃになったり、全体的に類似のテーマだった気がする。「雪物語」はこの中ではハッピーエンドなほうかな。「骨董屋」が個人的には一番ゾッとした。

    ※収録作品
    「たまご猫」「をぐり」「厨子王」「春の滅び」「朱の檻」「おもいで・ララバイ」「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」「雪物語」「水の館」「骨董屋」

  • かわいらしい書名とは裏腹に、おどろおどろしいお話ばかり。
    骨董屋の狂い具合が素敵。
    文庫のカバー絵は北見隆氏。赤川次郎の三毛猫シリーズの表紙なんかもこの方なので、子供の頃からなじみ深い感じです。

  • 収録作が現代物でありながらバリエーションに富んでいて、皆川さんファンなら楽しめる構成になっている。お気に入りは古典に題材を採った『をぐり』『厨子王』、主人公が田之助の長編執筆を考え中、というエピソードにクスリとしてしまった『朱の檻』、既読だけど官能的ではあ〜となってしまった『春の滅び』、幻想と、こちらとあちらの世界の交わり具合が絶妙だった『水の館』。

  • ホラーが苦手なのに、艶めいた妖しさに彩られた世界に気付いたら抜け出せなくなっていた。きっと死が私には想像の及ばないもので、忌避するものという意識が強かったから、これまで拒絶していたのだろう。
    怖々とだけど、生のむこうにたゆとう妖しい魅力を垣間見た気がする。

  • 短編集。

  • 9/24 読了。

  • 私の周りでは高評価の作家さんですが、やはり私には合わないと思いました。『倒立する…』の雰囲気に馴染めず挫折、この作品は短篇集だったのである程度読めましたが、流麗な文章に誤魔化されている気がして。内容的には「ナルホド!」と言うより「だからなに?」な作品が多かったです。起承転結の、起承が巧いだけに余計失望感が増すのかな。あと、女性作家特有の厭な雰囲気があって、好きな人はそこがいいのでしょうが、私はちょっと無理でした。

  • 図書館で。なんとなくタイトルに惹かれて借りてみました。
    読んだ時はそれほどでもないけれども後から天井の木目が人の顔に見えてしまうような怖さがあります。怖い話はあまり得意では無いですが心の暗い部分や闇の部分に見えないから目が行ってしまう感じはわかるかなあと思いました。

  • いつの間にか狂気に足を踏み入れてしまっている。
    そんなストーリー展開がとても良かった。

    暴力的な表現やグロテスクな表現が無く、純粋な恐怖を感じられる物語としてとても良い作品だった。

  • たまご猫
    をぐり / 初出 オール讀物 1989年1月号
    厨子王
    春の滅び
    朱の檻
    おもいで・ララバイ / 初出 小説新潮 1986年
    アズ・タイム・ゴーズ・バイ
    雪物語
    水の館 / 初出 1990年12月号
    骨董屋
    解説 (東雅夫)
    皆川博子著作リスト

    『たまご猫』 1991.5 中央公論社刊 文庫化

    カバー 北見隆
    印刷 星野精版印刷
    製本 川島製本所

  • ぞっとするうつくしさ。

  • 初めて手に入れた皆川本です。

    他の短編集に比べると取っつきやすい気がする。初心者向け。それでも『をぐり』『朱の檻』『春の滅び』あたりは確実に、いつもの皆川さんだよなあ。
    どんな短編であれこの人の作品は大好きだ。



    ちなみに『水の館』はジャニーズ小説である。

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著者プロフィール

皆川 博子(みながわ・ひろこ):1930年旧朝鮮京城生まれ。72年『海と十字架』でデビュー。73年「アルカディアの夏」で小説現代新人賞受賞。86年『恋紅』で直木賞、90年『薔薇忌』で柴田錬三郎賞、98年『死の泉』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。著書に『聖餐城』『海賊女王』『風配図 WIND ROSE』『天涯図書館』など。

「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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