神々の座を越えて (上) (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (1999年10月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150306267

みんなの感想まとめ

冒険と人間ドラマが交錯する物語が展開される本書は、前作からの続編として滝沢育夫の新たな旅路を描いています。物語はアルプスのアイガー北壁登攀から始まり、滝沢がチベットへ向かう様子が詳細に描かれていますが...

感想・レビュー・書評

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  • 『遥かなり神々の座』から6年。再び滝沢育夫が還ってきた。
    しかし、前作の滝沢の人物像と今回のそれとはなんだか異なる印象を受けた。

    まず、とにかく冗長というのが上巻を読んだ時の印象だった。前作『遥かなり神々の座』では一流の登山家からチベット・ゲリラの参謀ニマと共に死線を潜り抜けた事で一人の戦士となった滝沢。しかし、本書では人生の敗北者となってうじうじした男の独り言が繰り返されるようなストーリー展開。
    特に導入部となっているアイガー北壁登攀の一部始終が意外に長く、また川原摩耶との再会もかなりの筆を費やしてそこに至るまでの経緯が語られている。

    小説というのは足し算と引き算のバランスが肝心である。
    作者が語りたい事を緻密に語り、それがまた読者を未知なる世界へと導き、興趣をそそる訳だが、一方で物語としてのバランス、小説世界内の時間経過に対する匙加減も大事である。熱く語るべきところは厚く叙述し、かつ物語の進行を円滑にするために読者の想像で補えるところは削ぎ落とす、これが私の云う足し算と引き算なのだが、本書においては、導入部のアイガー北壁登攀はもとより、スイスからネパールへ至るまでの道中、そしてネパールからチベットまで至る道中、これら全てが詳細・緻密に語られているがために、非常に冗長な印象を受けた。

    これらは恐らく全て作者の実地体験に基づいているのだろうが、とにかく知っている事全てを語りたいという思いが強すぎて、非常に物語のバランスが悪い。
    各新人賞に規定枚数があるのも、こういった取捨選択の技術が作家には必要だという事を示しているのだろうから、そういった意味ではこの作品をもし各新人賞へ応募しても規定枚数超過で落とされるだろう。
    つまり、私にはそれほど無駄が多いなと感じたのだ。
    (下巻の感想に続く)

  • 山があまり出てこないのが寂しい。

  • 説明が少なく登山について一定レベルの知識が無いと理解しにくいところもあるが、その分密度濃い。

  • 谷甲州の『遥かなり神々の座』の続編とも言える書籍。

    あの冒険山行から5年後。
    物語はアルプスのアイガー北壁登攀から始まる。
    アルプスを終われるように抜け出した滝沢は、チベットに向かうことになる。

    中国兵との戦闘に追われ逃げた先はサガルマータ。
    果たして無事に逃げとおすことができるのか。

    アルプス、ヒマラヤを舞台にした冒険小説で読み応えがあります。
    本書を読む前に、『遥かなり神々の座』を読んでおくともっと面白いと思います。

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著者プロフィール

1951年兵庫県生まれ。青年海外協力隊などを経て作家デビュー。SF小説、冒険小説、山岳小説など広い分野で高い評価を得ている。96年「白き嶺の男」で第15回新田次郎文学賞を受賞。主な著作に「航空宇宙軍史」シリーズ、「覇者の戦塵」シリーズ、『白き嶺の男』などがある。

「2019年 『硫黄島航空戦線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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