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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784150306922
作品紹介・あらすじ
地球への侵攻を開始した未知の異星体〈ジャム〉に反撃すべく、人類は惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける深井零の任務は、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情なものだった――。日本SFの新時代を画したシリーズ第一作、改訂新版
みんなの感想まとめ
戦争における人間の存在意義を問いかける深いテーマが展開される作品で、異星体“ジャム”との戦闘を通じて、哲学的な問答が繰り広げられます。主人公・零が高性能偵察機・雪風に乗り、戦闘情報を持ち帰るために奮闘...
感想・レビュー・書評
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味方を見殺しにしてでも戦闘情報を持ち帰れ。
突如南極に出現した“通路”から侵攻を開始した異星体“ジャム”。
前線で戦う高性能偵察機・雪風に乗る零の任務は戦闘情報を必ず持ち帰る事だった…
高機能化した人工知能、戦闘機と異星体の戦いに果たして人間は存在する必要があるのか?
機械とは人間とは、哲学的な問題を内包した30年以上前から続くSF大作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙やタイトルから、ミリタリー色強めのSF作品を想像していたのですが、読んでみてビックリ。それらの要素はあくまでおまけで、作品の主体は、異星体ジャムとの戦闘を通して展開される、「戦争に人間は必要なのか」という哲学的な問答。高度に発達したAIが全ての決定を下すようになった際、人間が介在する意味とはなんなのかを問う展開があまりに面白く、一気に読了しました。また、自分たちが敵だと思っていたものが、実は人間を敵として認識しておらず、人間が使役する機械を敵として認識しているのでは、と思い至るまでの展開とその恐怖も凄まじかったです。名作と聞いてはいましたがこれほどとは。最高に面白かったです。
主人公のその後やジャムの正体、雪風の真意など、本作だけでは謎の部分が多いので、近いうちに続編にも手を出そうと思います。
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面白かったです
最後に一個とんでもない展開があり、私の好きなシチュエーションでもあったので興奮しました。
少し専門用語が多く読みにくい部分がありました。 -
ある日突然南極大陸に出現した超空間ゲートから、謎の異星体〈ジャム〉が地球への攻撃を開始した。その由来も目的も、姿すらも判明していない〈ジャム〉の攻撃に対抗するため、人類は超空間ゲートの向こう側へと突き進み、ゲートの出入り口に存在する謎の惑星〈フェアリィ〉に前線基地を建設し、フェアリィ空軍FAFが最前線の防衛の要となっている。
FAFが誇る最強の戦闘機〈スーパーシルフ〉を擁する特殊戦第五飛行戦隊、通称「ブーメラン戦隊」。彼らの任務は、一切が謎に包まれた〈ジャム〉との戦闘を有利に導くために実戦に関するあらゆる情報を収集し、基地に持ち帰ること。そのため、たとえ目の前で友軍機が〈ジャム〉に撃墜されようとも、援護も救助もせず見殺しにして基地へと帰還する非情さが要求される。そんなブーメラン戦隊の三番機、パーソナルネーム「雪風」に搭乗する深井零少尉は、親友のブッカー少佐以外には誰にも心を開かず、ただ愛機・雪風にのみ心を寄せる機械のような心の持ち主だったが、雪風とともにフェアリィの空を舞い続けるうちに、様々な人々と出会い、少しずつ変貌していくことになる。そして、〈ジャム〉と人間との闘いもまた、思いがけない変貌を見せていくことに・・・。
この厨二病全開なタイトルにドン引きしてこれまで手を出さずにいましたが、評価の高い作品なので思い切って読んでみたらあらびっくり。タイトルからは想像もつかない、実にハードでワン・アンド・オンリーな認識論SFの傑作です。
この作品最大の特徴は、主な舞台となる惑星フェアリィの設定。〈ジャム〉が侵攻してきた超空間ゲートの先に地続きで存在する惑星で、地球との距離や位置関係等、基本的な情報は何一つ判明していない一方で、地球人類が生存するに何ら問題ない大気組成、地球によく似た植生とランドスケープを有しており、それを前提にFAFの大規模な前線基地が建設・維持管理されています。これ、実はある程度SFを読み慣れている人ならたぶん誰もが違和感を覚えてしまいそうな設定で、「超空間ゲートの先が宇宙空間じゃなくて惑星の地表に当たる確率って、すごく低いんじゃないの?」とか「いくら地球人類の生存に問題ない環境だからといって、いきなり基地を建設したりする?」とか、突っ込みどころ満載なわけです。
しかし、この突っ込みどころ満載な舞台設定が、この作品を純度の高いSFたらしめています。軍を維持管理するために必要最小限の人数が適材適所で配置され、自己完結した小さな社会の中で日々同じような任務を繰り返し続ける、言い換えれば、もっと生々しくて変化に満ちたごく普通の人間の世界から「社会的に隔離」されたフェアリィという舞台において、この作品のテーマである「人間とは何か?/人間であらざるものとは何か?」という根源的な命題が一切の社会的ノイズを排してくっきりと輪郭を現してくるからです。
そもそも生物であるかすらも判っていない異星体〈ジャム〉。何のために地球侵攻を狙うのかわからないまま、人類は〈ジャム〉を敵と見なして戦い続けています。しかし、〈ジャム〉は人類に対して戦いを挑んでいる、と言えるのか?〈ジャム〉は人類など認識していないのではないか?なぜならば、〈ジャム〉が戦う相手は常に戦闘機であり、機械であって、そこに人間の息づかいは存在していないから。
その戦いの最前線に立つのは、自律戦闘が可能なスーパー戦闘機と、同じ仲間であるはずの人間よりも機械を偏愛し、同僚の死にも「俺には関係ない」と言い放つ非人間的なブーメラン戦士達。他の人間達からは「機械のようだ」と忌み嫌われる彼らも、〈ジャム〉との戦いの中で「この戦いに人間は必要なのか?」と思い悩み始めます。そんな中、〈ジャム〉が取り始めた新たな戦略に、戦いは新たな局面を迎えます。そして、深井少尉と雪風の関係性も。
機械のような人間とは?人間のような機械とは?そもそも人間とは?何のために人間は存在するのか?
この”新たな局面”を示唆して、「戦闘妖精・雪風〈改〉」は幕を閉じます。この終わり方の、背筋がぞっとする怖さ!ここでこの物語が終わっていたら、歴史に残るホラーSFになっていたかもしれませんヽ( ´ー`)ノが、現時点であと2巻、続編が出ています。壮絶な思考実験とも言えるこの作品、先が気になって仕方ないので、あと2巻ももちろん読みます!どんどん難しくなるらしいけど!(汗) -
一言で言うと「これは面白いわ」である。
心理学の講義を受講している学生が,「今,戦闘妖精雪風という本を読んでいるのですが,人間と機械の違いとはどのようなものでしょうか」というコメントを書いてきて,なんだそれはと調べて行き着いたモノ。
書評を見ると,日本オリジナルのSFである,とか書いてあるので,SF好きの私としては手に取らなければならない気にさせられる。
しかし,同時に,検索結果で出てきたアニメ動画を見て,なぁんだマニアックなモノなのか,という気もする。しかも戦闘機がメインに描かれているから,ミリタリー・マニアの好むような話なのかも知れぬ。
という葛藤はあったものの,SFであるというポイントを信じて読んでみた。
読むと,これは確かにSFであり,心理学である。
非人間的・機械的と言われる主人公の,なんと泥臭くて人間的であることか!機械とは何か,生きているとは何かということを,深く考えさせられる内容である。
確かに軍隊モノのマニアックな文章表現なども含まれるが,それを越えて伝わってくるものが間違いなく存在する。
森博嗣の書く理系小説にでてくるのとは,またちょっと違った意味で非人間的,非文系的な主人公の考え方を通して,人間とは何かを考えさせられる良書だと思う。 -
★零、あなたはいつまでもブーメラン戦士ではいられないだろう。(p.192)
これは、おもろいです。気になりつつこれまで読んでこなかったのは食わず嫌いでした。ついいろいろ考えることになるでしょう。
あえて類似品を探したら昔の特撮ドラマ「UFO」とか森博嗣さんの「スカイ・クロラ」シリーズとか。でもいずれも人間と同種の存在(ないしは人間)との戦いなので味はだいぶ異なります。
個人的にSFやファンタジーには、まず魅力的な設定、それを表現するための魅力的なキャラクタと、魅力的な謎、そして多少テンプレでもいいのでそれらを動かすためのシンプルかつ豊かな物語性が必要と思ってます。
この話では情報収集のため味方機を見殺しにしても必ず帰投するという過酷な任務に対応できる「なにかの手違いで人間になってしまった機械」ようなパイロットたちというのが設定で、その中でも戦いの意味や人間の存在について思考を続ける深井零という主人公やブッカー少佐、使命に特化された人工知能と性能を持った機体「雪風」がキャラクタで、そして敵であるジャムが謎にあたるでしょう。ストーリーはゲストキャラたちによってという感じで。
【妖精の舞う空】帰投中シルフィードに似た機体と交戦し撃墜した零は軍法会議にかけられその間ブッカーの仕事を手伝うがあれこれ考えてしまう。
【騎士の価値を問うな】シルフと格闘戦闘機ナイトの実戦訓練が企画されるが短距離走者と長距離走者が「あんパン食い競争」をするようなイベントに乗り気になれない零。戦争にはなぜ人間が必要か。ジャムがもし機械なのだとしたら人間などお呼びでないのかもしれないと零は思う。
【不可知戦域】偏向的な記事を書くジャーナリストを後部座席に載せ雪風はフェアリイではない未知の場所に飛ばされたが、どうやらそこで雪風は単独でジャムと戦っていたらしい。《ジャムはまだ地球を直接侵略していない気がする》p.159
【インディアン・サマー】空中飛行基地バンシーが味方機を襲い全滅させた。なぜか零が航空電子工学の天才、トマホーク・ジョンとともにその調査を行うことになった。
【フェアリイ・冬】除雪隊の一介の隊員が最高位のマース勲章を叙勲したがその理由を誰も知らない。
【全系統異常なし】ジャムの新型ミサイルは有人機では対応できない。軍は新型無人格闘戦闘機の開発とブーメラン戦隊でも最も過酷な戦闘を生き抜いてきた雪風の無人化を試みる。
【戦闘妖精】雪風は地球を飛ぶ。ブッカーはリン・ジャクスンと出会う。
【スーパーフェニックス】雪風は搭乗者を考慮しない戦闘を行い零たちは大きなダメージを受け、壊滅したはずの基地に救われるがどうもおかしい。ジャムは初めて人間を認知したかもしれない。そして雪風は人間と古い身体を捨てる。
■簡単なメモ(★は重要語)
【一行目】いつの時代のものでもよい、世界地図を広げたとき、そのどこにも戦争、紛争、対立の示されていない地図など例外中の例外である。
【アドミラル56】日本の航空母艦。
【天田守少尉】FAFの除雪隊員。マース勲章を叙勲し困惑する。
【アレヴィ博士】空軍戦闘心理研究所。
【SAF】→ブーメラン戦隊
【FRX】スーパーシルフを元にした小型軽量機だがコンピュータの容量はスーパーシルフに匹敵する。最終的には無人化を予定しているが当面はブーメラン戦隊のパイロットが教育役として搭乗する。
【FAF】フェアリイ空軍。地球防衛機構の主戦力。フェアリイ側「通路」を中心にほぼ同円周上に基地を配置している。
【エメリー中尉】エイヴァ・エメリー。オドンネル大尉の実質的な個人秘書で恋人でもあるようだ。
【オドンネル大尉】ヒュー・オドンネル。ファーンⅡのテストパイロット。陽気で気さくなタイプ。個人秘書のエイヴァ・エメリーは恋人でフライト前の会話で死亡フラグを立ててしまう。
【カール・グノー大佐】システム軍団・技術開発センター所属。遠隔操縦機を開発した。《ジャムとの戦いに人間など必要ない。機械のほうが優秀だ》p.76。
【機械】結局のところ人間もどんな生物もメカではあるわけで、その境界は判別しにくいしできないのかもしれません。
【基地】六つある。シルヴァン。ブラウニイ。トロル。サイレーン。ヴァルキア。フェアリイ。全軍の総合参謀本部はフェアリイ基地にあり規模も最も大きい。
【儀礼兵】戦死者の顔をしたアンドロイドで編成された儀式用の人形たち。
【凍った眼】空間受動レーダー。ジャムの戦闘機がさまざまな手段で透明化するのに対応した。
【権藤大尉】天田守少尉の上官。
【クーリィ准将】特殊戦の副司令。鬼のような婆さんだとか。
【ジェイムズ・ブッカー少佐】→ブッカー少佐
【シェーナー大将】戦術空軍のトップで総司令官。
【ジャム★】異星体。三十年前「通路」を通り先制攻撃を仕掛けてきた。どういう存在なのかとか侵攻の目的とか何もわかっていない。本気を出してはいないようにも思われる。なんとなく、地球側をフェアリイに誘い込み地球の兵器=戦闘用コンピュータを進化させようとしているようにも見える。あるいは人類の非人間化が目的のようにも見える。あるいは人間など見ていないように見える。《ジャムは人間の本質を消し飛ばしてしまうと。》p.303
【シルフィード】FAFの戦闘機。双発。高価で数が少ないが現在量産型を開発中。イメージ的には実在の戦闘機F-15 イーグルに近いのかと。エンジンはフェニックス。
【スーパーシルフ★】シルフィードのうち十三機は戦術偵察用に改造・運用されており「スーパーシルフ」と呼ばれることもある。電子頭脳を強化された空飛ぶコンピュータというべきものであってフェアリイ基地地下深くに設置されている戦略コンピュータや戦術コンピュータとダイレクトに繋がっておりスーパーコンピュータの端末とも言えそうだ。すべて特殊戦第五飛行戦隊に配属されている。他の部隊に一~二機ついてゆき戦闘情報を収集する。その任務はたとえ味方機が全滅したとしても戦闘には直接参加せず情報を収集し必ず帰投すること。そのための強力な火器を持つ。パイロットには鉄の意志が必要。後部座席に電子戦オペレータが搭乗する。エンジンは最終的にはフェニックス・マークⅪ。
【戦い】《戦いに理屈はいらない、零は思った。他人にはなぜそれがわからないのだろう。》p.119
【TAB-14】壊滅したはずの基地。
【チュー少尉】ムンク大尉の相棒。
【通路】異星体ジャムの地球侵略用通路。半径五百メートル。紡錘形をしており最大直径三キロ、高さ十キロ。南極点から千キロ、西経およそ百七十度、ロス氷棚の一点にある。三十年前のジャムの先制攻撃によって人類は初めてその存在を知った。
【トマホーク・ジョン】航空電子工学(アビオニクス)の天才。バンシーの異変を零とともに調査することになった。零は会った瞬間彼を戦士として認め握手をした。インディアン。心臓はプルトニウム238の熱で動いているので日本には入国できなかった。《そう、祖父は口ぐせのように言ってた、みんなで一緒に食べよう、一人だけ腹をいっぱいにするやつは仲間じゃないってね。》p.182。《零、あなたはいつまでもブーメラン戦士ではいられないだろう。氷のハートはいつか融ける》p.192。《ぼくは・・・・・・人間だよな》p.196
【ナイト】カール・グノー大佐のチームが開発した小型無人の格闘戦闘機。遠隔操縦する。格闘戦=旋回性能はシルフィードを上回る。「マクロス」の「ゴースト」に近いイメージかと。
【南雲】アドミラル56の館長。
【人間】《人間に仕掛けられた戦争だからな。すべてを機械に代理させるわけにはいかんだろう》p.97
【バーガディシュ少尉】零のフライトオフィサ。後部座席に乗る相棒。頼りになるが地上では素っ気なく生きている死体のようだと零は思うが自分も同じだということも意識はしている。
【パイロット】スーパーシルフのパイロットは「なにかの手違いで人間になってしまった機械」という人格の者が選ばれている。当然他の部隊のパイロットからは嫌われており「死神」と呼ばれたりもする。
【バンシー】空中飛行基地。シルフィードの部隊を搭載し原子力でとぶ。
【ヒカラチア】プーメラン戦隊の女性オペレータ。
【ファーン】単座の格闘戦闘機。
【ファーンⅡ】ファーンを高性能にし無人化を念頭に開発中。
【プーメラン戦隊★】「SAF」。スーパーシルフ全機が配備される特殊戦第五飛行戦隊のこと。通称「ブーメラン戦隊」。形の上では一部隊だが独立した司令部を持ち軍団レベルの運用がなされる。三番機が雪風、六番機はミンクス。
【フェアリイ★】「通路」が繋がっていた先の惑星。ジャムの母星かどうかは不明。全天のどこにあるのかなどいっさい不明だが現在の主戦場。ジャムによって戦場として選ばれ地球側がここに呼び込まれたような雰囲気もある。太陽は連星。原生恐竜とかいるらしい。もしかしたらジャムはこういった「戦場」をいくつも持っているのかもしれない。
【フェアリイ基地】惑星フェアリイにある地球の基地のうち最大で中心。地下大洞窟の底にビルが林立する都市。
【深井零】→零
【ブッカー少佐★】ジェイムズ・ブッカー。零の唯一の友人。顔に切り傷があり凄味がある。零よりも日本通で雪風の機体に書かれた「雪風」という文字は少佐の手になる。元はパイロット。プーメラン作りの趣味がある。《ジェイムズ・ブッカー少佐は、一言でいうならば、恐れを知っている男だった。》p.57
【ブラッディ・ロード】フェアリイの太陽は連星で一方からもう一方に向けて吹き出すガスが赤く、ブラッディ・ロードど呼ばれている。
【フリップナイト・システム】→ナイト
【マース勲章】最高位の勲章。
【マーニー】TAB-14の看護師。
【ムンク大尉】シルフィードのパイロット。
【ヤザワ少佐】TAB-14所属。
【雪風★】零の愛機のパーソナルネーム。スーパーシルフ。部隊の三番機。最後の方では地球の空も飛べるエンジン、フェニックスマークⅪを搭載。次第に人間を必要としない兵器に近づいていく。《片想いだ。雪風はもはや独立した意識体になりつつある。いつかふられるぞ》p.272。《おれが言いたいのは、零、いつの日か、雪風がおまえの、人間の、敵になるかもしれないということだ》p.273
【ランダー】アンディ・ランダー。アメリカのフリーコラムニスト、軍事評論家、ロビイスト、兼作家。偏向的な文章を書く。「宇宙大作戦」のカーク船長っぽいかも。
【理性】野生動物はきわめて理性的な存在だと思います。生と死の狭間では理性的でないと生存を続けられない。ブーメラン戦隊のパイロットたちもまた理性的。で、理性的なことは一般人類にとっては非人間的なのでしょう。だから疎ましがられる。これもまた動物=人間そのものではあるのですが。まあ、ブーメラン戦隊の連中はそれすら理性的にスルーするようですが。
【リン・ジャクスン】対ジャム戦史を著した。『ジ・インベーダー』というのがそれかもしれない。かなり皮肉な見方をしているようだ。《異星体ジャムも結局のところ、一隣国の仲間にすぎなかったのだといえる。》p.138
【零★】深井零。ブーメラン戦隊所属で三番機雪風のパイロット。少尉→中尉。《地球は苦い思い出を溜めた大きな水球でしかない》p.36。《おれは性能の悪いやつは嫌いだ。人間も機械もだ。》p.38。《雪風を狙うものはすべて敵だ。おれは雪風以外は信じない。》p.171。ジェイムズ・ブッカー少佐が戦争と人間性についてや、戦争が人間のものであるかどうかを考えるが、零は自分が人間的であるのか非人間的であるのかよりも雪風にとって自分が必要なパーツ(できれば対等なパートナー)であるかどうかを重視しているように見える。
【ローラン大佐】フェアリイ基地広報部。-
(改)も買った筈なのに読んでない事に、投稿の文章を読んで、気づきました。ありがとうございます。読まなねば!(改)も買った筈なのに読んでない事に、投稿の文章を読んで、気づきました。ありがとうございます。読まなねば!2023/08/08 -
2023/08/09
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2023/08/09
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<発>
シリーズ最新刊『アグレッサーズ』の紹介が例によって「本の雑誌 新刊めったくたガイド」 に載っていた と思うw。調べるとこの『戦闘妖精・雪風(改)』がどうやら一番のっけのやつみたい。かなりの人気シリーズの様子。すかさず手に入れて読む。いやはや僕にとってSFは読む動機付けさえ見つければなんでも面白いんだなぁ~ という事を改めて認識する。
しかし主役たる” 雪風 ” は,味方を見殺しにしても帰投することを第一目的とした言わば戦闘しない偵察機 ってのが売りな筈なのに,物語ではのっけから敵と戦ってばかりだな。ま,いっか。異星人との戦争SFなんだから戦うしかストーリーが無い!って途中から開き直ったんだろうなぁw。あ,久々の分かり易いニッポンのSF作品だったので,興奮して少しネタバレ感想してもうたかな。やれやれ。すまぬ。
ちょっと気になる事がある。主人公の「零」の読み。これ一体なんて読むのが正解なんだ。大抵の小説作品は人物の名前について最初に登場した時にその読み仮名が振ってあるのだが、本作にはそれは無い。もっと云うとどんな漢字にも読み仮名はふられていない。
本作「零」以外のほとんどの登場人物名はみんなカタカナ(主に欧米人)なので「零」以外の人名にフリガナは不要なのだけれど それにしても一つも無い。
いやあった "RDY" というアルファベット三文字省略語には ”レディ” というフリガナをふっている。おそらく作者のオリジナルで ”準備” を意味させる短縮語だろうけど、どうしてそこだけ読み仮名なのだろう。著者オリジナル だからか?だったら人の名前は作者の一番のオリジナルだろうがっ!)
漢字に一切のフリガナが無い件に鑑みて。この雪風シリーズの古くからのファンの読者諸兄様は「零」をなんとお読みですか。僕は普通に「レイ」ですが別に「ゼロ」だって「ミオ」だってかまわない筈。(知らなかったが今回調べて「零」は「あま、しずく」とも読めることを知った。雑知識が増えて良かった。でない とこの件から得るものは 作者と出版社の手抜きに気づいた事 以外には無いところだったw)
さらに僕りょうけんの辛らつ感想は続く。「戦闘妖精」とはいったいなんぞや。何か物語の中身と関係あるんかい。単純にそれらしき雰囲気(ファンタジーSFっぽく見せかける)を醸し出すためだけにつけた題名だろ。そうとしか思えん。思えんがいまさらどうでも良い。そんな変な雰囲気偽装などしなくとも本作はそこそこ面白いんだから。
それにしても巻末に二つもある 解説 はどっちもつまらん。ページの無駄でしかない。せっかくの面白いSF小説作品なんだからこんな駄解説は要らない。 -
3巻を読むため1巻から再読
解説が良く出来ていて「空戦」という場の「実験小説」という捉え方に同意
戦闘機の挙動あれこれはまったく興味ないので
厚さのわりにすいすい読めるのは良いところなのかもしれない
主題はこの1巻でも充分大枠掴めるがやはり2巻からが本番か -
「戦っているのは誰と誰だ…」
人類は南極大陸に突如現れた超空間通路を通じて襲ってきた正体不明の異性知識体「ジャム」を押し返し、通路の向こうの「惑星フェアリィ」にFAFを設置し、地球防衛の最前線とした。そこが物語の舞台。
「ジャム」は、相手が地球型知識攻撃機械であると認識し、有機体(人間)がなぜその周りをウロチョロしているのか、理解されていない可能性が、物語に示唆されている。
地球側の防衛機械(AIなど)も次第に学習し、ヒトではなく「機械」を防御しようとするようになる…。
人類の発想は、地球外生命体=有機体と考え、現実社会の研究でも「水」「温度」などの地球に近い環境下での「有機体」の存在確認がテーマで、地球内からの常識から抜け出していない。
「ジャム」の存在する世界が、人類の想像を超えていた場合
「無機質」に知性が存在する世界
あるいは
物質的存在すら「知性」には不要な世界
実はもう、地球にたくさん来ていて、彼らの住み易いように、世界を変え始めているかも……。
あなたのスマホは
本当にあなたの意思で
動いていますか? -
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SFって面白いなと改めて思える書。海外SFを中心に読み込んでいるが、最近の日本のSFも捨てがたく思うと。本書はその代表。古いようで、新しい設定で、想像力をしげきしてくれる。
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よくもまあここまで細かく描写するもんだ。
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いやいや、面白かった!
途中まで、「そこまでかー?」なんて思ってたけど、ジャムが人間じゃなく、地球産の機械を相手にしてるんじゃないか、そして地球産の機械もそれをしってるんじゃないか?ってあたりから、たまらなくなってくる。
日本SFなめてました。
すいません!
そして、日本SFみんな読もうぜ! -
○雪風を一心に愛する零と、それを見守る親友ブッカーとの絆、そのどちらも詳しい背景は語られないのがめちゃくちゃ渋くて良かった。
○徹底して雪風に人間性が描かれないことで、他の面では非人間的な零の唯一の人間味が切なく引き立つ。
○体言止めの多い文章が硬質で格好良く、操縦描写へのこだわりが凄い。車の運転さえできない自分でも、読んでると石油臭い匂いがしてくる気がする。
△戦闘シーンの動きや操縦の説明が、詳しい人なら理解できて更に楽しそうなのに、自分ではふんわりした想像しかできなくて残念。 -
約30年前に読んでいたら、衝撃度が増していただろう。戦闘機による戦争の話だと思って読んでいたら、全く違った展開になった。今でこそマトリックスやターミネーターなどで一つの物語ジャンルとさえ言えるようになった、機械が人間を超えてしまう話。
ただ、戦闘機乗りが人間というよりも感情が薄く機械化していたり、アンドロイドの方が人間味を帯びていたり、その中でいつの間にか戦闘機雪風は人の能力を追い越している。対比の書き方が見事。そして、渇いているのに、うっすらと抒情的なのがとてもいい。 -
初め人間と機械という対立かと思ったがそう綺麗にわけられるほど両者は違わない。雪風という人間には手の届かない、まさしく戦闘妖精がどこに向かうのか、人間と機械の違いとは、そう考えると強いメッセージ性のある作品だった。
個人的にはブッカー少佐が人間くさく作者の気持ちを代弁してるのではないかと思った。
戦闘描写は細かく、リアリティはあるので取材をよくしたことは分かるが専門用語が多く、素人には食いつきにくかった。
日本の近代SFの代表かと思ったが個人的にはそれほど残るものではなかった。 -
2012年1月31日読了。1984年に刊行されたSF作品の2000年代の改訂版。謎の惑星「フェアリイ」より地球を攻撃しに飛来する「ジャム」の戦闘機たち。情報収集・帰還を至上目的とする高機能戦闘機「雪風」に搭乗するパイロット・深井零たちFAFのメンバーの苦悩。コミュニケート不能なジャムと闘うためには人間は情を捨て「機械化」する必要があり、戦闘機の性能向上のためにはもはや「肉体」や「経験と勘」といった人間ならではの特性すらも不要となる。繰り返し提示される人間性とは、非人間性とは何か?という問いがとてもディック的と思っていたら、著者は「日本のディック」と言われた短編SFの銘酒だったのか。絶望感と答えのない問いが心の中で膨れ上がる感覚が読み終わったあとも延々続く、とにかく刺激的なSFだ。これは面白い。
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初めて読んだ時は戦闘機のドッグファイトに胸踊らせたものだが、今読んでみるとまた違った面白さがある。機械と人間の関係を描く<雪風>は25年近く経った今でも色褪せない。
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