マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.93
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レビュー : 137
  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307301

作品紹介・あらすじ

科学技術発祥の地"楽園"を訪れたバロットが知ったのは、シェルの犯罪を裏付ける記憶データが、カジノに保管された4つの100万ドルチップ内に存在するという事実だった。チップを合法的に入手すべくポーカー、ルーレットを制してゆくバロット。ウフコック奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、最後の勝負ブラックジャックに臨んだ彼女は、ついに最強のディーラーと対峙する-喪失と安息、そして超克の完結篇。

感想・レビュー・書評

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  • SF史に残ると言ってよい傑作では。
    このボリューム、戦闘やカジノのしつこすぎる展開と描写なのに、全くダレさせない。
    少女とネズミ、ギャンブルと武器、とてつもない強力な敵との対決、乱暴に言えばこんなもんで構成されているのに、サイバーな舞台設定と魅力的すぎる登場人物で読み手を惹き込むこと甚だしい。
    この長いストーリーの全編を通じ、何ら裏切られるものがなかった。
    ラストも染み渡った。驚異的です。
    作者の圧倒的な筆力のなせる技でしょうなあ。
    あとがきで、反吐を吐きながら書いたとある。
    うなずける内容です、感服。
    感動薄れぬうちにヴェロシティに移ることをお勧めする。冒頭にシーンは繋がっている。

  • 想像していた感じにまとめてきたね。

    とはいえ、圧倒的な世界観に脱帽である。
    途中からすっかりカードゲームの話になってしまったのが少し残念に思う。

    とにかく、これで「ひと段落」なのだ。

    ところで、私はバロットに抱きしめられたら、
    きっとお尻を撫でるだろうことをここで伝えておかねばならない。

  • 2019.2.17
    最後はちょっと冗長かなー。

  • 著者:冲方丁(1977-、各務原市、小説家)

  • カジノのシーン、長すぎでしょう・・・。

  • マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)

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  • 小説

  • 全3巻とちょっと量はありますが、この人文章うまいです。なかなか読ませます。んでもってちょっと泣かせます。ひさかたのSFハードボイルド。主人公の少女とネズミがお互いの「有用性」(=存在意義みたいなものかな)を求めてお互いを尊重しあいながら戦うという設定もグッと来ます。オススメです。

    アクションもいいですが、個人的にはハードボイルド特有のちょっと気障なセリフ回しや、人物の内面描写がうまいと思います。カジノでのブラックジャック対決の最後なんて本当にうまいなあと思いました。カジノのシーンは僕も途中でちょっとツラくなりました。でも勝負の最後で思わず目頭が熱くなってしまったのには自分でも驚きましたが。

  • 69:アシュレイとのブラックジャックの勝負シーンは、静かながら確率と運の波を疾走するような力強いものでした。7のカードが3枚、というのは、バロットとウフコックとドクターの3人を現しているのでしょうか。アシュレイとベル・ウィングのカジノメンバーがとても印象的だったので、ラストのボイルドとの決着は(これ抜きに語れないことだとしても)カジノに比べて読む勢いが衰えてしまったのが残念でした。集中力が続かないほど、濃密なクライマックス。当初否定的なことも言ったし、それはあまり変わってはいないけど、1巻を読み始めた頃の拒否感というのはあまりなくて、つまり端的に言うと、面白かった!

  • うーん最後よく分からなかった。。。

  • 後悔しているのは、三冊を続けて読まなかったこと。もっとたて続けに読んでいたならもっと圧倒的なものが押しよせてきたに違いないのに。一巻を読んだときには主人公たちやマルドゥックシティのいわゆる「焦げ付き」が、エンターテイメントのためのものと思えてそこまで入りこめなかった。でも読みおわった今は、それがもっと切実な、存在に関わるものだったとわかる。あのカジノシーンがすべてだと思う。あとがきもすごかった。

  • 【シェルの記憶が移植された100万ドルのチップを求め、バロットたちは彼の雇い主が経営する高級カジノへ向かう。ウフコック、ドクターのサポートを得ながら勝ち進むバロットの前に、ついに世界トップクラスのディーラーが立ちはだかる。さらに宿命の追跡者ボイルドが彼女たちを追い詰める。今、すべての勝負に、決着をつける時がきた!】

     この作品の肝とも言えるカジノ編のクライマックス、そしてボイルドとの壮絶な死闘が今回の見どころです。ブラックジャックは初心者でしたが、ストーリーを交えたわかりやすい説明だったので助かりました。
     最後はこっちも泣きそうになりましたね〜。言葉が泣かせてくれます。
     ボイルドとのバトルは、どれだけ叩いても立ち上がる執念さから、ターミネーターを思い出しました。

  • シリーズ読了。

    書いた後吐いたというカジノシーン。
    有用性。
    ウフコックの最後の姿。
    ストンと腑に落ちるエンディングだった。

    長い話もSFも不得手なのに最後までぐいぐい読めた。
    貸してくれてありがとうございました。

  • 前回のドンパチから一転、カジノのシーンがたっぷり。
    みんなウフコックが大好きだな。。。

  • 全ては偶然の中の必然。
    果たして最後に残るのは虚無だけか。

  • 最高でした。
    近年稀に見る自分のツボ。
    関連作品も是非見てみたい

  • すっごく面白かった。
    夢中になって読んだ。
    割に細切れで読んだのがもったいない。
    カジノのシーンなんか本当に見事。二巻でも思ったけど、本当に。
    ディーラー・マーロウ(&客)とのブラックジャック、アシュレイとのブラックジャック、シェルとのブラックジャック。
    やっているのは同じゲームなのに、ちっとも飽きない。
    恐るべき筆力。
    戦闘シーンでもぐいぐい引き付けられていくし、それでも人物描写もちっともおろそかにならないし、言葉遊びも随所にちりばめられ、近未来的な世界観の構築も忽せにされない。完璧です。
    1,2巻を読んでいたときは結構ボイルドもバロットもどうでも良かったんですが、最後の方で覆りました。
    あの切実さったらない。
    ボイルドがもう…!!
    シェルなんかお呼びじゃないですしね。
    三巻の真ん中当たりまでカジノシーンで、正直ちゃんと終わるのかな?という気もしていたんですが、どうしてどうして。
    あれだけきちんとしたエンディングもないです。
    書き方によっては消化不良にもなりかねない状況だったと思うのですが、流石です。
    ドクターの台詞から始まって、ウフコックとバロット。
    あの終わり方は素敵です。あれ以上のものはないです。
    幸せを手に入れたくて入れたくて、命も賭ける。
    読んだ感触はすっきりと極上のエンターテイメントで、またその通りなのですが、それだけでは語りきれません。
    繰り返し繰り返しウフコックもドクターもボイルドも、バロットでさえもが求める「有用性」が、胸に迫ります。
    社会に、誰かに。
    自分をきっぱりと「道具」だと言い、でもけして割り切ってそう言うのではなくて、ただ正しく使ってくれる人を求めるウフコックが、色々なことを語っているのだと思います。
    「俺がお前を使ってやる」と言うボイルドの言葉も、聞けば聞くほど。「なぜ俺ではいけないのか」というのが。

  • テンポ、スピード感。
    この作家の良さは、そこに引き込む力と勢い。
    素晴らしいエンターテナーである。

  • ウフコックの優しさにバロットが救われる。 バロットもやさしい子だ。

  • 前巻以上に引き込まれるカジノシーン。心理戦。場を支配しターゲットを敗北に引きずりこむ。勝負は、劣勢であればあるほど読み手としては興奮する。そしてそれも伏線。復讐を果たすもこちら側に虚無感が残る。あれだけの勝負を見事にやってのけながら…それも人間らしい感情か。それにしてもあざといバロット。そしてどこまでも紳士なウフコック。--少しは妬いてくれても良いのに。

  • カジノの続き。前から読むのが大変だと思っていた。しかし、作者もカジノは書くのが大変だった様だ。読むのを小分けにして、少しずつ読み進めた。バロット達は目的の物を得る事ができた。それが過ぎてからの展開も激しく移り、めまぐるしい。ボイルドとの戦いは避けられず。ボイルドは戦いが何故か嬉しそうだ。ウフコックも気落ちしている所、バロットが慰めたりしているあたりが好きだ。

  • めちゃくちゃ面白かった!
    天地より、何故か気になってたマルドゥック。正解だった!
    暴走バロット。
    成長するバロット。
    ギャンブラーバロット。
    色んなバロット、盛りだくさん!
    読み始めると止まりません。
    ベロシティも読もうかな。

  • それでも生きたいと強く願った少女・バレットと、優しく哀しいネズミ・ウフコックの物語。
    手に汗握るカジノシーンは一度は読むべき!

  • 10年前の作品。著者の若かりし頃の作品と思えば、微笑ましい雰囲気もするライトノベル的SF・・・と云うより、サイバーパンク風ファンタジー。読みやすく、サクサク読める内容。
    ウフコックが可愛かったので★3つ。シリーズの他作品は読まないかなあ・・・。

  •  少女と敵と武器という物語のモチーフは非常に惹かれるものがある。けれど、読み終わったときは正直充実感よりも「や、やっとおわった」という疲労感の方が強かった。読む時期を間違えたのかも。残念。密度の濃い物語だということは分かるんだけども。あとやっぱり、あの音韻遊びはちょっとわたしには寒かった。音声媒体や映像媒体でなら楽しめたかもしれない。
     他者の暴力に翻弄され尽くした少女の心情が「死んだほうがいい」から「死にたくない」へ変化し、戦うことを学ぶことで自分と世界の位置を調整し、生き延びる意思を掴み、「殺されない。殺さない」へたどり着くまでの物語、としては好き。

     あ、ボイルドさんが虚無虚無言ってるのでどこぞの虚無顔お姉ちゃんを思い出しました。

  • ―――賭博師シェルの奸計により、少女娼婦バロットの叫びは爆炎のなかに消えた。
    瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にしてネズミ型万能兵器のウフコックだった。
    高度な電子干渉能力を得て蘇生したバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵方の担当官ボイルドが立ち塞がる。
    それは、かつてウフコックを濫用し、殺戮のかぎりを尽くした男だった…


    寺井から借りたSF三部作

    一行で言うなら
    「女の子が超人になってネズミに恋するSF」……
    まぁ、文庫3冊計1,000ページ強やからね

    近未来都市、超感覚を持つ主人公、あらゆる機器に変身できる相棒
    っていうSF要素満載やのに、1冊分のページをカジノでのギャンブル描写に費やして
    しかも、そこがめっちゃおもろいってどうよ笑”

    ちょいと暗い雰囲気を持ちつつも、密度の高い戦闘シーンが楽しめた

    アシュレイ・ハーヴェストかっこいいよアシュレイ・ハーヴェスト

  • 綺麗に終わった。面白くなかった訳ではないけど、1巻ほどの衝撃はなかったかな? 
    モラルが崩壊した未来世界を描く小説はわりと普通になってしまったけど、そこへもう一度善と悪、(誤解があるなら、「良いもん」と「悪もん」)みたいな軸を持ってきて、世界を色付けした、という感じかと思う。
    ある意味では2000年代の価値観、時代の産物という印象を受けた。

  • 前半は続いてカジノの話。加筆修正されたハードカバーを図書館で見つけてしまった。

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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