もう一人のチャーリイ・ゴードン 梶尾真治短篇傑作選 ノスタルジー篇 (ハヤカワ文庫JA)
- 早川書房 (2003年8月20日発売)
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感想 : 8件
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784150307349
みんなの感想まとめ
人の優しさや悲しさを描いた短篇集で、ノスタルジックなロマンスが心に響きます。作品は、主人公が新薬の生体実験に参加し、命の危険を冒しながらも人生をやりなおそうと奮闘する物語や、家族の絆を再確認する温かい...
感想・レビュー・書評
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〈死んだ気になって、人生をやりなおすつもりのあなたを、求めます。〉新聞の折り込みチラシで見つけた謎めいた応募に電話を掛けた広崎秀克は万病に効果のあるという新薬の生体実験の被験者になる道を選んだ。知らぬ間に押し付けられていた使途不明金の返済で膨れ上がった借金、妻にも見放され、お人好しの男が選んだ道が命の危険もある治験だった。研究所で、秀克は、アルジャーノンと名付けられた一匹の二十日ネズミと出会う。父子の想いが形を変えて繋ぎ合わされて、とても切なくて美しい余韻が残るラストで、主人公の未来を思わず案じたくなる――「もう一人のチャーリイ・ゴードン」
大和石(ヤポニウム)の溶液を利用することで、細胞組織を活性化させ、人類の寿命は大きく延長化した。大和石の医療応用を発見し、一代にして財を成したヤポニウム・コンツェルンの会長、五堂勝はビルから外部へは殆ど出ることのない生活を送っていた。そんな彼のもとに来客が訪ねてくる。それは一度も会ったことのない玄孫の五堂勝介だった。勝介の提案は、『百光年先の惑星に、宇宙旅行をして欲しい』という意外なもので、彼は驚くが……。夫婦愛の中で大切なものに気付かされていって、最後に温かな気持ちに満たされる――「百光年ハネムーン」
ということで新年一発目に読んだ作品は、梶尾真治傑作集の一冊、『もう一人のチャーリイ・ゴードン』で、独立した短篇集ではあるのですが、最初の一篇と最後の一篇で登場人物がリンクして、連作っぽくもあるのが粋だなぁ、と思いました。収録されているうち、「芦屋家の崩壊」「地球屋十七代目天翔けノア」は先日レビューした『恐竜ラウレンティスの幻視』に載っていた作品で、「百光年ハネムーン」は何年か前に一度読んだことがあったので、初めて読むのは三作品のはず。
初めて読んだ三篇のうちだと、明治三十三年の九州に火星人が襲来してくる、という青年の成長物語としても楽しい「清太郎出初式」が一番印象的で、全六篇のうち、一番好きだったのは、忘れていた感情を取り戻していく姿が愛おしくなる「百光年ハネムーン」でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「梶尾真治」の短篇SF作品集『もう一人のチャーリイ・ゴードン―梶尾真治短篇傑作選 ノスタルジー篇』を読みました。
「新井素子」の『チグリスとユーフラテス』に続きSF作品です。
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誰もが涙した感動の名作『アルジャーノンに花束を』へ熱きオマージュを捧げた『もう一人のチャーリイ・ゴードン』をはじめ、旧家での哀愁をおびた不思議な一夜をせつせつと語る『芦屋家の崩壊』、結婚百周年の老夫婦を思いもよらない形で祝福する『百光年ハネムーン』と、いつの時代でもどんな場所においても、昔をふるかえると懐かしさに思わず心揺さぶられてしまう人のやさしさ悲しさを描くノスタルジック・ロマンス6篇。
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1978年(昭和53年)から1991年(平成3年)に「早川書房」が発行するサイエンス・フィクション専門雑誌『S-Fマガジン』に発表された作品から、ノスタルジック・ロマンス6篇をセレクトして2003年(平成15年)に刊行された作品です。
■もう一人のチャーリイ・ゴードン
■芦屋家の崩壊
■地球屋十七代目天翔けノア
■夢の神々結社
■清太郎出初式
■百光年ハネムーン
■果時似に送る手紙 恩田陸
それぞれ愉しめましたが、印象的だったのは、
「ダニエル・キイス」の『アルジャーノンに花束を』へのオマージュで、新薬の実験により若返り、子どもの姿になった父親が、同じ実験を受けていたネズミの死により、自らの死を覚悟し、離婚した妻に引き取られた息子に会いにいく『もう一人のチャーリイ・ゴードン』、
「エドガー・アラン・ポー」の『アッシャー家の崩壊』へのパロディで、年老いた主人公が一人で暮らしている古い屋敷に、大嵐の日、様々な時代の服装をした不思議な男女が集まってくる『芦屋家の崩壊』、
「H・G・ウェルズ」の『宇宙戦争』へのパロディで、舞台を明治時代の熊本に置き換えた感動作『清太郎出初式』、
の3作品ですね… 久しぶりに『アルジャーノンに花束を』を読みたくなりました。 -
久しぶりのカジシン。
読んだことある気がする話もあったけど、十分楽しめた。 -
タイトルに惹かれて借りることにした。
オープニングは「もう一人のチャーリイ・ゴードン」。想定通りのストーリーに想定通りの結末。もう一歩進んだオチがほしかったなぁ。悲哀さはあるんだけれど。でも、最終話に通じるプロローグとしては良いお話だ。
次にゴロがいい「芦屋家の崩壊」。これ気に入った。下手に人間が中心ではないところが良い。いい味だ。そしてオチが面白い「地球屋十七代目天翔けノア」。もっとも面白いというだけかもしれないが。
それから少し意味がわかりにくい「夢の神々結社」。本当にわからない。さらにおもしろさが感じられない「清太郎出初式」。この辺でがっかりするんだが、最終話「百光年ハネムーン」はとても良い。ハッピーエンドもさることながら、100光年先にワープして、そこから地球を見ると100年前の姿が見えるというあたりとても良い。しかもそれで、オープニングの科学者が改心して・・・。いい話だ。これお気に入り。
ということで、ライトな感じだが一気に読めた楽しい作品集だ。 -
ノスタルジー編とあるが、少し時代が昔過ぎて
ノスタルジーは覚えない。
表題作の続編のように見えて、実は前作な一遍よかったです。 -
表題作はダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」へのオマージュ作品です。また「芦屋家の崩壊」は、黄泉がえりのアイデアの原点ともいえる作品です。収録作はどれも「派手さはないけど味わい深い」系統の作品です。
すべて、過去の短編集に入っている作品群ですが、現在入手困難なものも含まれていますので新たに梶尾真治に触れる人にはお勧めできます。
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本屋で見かけて衝動買いの梶真もの。まあまあであった。
著者プロフィール
梶尾真治の作品
