ムジカ・マキーナ (ハヤカワ文庫JA)

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  • 早川書房 (2002年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784150306939

感想・レビュー・書評

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  • ブルックナー教授大活躍ですよ。おまけに近代ヨーロッパのおいしいとこ取り。クラシック音楽+スチームパンク、最高ですね。

    音楽SFという素敵なジャンルがあるとは知らなかった。これは「分かる」どころではなく、最初から自分の中に広がっていた世界だったりする。

  • 音楽SFと呼べる作品は他に飛浩隆「デュオ」しか読んでいないが、それもこれも面白かった。「デュオ」同様、本作はイデア論的な理想追求を基に展開する。音楽小説とはいえ、音を言葉で表すことは本来できない。だからこそ、現実にない理想の音楽を扱うことが、小説にはできる。音の連なりからではなく、奏でる者の言葉を通して、〈音楽の理想〉は知られる。〈理想の音楽〉なるものも、聴く者の言葉を通してのみ、存在が保証される。登場するガジェット以上に、語られる音楽の非存在性がSF的と言える。音楽とSFとの相性の良さを感じられた。

  • 読むのに時間がかかるし、SFはやっぱりニガテだ・・・('A`)

  • 音楽×スチームパンク×歴史改変、な小説。SFというかファンタジィというか。とにかく面白いのは確かです。神保町の古本屋で買って長いこと積んでおりました。ごめんなさい。ベルンシュタインとブルックナーがかっこよすぎるなー! あとダニエルかわいいな。
    ラスト、時がたつにつれて細部の記憶は薄れても、感動は残るっていうの、これが大事なんじゃないかなあ。完璧な録音がすべてではない。

  • ハードカバー版の表紙がイリナ・イオネスコ !

  • ハリウッドには行かなかった。

  • 単行本で既読。

  • 書籍が商業である故の弊害か、或いは流されやすい自身の性格由来か、売る側の位置づけと、実際に読んで得る位置づけとが大きくずれていて腑に落ちない結果に終わるというパターンが最近多いように思う。音楽「SF」と呼ぶには少しお粗末で、ただ此処には、過去も現代も混ぜた「音楽」とそれに取り憑かれた人々が在る。
    ラストに至るまでの緊張感も、最終的な展開も、Jコレクションで刊行されているものと比べしっかりしていて、もしかこの人の作品の中では一番好きかもしれない。キャラクターとしてはエオンが不動の一番だけど。

    映画化するなら、ジュノリアクターかアヴェンズ希望。というか、今作をテーマとしたコンピレーション希望。オーケストラあり、パイプオルガンもあり、テクノもあり、アシッドトランスもノイズロックもピアノも何でもありの。大沢さんとかジオーブがさりげなく居たりして。

  • 図書館で借りた。

    1870年あたりのヨーロッパを舞台にして、麻薬、音楽機械、理想の音楽が絡む話。

    舞台の設定や時代に不釣り合いな技術の設定を見て、トリニティブラッドを思い出した。あそこまでの人外は登場しないけれど。

    ルイ・ナポレオンの台詞で意外なものがあり、そこで危うく吹き出しそうになった。

  • この私が展開を読むことが出来る文章運び。裏切らないという点では安心かも、、、

  • 緻密な音楽SF、ファンタジー、ミステリー?
    ある程度の音楽知識がないと読み進めるのが難しいかもしれないが、知らなくても十分に楽しめるストーリー性はある。
    ブルックナー存命中のヨーロッパ、フランスはナポレオン3世が失脚した第三共和制時代なのに、音楽機械とかメモリとかの言葉が頻出する不思議な世界観。

    無賞のデビュー作。このクオリティを持続させるのは難しいのではないかと思うが、次作も読んでみたい。期待大。

  • 1870年、ナポレオン帝国が力を失ったヨーロッパ。
    ウィーン音楽家達の間で密かに流行している麻薬『魔笛』。
    ベルンシュタイン公爵は魔笛の特徴が、戦時中に開発させたものの
    精神に重大な後遺症を残し、やがて廃人になることがわかり
    すべてを廃棄したはずだった『イズラフェル』に酷似していると気付く。

    魔笛の流行と重なるように出現した舞踏場:プレジャー・ドーム
    プレジャー・ドームの常連客に多い中毒患者。

    ベルンシュタインに預けられた音楽にしか反応しない
    ミューズ(舞踏と合唱叙情詩の女神):マリア。
    才能がありながら認められないウィーンフィルの若き指揮者フランツ。
    相次ぐ音楽家の失踪と怪死。

    『機械の音楽(ムジカ・マキーナ)』とは?
    廃棄されたはずの魔笛(イズラフェル)の出所は?
    巧みに仕組まれ、細部にわたって計算され
    綿密に施された精巧なカラクリ・・・

    音楽に憑かれた人達が、究極の音楽を求めた結果、
    それぞれが導き出した結果は・・・

    途中、説明がくどいところが結構あるんだけど
    音楽を体感してる状態を活字にするにはしかたがないのでしょう。

    478Pの長編ですけど、苦にはならないです。
    途中、グロイ描写がちょっとあります。
    苦手な人の為に一応・・・
    最初は文章に慣れるのにちょっと手こずったけど
    一気に加速しますから大丈夫です♪

  • 至高の音楽への情熱。音楽の喜び。

  • 中世×クラシック×テクノ! プロットや世界観が非常におもしろいだけに、もちっと色気がほしいなと欲張りなことを思っちゃう。

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著者プロフィール

1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。
お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。
1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書に『アイオーン』、『赤い星』など。編書に『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(東京創元社)がある。2012年、『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。ほかの著書に『翼竜館の宝石商人』などがある。

「2022年 『大天使はミモザの香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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