サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.43
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本棚登録 : 771
感想 : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307455

作品紹介・あらすじ

あの奇妙な夏、未来に見放されたぼくらの町・辺里で、幼馴染みの悠有は初めて時空を跳んだ-たった3秒だけ未来へ。「お山」のお嬢様学校に幽閉された響子の号令一下、コージンと涼とぼく、そして悠有の高校生5人組は、「時空間跳躍少女開発プロジェクト」を開始した。無数の時間SFを分析し、県道での跳躍実験に夢中になったあの夏-けれど、それが悠有と過ごす最後の夏になろうとは、ぼくには知るよしもなかった。

感想・レビュー・書評

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  • #日本SF読者クラブ ラノベというより、青春SF小説といったほうが似合う。上下巻ではなく、間をおいて出版された1巻2巻という構成なので、1巻毎にレビューする。間といっても1か月ほどだけど。

     題名は「サマー/タイム/トラベラー」と”/”で区切っている。自分の解釈だと。「夏/あの時/往く人」かな。架空の地方都市を舞台に、5人の高校生が企てる時をかける少女のプロジェクト。進学校でも特に頭のよい生徒たちだが、これ大学生レベルじゃないか。けっこう難しい話をしているが、背伸びしてる印象はない。つま先立ちくらいはありそうだが。以下、2巻の読了後に。

  • 一人称視点。主人公のぼくが語り部です。結果を先回りで伝えてくる割に、説明となる過程は主人公の回りくどい思考そのまま読むことになるので、非常に読みづらいです。しかし、たまに秀逸な情景描写があるのと、随所にワクワクする謎が散りばめられていることで先が気になります。読むのやめようかなと思いながらもギリギリ読み進めたくなる絶妙な
    ラインでした。笑
    これが計算なら素晴らしいです。

    途中で時間跳躍の考察のために、参考になりそうなSF小説を集めるシーンがあります。名だたる傑作に並んで小林泰三の『酔歩する男』が出てきたのが何だか嬉しかったです。自分の好きな本が出てくると嬉しくなりますよね。

  •  人は自分の気分次第で壊せるものをそれぞれ持っている
     お前はそれが人よりデカい
     それだけだ。

     という玄海師範の言葉がなんでかずっと刻まれている。

     壊せるもの、の中に玩具やペットから始まり、
     恋人とか家庭とかの人間関係が含まれているのがいかにも富樫さんっぽいけれど
     要するにこれは誰に甘えるかという話なのかなって。


     考えるべきことを考えないのも甘え、だし。
     大切なものが大切なまま、側にあり続けると思うことだってもしかしたら、甘えだし。


     なんとなく、解った気がする。
     オレは取り残されたいんだね。いつだって。
     取り残されて、それでもそうしている自分を、悪くないって思いたいんだろう。
     もう、いい大人だから。
     悪い大人だからか?



     予感。いまだからこれを読まなければという。
     むしろ必然なのかとすら思える。こういうとき、こういう時代だから、この一冊がこうやって、オレのところに届くくらいには日の目を浴びて。
     そう考えると、いま、ここ、に導いてくれた日本SFの臨界点、は恐るべきものなんじゃないだろうか。
     仕事してるぜほんとに…
     懐かしい話をしているな、と思ったら2005年、という年号に、あれそんなに最近だったっけ? と思わされてそも、2005年を最近、と認識していることに粟立った。
     その上で、作中の批評的な未来予想図を、ともすればあぁそんなことあったよね、と思いながら読んでしまいそうになる、この現実感。
     リアル・フィクション? なんて云いかたでピンとくるのだろうか?
     事実は小説より奇なり、とはよく云うけれど、緻密に組み上げられた物語が、現実と区別が付かなくなる?
     否、もう少し。
     そう、ぽん、と何かの拍子に、
     現実の一歩先に辿り着いてしまう瞬間というのが、確かにある。


     各所にちりばめられたSF論や、特にタイムトラベルの分類と体系化をしている部分は、カーの密室の講義と似た資料的価値もあると思う。まぁこれまるっと飲み込もうとしたらもう一回半生をやりなおすくらいのことになりそうだけど。
     それこそタイムトラベルでもしないと、追い付けないよ。


     ☆4です。それも、これからもっと上がっていきそうな。
     くそう。

  • タイトルと表紙が気になって買ってみた。
    最近の作家も追いかけたいなぁ。

  • 疲れた。

  • 2巻と合わせて。

    小さな世界。
    ローカル世界。箱庭。
    それがいい。その空気感がいい。
    細かい設定の不備に突っ込むとか、
    ヒロインの決断に納得が行かないとか突っ込むなんて野暮。
    小さな世界。素晴らしい世界。
    こういう青春を過ごしたい人生だった小説。

  • 再読。衒学的で自意識過剰な語り口は好き嫌いが分かれそうだが、個人的には嫌いではない(ちょっとやりすぎだとは思うけど)。話があちこちに飛んで、肝心のストーリーがあまり進まない印象。ストーリーを追うよりも、主人公の悔恨とノスタルジーに共感するのがメインなのかな。不穏で思わせぶりな記述が続き、息苦しさと緊張感が高まる一方。早く解放されたい。

  • 感想は2巻にて。

  • SFというよりは2000年前後のラノベだなぁと感じるスノッビーな語り口が読みづらい。その手の会話や語りに意味がないとは思わないが、さすがに1ページに何度も比喩や回りくどい表現を入れてくるのはちょっと多いかなと。なんだか時代を感じる。

    全体的な評価は下巻を読まねば下せないが、今のところはやや微妙。

  • この人の作品は蓬莱学園のやつしか読んでいなかったが、作調が実に蓬莱学園らしくて懐かしさを覚えた。間に入る辺里盆地地図が良いケレン味を出していて良し。かと思えばタイムトラベルから、カメラによる監視社会、地域通貨など社会的に先進的なものが取り入れられてSFらしさを失っていないのが良い。

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著者プロフィール

【新城カズマ・作】  生年不詳。作家、架空言語設計家。1991年『蓬莱[ほうらい]学園の初恋!』(富士見書房)でデビュー。『サマー/タイム/トラベラー』(全2巻、早川書房)で第37回星雲賞受賞。現在、大河歴史ロマン〈島津戦記[しまづせんき]/玩物双紙[がんぶつぞうし]〉を鋭意刊行準備中。

「2013年 『ドラゴン株式会社』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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