神々の座を越えて (下) (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (1999年10月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150306274

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

冒険と緊迫感に満ちた物語が展開される本作は、前作から5年後の続編として、アルプスのアイガー北壁から始まります。主人公の滝沢は、アルプスを後にし、チベットへと向かう途中で中国兵との戦闘に巻き込まれ、サガ...

感想・レビュー・書評

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  • (上巻の感想からの続き)
    そして今回煮え切らないのが滝沢が頻繁に見せる優柔不断さ。
    冒頭から導入部にかけての自分のこれからの人生の身の置き所を探すような彷徨、そして摩耶の再会を渇望するが故の焦りからその都度、思いくれ惑う様は納得できるが、しかし滝沢は終始迷うのだ。
    ようやく迷いが抜けるのはクライマックスのチョモランマ登攀において戻るかそのまま進むかを選択するところ。しかもそれにはリンポチェの助言無くては出来なかった。

    終始、迷う滝沢に関して、私はかなり違和感を覚えた。というのも前作では一流のクライマーとして描かれていた彼なのに、今回ではことごとく方針を変え、そのために仲間を死に至らしめ、そしてまた迷う。この繰り返しだからだ。前作とは別人のような気がした。

    しかし、次第に、山を登る事はこういう迷いの連続なのだなという思いが私の中に芽生え出した。
    一流のクライマーといえども、相手は自然。これが正しいといった方程式はないのだ。しかも判断を誤ると、自分だけでなく他人の命をも亡くしてしまうのだから、その選択はかなりの重責だろう。
    そういった意味では前作がニマという教師を得て兵士として覚醒する滝沢を描き、純粋に冒険小説を描いたのに対し、今回は登山家滝沢としてのその心中にまで深く踏み込んで描いたともいえる。

    しかし、個人的にはリンポチェのキャラクターに惹かれるものがあった。三人称描写とはいえ、滝沢の行動を通して語られる本書において、彼と別行動をするリンポチェのシーンが少ないのは仕方ないのだろうが、私としては逆に滝沢がこの出逢いを通しての変化を期待したのだが、それが最後の決断だけに留まったのが残念だった。

    山岳小説、冒険小説、その両方を兼ね備えた本書。
    しかし滝沢のスイスからカトマンドゥ、ネパール国内の摩耶探索行、そこから国境近くでのリンポチェの探索行、中国軍からの逃亡行、テムジン隊との合流行から再度リンポチェたちの救出行、そして再度リンポチェたちとの合流行からチョモランマを越えての越境行と、今回は滝沢の旅程小説といった方がしっくり来るようだ。しかもそのほとんどが自らの足で歩いたものである。
    だから小説全体を漂うのは滝沢と摩耶の苦行僧のような道行きの描写の連続。つまり何度も同じ話を読まされたような気がしてならない。
    前にも述べたが、この辺の足し算・引き算を上手くすれば、これほどの枚数も必要なく、くどく感じなかったのではないか。
    しかし、その苦痛こそが作者の語りたかった事の1つであるのなら、致し方ないのだが。

  • 終盤の展開が良かった。「遥かなり」より良かったと感じた。

  • 谷甲州の『遥かなり神々の座』の続編とも言える書籍。

    あの冒険山行から5年後。
    物語はアルプスのアイガー北壁登攀から始まる。
    アルプスを終われるように抜け出した滝沢は、チベットに向かうことになる。

    中国兵との戦闘に追われ逃げた先はサガルマータ。
    果たして無事に逃げとおすことができるのか。

    アルプス、ヒマラヤを舞台にした冒険小説で読み応えがあります。
    本書を読む前に、『遥かなり神々の座』を読んでおくともっと面白いと思います。

  • 5年前の話が良く出るなあと思ったら、続編でした。前の話も図書館にあるか?また読み直すかもしれないので☆4とも思ったが、コロコロ人が死ぬことと、そのことに感情移入出来ないので☆3。

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著者プロフィール

1951年兵庫県生まれ。青年海外協力隊などを経て作家デビュー。SF小説、冒険小説、山岳小説など広い分野で高い評価を得ている。96年「白き嶺の男」で第15回新田次郎文学賞を受賞。主な著作に「航空宇宙軍史」シリーズ、「覇者の戦塵」シリーズ、『白き嶺の男』などがある。

「2019年 『硫黄島航空戦線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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