五人姉妹 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 252
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307776

感想・レビュー・書評

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  • SF界の加納朋子(ミステリ作家)だなぁ、と思いながら読んだら、文庫解説がまさしく加納朋子だった。
    美しいSF短編集。以前に読んだ「博物館惑星」が素晴らしかったので、他の作品にも出会えてよかった、図書館。
    「夜を駆けるドギー」が気に入った。「逝ってよし」「オマエモナー」をこんなに荘厳に使えるなんて笑える。

  • 大学受験の浪人してた頃、予備校の寮近くの京都南の市立図書館で見つけた本。
    表題作の切ない感じ、「賤の小田巻」の日本の伝統と近未来SFの融合、「夜を駆けるドギー」なんかも好きだったなあ。
    これで菅さんの作品を好きになりました。
    「永遠の森 博物館惑星」「そばかすのフィギュア」もいいです。

  • この方の話はノスタルジーとかせつなさとかが加わっていて、良いなぁ。

  • ズシリと来る読み応え。これが短編か? エスエフという括りがもどかしいほどに人間の内面をえぐる九つの掌編。
    短編の旨味を凝縮した表題作「五人姉妹」。迫り来る高齢化社会へのメッセージに満ちたヘビィな愛憎譚「賤の小田巻」。長距離恋愛と量子力学を絡めた「箱の中の猫」が特に良かった。
    巻末、加納朋子氏による登場人物の名前に対する考察も膝を打った。

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  • 『永遠の森 惑星博物館』の後日譚が収録されていると知り、さっそく読んでみました。

    ・五人姉妹
    表題作。
    本体に何かがあった時のためにスペアとしてクローンを作っておくという設定自体はちょこちょこと見かけますが、この話ではクローンの個性や人権が認められていて、それぞれに違った生き方が描かれていました。元は同じDNAなのに。
    本体なのに、葉那子が一番孤独かもしれない。特に湖乃美と会ってからの葉那子は、こうも生きられたかもしれないということを目の当たりにし多分、寂しさが増したと思う。

    ・ホールド・ミー・タイト
    出会い系サービス(?)に通ずるような仕組みを使ったラブコメ。ラストで胸が熱くなるいい話だった。

    ・KAIGOの夜
    介護ロボットが出てくる。介護する方ではなく、されるほうの。
    実は描かれているのは、人間が滅び、プログラムが統べる世界だったというラストは切ない。

    ・お代は見てのお帰り
    『永遠の森 惑星博物館』の後日譚。
    今回は主人公のバートと息子アーサーの親子愛。ひいてはバートとその親の親子の関係を描いたドラマになっている。
    本編より用語が易しめなのでするっと読めました。
    ミワコと旦那の仲良しぶりも垣間見えて満足。

    ・夜を駆けるドギー
    インターネット掲示板、およびその用語がバンバン出てくる。
    内気な主人公・HNコープスとHANZの友情。
    ライトノベルのようなテイストで読みやすく、きっちり〆られていてスカっとしました。

    ・賤の小田巻
    大衆演劇を貫く男が最後に選んだ道は、自分の映像を永久にAIに残すことだった。
    AIに残った姿は年も取らず変化をしない。それは芸術とは言えないのではないかと思う主人公に対し、大衆演劇を貫いた主人公の父は
    「歳を取らない人間は、もう人間じゃねえ。永遠てものに執着してこそ伝えられる、最も人間らしい真があるんだ」
    という。
    私も、人が「永遠」や「生」に執着する姿が最も人間らしいと思っている節があります。DNAに刻まれた本能の一番大事な部分なので。だから、そこにしがみつくのは一見賤しく見えても、実は一番美しいのではないかと。

    ・箱の中の猫
    時空の狭間に巻き込まれてしまったISSの中の恋人と主人公の間で、少しずつ時間のズレが生じて行く。時間のズレという絶対的な壁に阻まれた切ない話。
    なんというかもどかしいし、主人公の彼氏が、仕方ないとはいえ別の彼女選ぶとかちょっと酷い……。
    シュレーディンガーの猫理論を使おうと使うまいと、彼氏の心変わりは防げんよ(断言w)。

    ・子供の領分
    森の奥にあったのは、完璧なロボットを養成する施設だった。

  • それぞれに設定の違う短編ばかりなのですが、
    すれ違う思いというか、かみ合わない思いというか
    それぞれがお互いの事を考えているのに
    伝わらないジレンマが最初にあって
    結構毒を含んでいたりする。
    でも、優しさとか切なさが後から込み上げてくる感じです。
    伝わった時に主人公達が感じるものが何なのか。
    ただ、それが幸せであって欲しいと思わせるのですよ。
    近い将来、現実に起こりそうなお話ばかりでした。

  • 表題作を含む短編9作。
    SFなのだけど、べースにある悲しみというか切なさみたいなものが、奥底の琴線にふれる。

  • バイオ企業を率いる父によって、成長型の人工臓器を埋め込まれた葉那子には、臓器スペアとして4体のクローンが用意されていた。やがて無事に成長した彼女は、亡き父の想いをもとめ“姉妹”との面会を果たすが…クローン姉妹の複雑な心模様をつづる表題作、『永遠の森博物館惑星』の後日譚「お代は見てのお帰り」など、先端科学が生みだす心の揺れを描いた9篇。“やさしさ”と“せつなさ”の名手による珠玉の作品集。


    SFのジャンルになるのかな。近未来の世界を描いた短編集でした。優しい物語もあれば、ちょっと切ない物語もありましたが、どれも鮮やかに情景が浮かんできてキレイな1冊でした。私が気に入ったのは「夜を駆けるドギー」でした。

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著者プロフィール

1963年生まれ。SF作家。2015年、『放課後のプレアデス みなとの宇宙』のノベライズを上梓。他の著作に『おまかせハウスの人々』『プリズムの瞳』など。本作がはじめてのビジュアルブックとなる。

「2016年 『GEAR [ギア] Another Day 五色の輪舞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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