清水義範の作文教室 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (1999年6月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784150306182

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

子供の作文指導における重要なテーマが描かれており、特に子供たちが自由に表現できる環境を整えることの大切さが強調されています。著者は、作文が国語能力を育む最良の手段であるとし、入試のテクニックに偏りがち...

感想・レビュー・書評

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  •  至極まっとうな教育論だった。
     パスティーシュな作風とは似ても似つかぬ — というか、これまで著者のその一面しか知らなかった — 真摯に日本語に、文章に、児童に、そして日本の教育に物申している。

     文章のコツ的な話を書いているのかと思ったが、もちろん書いているのだが、なにしろ相手は小学生だ(義弟の塾の生徒向けの作文教室の一年間を綴った記録)、指摘事項、アドバイスは、極めて初歩の、初級日本語の域ではある。
     ただ、その児童への指導を通じて、日本の国語教育の欠点の指摘が正鵠を射ている。

    「作文の指導は、作文力とでもいうものを高めるためにするもので、道徳教育をするためのものではないのだ。」

    「小学生に読書感想文を書かせるな。そんな宿題を出すな。そう、声を大にして言いたいのである。」

    「せめて、読書感想文を評価する学校の先生にお願いしたことがある。せめて、その子の感想を採点しないでほしい。感想というものは、どう持とうと個人の自由だからである。」

     最後の引用など、「せめて」「せめて」と畳みかけるような哀願になっていて著者の切なる思いが溢れ出ている。
     どうりで、小学生の頃、読書感想文が嫌いだったわけだと、半世紀近くを経て溜飲を下げている。
     通りすがりの天才@J-WAVEにいい本を紹介してもらった(笑)

     大人としては、書くこと、要はアウトプットには、動機が必要ということ。作文がうまくなる、それはテクニックの話ではなく、頭がよくなること。
     この二点は老いを迎える前の励みになると思えた。読み手に伝わる文章、深い感想の籠った文章(アウトプット)を、心がけよう。

  • 子供の国語の能力を知るには作文が最良の手段だと作者はいう。中学入試などの択一式問題などでは入試を突破するためのテクニックを競うだけになる。子供には本当の意味で何を書いても良いのだと教えて、彼らが作文を好きになる指導をするべきであるとも。
    ところがこれがとても難しい。入試が択一問題形式になりがちなのは本来の作文を判断している時間がないこと、作文の評価が一律に出来ない事などがあってしかたがない。
    そんな作者が入試にも目立って役に立たない、学校の成績もすぐに良くなるなんて影響が出にくい、授業料も取らないから懐具合が良くなる訳でもない作文教室を作者の弟が経営する学習塾でFAXを武器にして長年続けている。
    彼は何人もの子供たちを作文の指導を通じて教育し、その子供たちはひと味違った作文指導を受け成長する。
    だが、作者自身が語るように最良と思って行って来た自分の作文指導方法がすべての子供に最良ではない事を知った。
    作家であるがために文章に本人の思いを入れる事、心や思いを伝える事が重要な事であると指導して来た。
    子供の中には心がない子供もいるという発見をした。
    心がないとは心や思いを伝える事が不得手な子供という事で、しかしその子供たちも事実を細かく観察して表現する事に長けているという面があったりする。
    今更ながらという感があるが作文に限らず教育には子供それぞれの指導方法があるという事だ。
    長年を通じて作者が子供を指導して来て自分が教えられたのはそれだったようだ。

  • はじめて読んだのは小学生の頃。
    その頃は、自分と同じぐらいの年齢の子供が書いた作文を見ることができ、面白かったと感じた記憶があります。
    友達の作文を覗き見る感覚に近いかもしれません。
    また、こんなにユーモア溢れる先生に作文を添削してもらえて羨ましいと思った記憶も…。
    本書を読んだ後、作文を書くのが少しだけ好きになりました。

    今、改めて読み返していて
    もし身近に作文が嫌いな子供がいたら
    薦めたい一冊だなぁ、と思いました。
    時代は違えど同年代の子供が書いた作文や清水義範さんの作文に対する考えを読むことによって
    作文って、こんなことを書いてもいいんだ!という発見に繋がるのではないか、と思うのです。

  • 子どもの作文にどのようにアドバイスや指導をすれば良いか参考になる。


    子どもの作文がよくなるためには、他の人の作文を読んで良い影響を受けることが大切なんだなぁと改めて感じた。学校の先生に読んでもらいたい。

  • 作文、もっと自由に書きたかったなあ。

  • 『我が子に教える作文教室』と重複する内容が多いけど、子供一人一人を温かく見守り、成長の兆しを見逃すまいとする筆者の教育方針が好き。

  • 子どもに戻って、こういう先生に作文の書き方を習いたい――
    作文を苦痛だと思った覚えはあまりない。ただ行儀のいいつまらない文を書いていたはずだ。破調は高校の頃にやらかした。やらかしていいのだ、ともっと早くに知って、もっと自由になりたかった。
    実にうらやましい。

  • のっけから「そもそも小学生の書く作文なんて、まあその大部分がつまらない」と言い切る。「だって書く動機がないのだから」と。そのとーり。読書感想文書かせる学校教育にも不平タラタラ。その彼が実際に赤ペン先生した実際の生徒さんの作文、すごく面白い。

  • この本は、作文をどう書くと良いのかを教えてくれます。でも、本当はどう指導すれば良いのかということが、清水さんの伝えたいことなのです。だから、たくさんの学校の先生が読んでくれるとすごくいいなと思いました。

  • まさに文字通り小学生の作文教室。
    実際の作文を挙げて、良いところを褒めて伸ばす。
    子どもって、読まれることを意識してお利口な作文をかこうとするけど、自由になんでも書いていいってこと。
    それって子育ても一緒だなって思ったり。
    いい子にならなきゃって意識するより、やりたいことを自由にやって、試行錯誤することによって、厚みを出してねって所だなとしみじみ。
    親としては、ちょっと子どもに読ませて、作文のコツをわかってほしいなーと思うけど、目に付くところに置くだけで、そこまではできないかな~。

  • 清水先生の作文教室。
    実弟の学習塾で作文を書かせ、添削とアドバイスを返す。
    子どもの作文は読んでてとてもおもしろい。
    図に乗って暴走したり、工夫しようとがんばっていたり。
    清水先生の方針は「いい子になりすぎないこと」「よいところがひとつでもあればほめる」
    でも、悪ノリしたら釘をさすことも忘れない。
    そうすることで生徒たちは自分が大作家になったつもりで楽しく書いているのである。
    先生は小説家だから心の動き、人間の情緒的な部分を引き出そうとする。
    だけど全然出てこなくて心がないと思われていた生徒がいた。
    その生徒は科学的観察者のような個性をもっていたのだ。
    その生徒に対し、先生は「私は間違っていた」「不明を恥じなければならない」と言っている。
    その姿勢こそが作文教室に通う生徒たちの心を掴んだのだと思う。
    それはきっと子育ても同様で、ほめてやる気にさせたり、悪かった時は素直にあやまったりすることで子どもの信頼を得ることができるのではないかと思う。

  • 面白いかといえば、作文を教えている人間、先生以外は面白くないかもしれない。でもかなり役に立つ本。ちょっと反省させられる本でもある。

  • 一見褒めどころが無い様な作文でも、褒める、兎に角褒める・・。それが難しい(笑)

  • 作文指導の極意は、生徒をほめることにある。文章にはうるさいパスティーシュの名手が、「東京先生」と名乗り、ファクシミリを使って、名古屋にある学習塾に通う小学生の作文添削に乗りだした。「何を書いてもいい。ただし、読み手に伝わるように書く」という清水流指導法は、小学生の作文をどのように上達させていくのか。子供たちが書いた作文と、それに付されたユニークなアドバイスを満載!子供のための作文入門書。

  • 作文指導の極意は、生徒をほめることにある。文章にはうるさいパスティーシュの名手が、
    「東京先生」と名乗り、ファクシミリを使って、名古屋にある学習塾に通う小学生の作文添削
    に乗りだした。「何を書いてもいい。ただし、読み手に伝わるように書く」という清水流指導法
    は、小学生の作文をどのように上達させていくのか。子供たちが書いた作文と、それに付さ
    れたユニークなアドバイスを満載!子供のための作文入門書

  • 子供の作文ってなんていうか、妙にあけすけで読んでいて面白いのですが、この本はそんな小学生達が書いた作文を集めて、清水義範がそれにコメントをつけると言う形式で進んでいく本です。小学生の作文はそれぞれ個性があって面白いし、清水義範のコメントもふるっていて、楽しい本です。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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