マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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レビュー : 138
  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307301

感想・レビュー・書評

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  • 前半は続いてカジノの話。加筆修正されたハードカバーを図書館で見つけてしまった。

  • 悪くはない。
    読書履歴のひとつとして、読んでおいてよかったと思う。
    でも「この作品、良かったよ!」と勧めるほどには楽しめなかった。

    が、各シーンをもうちょっとコンパクトにしたほうが
    全体のリズムがよかったんじゃないかと思う。
    書いている側はきっと細部まで描きたくてあれこれ盛り込んでしまう、それはわかるのだけど
    こういうストーリーで読み手が求めるものはソコじゃないんじゃないかなぁ

  • 殻に閉じこもって弄ばれるしかなかった不遇の少女が
    煮え切らない金色の万能ネズミと絆を深める物語。

    生き物は欲望のためならどんな残酷なことだって厭わない。
    理性なんてものは、恵まれた者が優位を保つために持つ自己満足。

    それでも誰もが愛に飢えている。
    安らぎを、信頼を求めている。
    それは過去も、現在も、未来も変わらない。

    カジノでの攻防は見応えがあるけれど、
    世界観とストーリーがいまひとつフィットしていない感じがした。
    綿密に組み立てられたと思ったプロットも、統一性にかける。
    「とにかくやりたいことをやって、詰めたいことを詰め込んだ」
    そう感じてしまう時点で、SFとしては説得力の足りないのかもしれない。

    3巻通してのライバル置いてけぼりで、カジノの場面で少女だけがどんどん成長していく。
    面白い部分はあるのだけれど、求めていたのはそこではないというか
    少し消化不良かもしれない。

  • 後半から一気に面白くなった!
    スピード感も段々上がってくるし、キャラクターの描かれ方にも勢いが出てくる!

    読書中、頭の中でビジュアライズしていくんだけど、後半に入ってから描かれるイメージはもう皆川亮二の絵がピタリと当てはまって、そのイメージを構成するのが楽しいくらいだった!
    おかげで小説を読んだはずなのに皆川亮二の絵で各シーンが残っている。

    いやー、でもほんとラスト一歩手前の戦いが良かったなー。
    うわーこのバトルをこう終わらせるのか!って、伏線もはってあって思わずやられた感が。
    最後まで読むことをお勧めします。

  • 沖方丁のサイバーパンク小説。
    犯罪隠蔽の犠牲になって殺されかけた少女娼婦ルーン・バロットは、
    最強のパートナー「万能兵器」ウフコックと共に自分の居場所を取り戻していく。

    SFバトルが激しく、カジノでのカード勝負が熱く、一人と一匹の成長物語が切なく。
    これは極上です。
    これを超えるSFは、自分は『戦闘妖精・雪風』しか思いつかないな。

  • 1巻と同じ

  • 全体的に、非常に内容の濃い物です。カジノのシーン...特にブラックジャックで対決するシーンは内容がものすごく詰まっていて、一気に読み切ろうとすると結構キツイ。なかなか早く読み進められないし。また、最後の対ボイルド戦も手に汗握る、非常に引き付けられる展開が続きました。一言で言うと...ホントに面白かった!また読みたい!

  • バロットは自分をとりもどした。面白かったが、やはりポーカーのくだりが長かったかな。あれはあれで面白いのだけど、本流かというと、違うよなぁ。
    アニメ化されてるみたいなのでチェックだね。

  • 上 The First Compression 圧縮
    中 The Second Combustion 燃焼
    下 The Third Exhaust 排気

    三部作。
    圧縮と排気の戦闘シーンも息つかせぬ迫力で面白かったけど
    燃焼から排気にかけての様々な対戦相手と知力謀略をめぐらせる
    ギャンブルシーンが引き込まれるようだった。



    最終話は、若干読むのが疲れたなー

  • このシリーズはアニメ化されていて、主人公の声は林原めぐみさんが担当してます。綾波レイの声にしか聞こえなかった、綾波レイという役柄は良くも悪くも林原さんには影響多かったんだろうな…としみじみ思いました。と本筋には関係ありません、3冊からなっているので1冊ずついきます。

    「圧縮」
    少女娼婦ルーン・バロットは保護者である賭博師シェルの奸計により瀕死の重傷を負うものの、委任事件担当官である、ドクター・イースターとねずみ型人工生命体ウフコックに助けられる。金属繊維の全身移植により高度な電子干渉能力を得て再生したバロットは、最強の個人白兵戦兵装であるウフコックを手にシェルの犯罪を追う、しかし彼女たちの前に、かつてのウフコックのパートナー、ボイルドが立ちはだかる。

    近未来を舞台にしたSFです、しかしながらその社会は未成年への性的虐待、ドラッグ、犯罪と現代に通じており、バロットの抱える闇を彼女がいかにして打ち破っていくのか?そして彼女のパートナー、ウフコックとの関係は?というのがストーリーの中核です。しかし後半では虐げられてきたバロットが大きな力を持つこととなり、彼女の心象と行動の変化に驚きました。

    バロットを狙う殺し屋たちを、電子干渉と空間認識能力で圧倒するのですが、それが次第に虐殺へ、いたぶりながら屈辱に塗れさせたうえで命を奪う、というモノへ変化していきます。己のが手にした力を屈折した喜びのうちに振るうバロットに予期せぬ事態、ウフコックの離反というしっぺ返しが襲います。その間隙を待って最凶の敵ボイルドが…

    『燃焼』
    ボイルドの追撃を辛くも逃げ切ったものの、ウフコックは傷つき、バロットも精神的痛手を被ります。彼等が非難した先は「楽園」失われた科学技術の結晶がひっそりと息づく場所であり、ウフコックの生まれた場所でもあります。ウフコックとの絆も深め、さらにシェルの悪事を暴く切り札がカジノの100万ドルチップに隠されているという情報を得ます。そして後半はカジノシーンへと…

    いわゆるSF作品でこのような展開があるとは予想外でした!さまざまな書評を読んだところ、このカジノシーンは冗長という意見もあるようですが、このカジノシーンこそ最も面白いパートでした!かつてカジノを描いた読み物を読んだ記憶はないのですが、ポーカー・ルーレット・ブラックジャックと勝ち進んでいく様は緊張の途切れることなく息つく間もない勢いでページがめくられるのでした。

    後半でバロットは一人の女性と出会います、ルーレットのスピナー。彼女がバロットに示唆した言葉はとても印象深く心に残りました。

    「いるべき場所、いるべき時間に、そこにいるようにしな。着るべき服、使うべき言葉、整えるべき髪型、身につけるべき指輪と一緒に。女らしさは運と同じさ。運の使い方を知ってる女が、一番女らしい女なんだ。そういう女に限って運は右に回るのさ」


    『排気』
    勝ち続ける彼等は目的である100万ドルチップに手をかけます、しかし最強のディーラーが最後の敵として立ちふさがります。勝負がブラックジャック、このディーラーも女性スピナーと並んで非常によいキャラでした。成長途上のバロットに様々な示唆を与えたといえます。窮地に陥るも、己の力を、ウフコックとの信頼を、進むべき道を信じたバロットはギリギリの勝利を収めます。そして宿敵ボイルドとの最終決戦へ…

    SFアクションなので最後は安心して読めました。やはりこの物語の核は燃焼後半から排気前半のカジノシーンです。反論はあるかもしれませんが、個人的にはそうでした。

    カジノでちょっと勝負したくなります

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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