太陽の簒奪者 (ハヤカワ文庫JA)

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  • 早川書房 (2005年3月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784150307875

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

異星文明との接触をテーマにした本作は、2006年に水星から出現した物質によって太陽にリングが形成され、人類が絶滅の危機に直面するという衝撃的な設定から始まります。主人公の白石亜紀は、この危機を救うため...

感想・レビュー・書評

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  • 2006年、水星から出現した物質により、太陽にリングが形成された。このリングにより、日照量が激減し人類は絶滅の危機に瀕する。主人公 白石亜紀は、異星文明へのあこがれと人類救済のため宇宙艦に乗り、リングの破壊ミッションに挑む。

    太陽の簒奪者(さんだつしゃ)は2002年4月に刊行されたハードSF小説です。刊行は20年以上前なのですが、そのプロットのため非常に興味深く読めました。近年、話題になっているSF作品のアレ※1とアレ※2にそっくりじゃーんとなります。分量もちょうどよく、非常に楽しめます。

    まず「なぜリングが作られたのか?」というホワイ・ダニットが楽しめます。そして徐々に「なぜ」が解決されると、さらなる謎がやってきます。風呂敷の広げ方も程よい大きさになっているので、安心できます。風呂敷広げるだけってねー。ストーリーテリングが非常に上手く、心地よく感じました。

    ここ最近に出たアレ※1とアレ※2を読んだ方は、本書を読むと楽しいと思います。こんな素晴らしい作品が20年前に日本から出てたなんて。




    ~~以下に注釈について書きます。でもみんな分かるよね?~~


    ※1 プロジェクト・ヘイル・メアリー。これは本書のタイトルからすぐに分かる。
    ※2 三体。本書の後半は長時間かけてやってくる異星文明とのコンタクトの話。

  • 西暦2006年、太陽面を通過する水星から謎の細長い物体が突き出ているのが観測される。それは、未知の知性体(?)が水星上に構築したマスドライバーから吹き上げる巨大な噴泉だった。水星を原材料に宇宙空間に吹き上げられた物質はやがて太陽の周囲を取り囲む巨大なリングを形成し、地球は日照量が激減したために文明崩壊の危機に陥る。
    2006年の水星太陽面通過を正に観測していた天文学好きの女子高生・白石亜紀は、リング研究の第一人者として成長し、国連宇宙防衛軍が建造した宇宙船のクルーの一員としてリング破壊計画に参加することになる。しかし、亜紀が真に望んでいるのは、リングを建造した未知の存在とのコンタクトだった。地球人類の存続と未知の存在への憧れとの狭間で揺れながら、様々な困難に直面する亜紀がリングで発見した真実とは?そして、リングを建造した存在の思惑とは?

    直球ど真ん中、ファースト・コンタクトをテーマとしたハードSF。いかにもハードSF的な理系の描写も多く見られますが、ロジカルなところが多少わからなくても読み進めるには問題ありません。スピーディでサスペンスフルなストーリー展開にぐいぐい引っ張られて、あっという間にラストまで引き込まれます。

    【以下、ネタバレ注意!】
    タイトルから推し量って、太陽を取り巻くリングを破壊することがこの物語の最終目的なのかな、と思って読み進めたんですが、それは通過点に過ぎませんでした。
    メインのストーリーはその後、リングの目的が「太陽系に向かってレーザー航法で飛んでくる異星人の大型宇宙船を減速させるための装置」であることが判明してから、異星人とどう対峙するかを巡って混乱紛糾する地球を舞台に繰り広げられます。リング破壊の立役者としてノーベル平和賞を受賞しすっかり大物となっている亜紀は、かねてからの夢であった異星人とのコンタクトを実現させるために「リングを日照を遮らない角度で再建して異星人を友好的に迎え入れる」という提案をしますが、異星人の接近に恐怖を抱く多数派に遮られ、次第に追いつめられて行きます。そんな中、ついに異星人の船と思われる飛行体が観測されます。
    このとき、異星人の船がレーザー航法ではなく、核パルス推進航法を採っていることが判明します。その意味するところがわかったとき、鴨は鳥肌が立ちました。このサスペンスフルな感動は、ハードSFならではですね!
    ハードSFならではの、理論に根ざしたスケールの大きいビジュアルも見所の一つ。太陽を取り巻くほどの大きさでありながら、光の圧力によって太陽の重力と均衡するほど薄く柔軟なリングの圧倒的な描写。実利に徹底化して建造されたため無骨な外観でありながら、不思議と魅力的な宇宙船「ファランクス」。映像化したら最高にカッコいいだろうなと思わせる、「絵になる」描写がてんこもりです。

    ・・・と、ハードSFの側面から語ってみましたが、鴨が本作品で一番魅力的に感じたのは、主人公・亜紀の人物描写。
    確かに、他の文芸ジャンルに比べたら人物の描き方はあっさりしています。内面の感情を直接に描写することはほとんどありませんし、亜紀自身がそういう性格のキャラクターです。
    しかし、そんな淡白な筆致の行間からでも十分ににじみ出る、「地球人類の一員としての自分」と「異星人と友好関係を築きたい自分」との間で引き裂かれそうになり苦悶する亜紀の、魂の相克。彼女の願いは、結局叶わずに終わります。それでも前を向こうと決意する亜紀の姿と、更にその先を静かに描くラストシーン。この作品は、白石亜紀という一人の科学者の一代記でもあります。「人間味が感じられない」と評されることの多いハードSFというジャンルにあって、なかなか異色な作品ではないでしょうか。

  • 「時間封鎖」に似た設定でまず引き込まれ、後はファーストコンタクトまで一気。スピーディーな展開で非常に読みやすかった。

  • 日本人のハードSFには期待していなかったのだが、意外におもしろく久しぶりに一気読み。主人公の成長訓練の過程や人間関係を濃密に書き込めば3倍のボリュームになるのに。アメリカSFならそうしているはずだ。ファーストコンタクト、ナノテク、非適応的知性、などもっと書き込んでほしいもの。でも、そのぶんスピード感を味わえるので微妙なところか。

  • 第102回天満橋ビブリオバトル テーマ「人外」で紹介した本です。
    チャンプ本。
    2019.5.15

  • 最高のSF作品。超おもしろかった。必ず、もう一回読む。

  • プロジェクト・ヘイル・メアリーと似たような設定から始まる物語

    読み物としてはプロジェクト・・ヘイル・メアリーの方が面白かったが、読後に色々と考えることはあった

    進化のとは何か、そんなことを考えさせる物語

  • #28奈良県立図書情報館ビブリオバトル「夜」で紹介された本です。
    2013.5.18
    http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-952.html?sp

  • 「トップを狙え!」が見たくなった。宇宙スケールでランデブーや攻撃に時間がかかったりする展開がたまらない。Terra Invictaというゲームでも描かれる、異星人が来るまでに地球人の意思統一で悶着するという流れも好きです。

  • 王道も王道のテーマを扱ったSF。
    ファーストコンタクトものでありながら、ミリタリーな興味に頼らず、思考として面白さを表現できたのは近年のAI研究などの成果があってこそとしても最高のエンターテイメントであると感じた。主人公が科学者の女性であったことや時間経過も含めて描くことで物語に落ち着きを与えており、独特の余韻を残すこととなったと思う。

  • 再読。スケールの大きさにワクワクする。人物描写が最小限なのは物足りないが、それがテンポの良さという長所を生んでいるので表裏一体か。

  • もう、この手の本は圧倒的に好き。
    幼少のころから本好きではあったが、社会人の一時期は読書の習慣から離れていた。その後、ポツポツと復活したときに手にした一冊が、野尻さんの「沈黙のフライバイ」。「なんて面白い短編集なんだ!!」と感動して、親や友人に貸してみたが、そこまでの反響は得られず。しばらくして、「自分はSFというジャンルが人よりかなり好きなんだ(思い返せばガンダムとかも超好きだし)。」と自覚するに至る。
    前置きが長くなったが、そんなSFとの出会いの一冊をプレゼントしてくれた野尻さんの代表作。いつか読みたいと思いながらはや15年ぐらい?ついに手を取ったが、やっぱり面白かった。
    テンポよく進むストーリーの中にちりばめられたいくつもの科学トピックにページを繰る手がとまらなかった。最後、「ん、この宇宙人は結局何だったんだ」というところはやや消化不良であったことは否めないが、それはそれとして、人類や宇宙探索への未来に対する思いが否応なく掻き立てられた。

    幸い、老衰まで生きることができれば、あと30年から40年程度の余生か。
    生きているうちに地球外の知的生命体に合うのはよほどの幸運がない限り困難なのかもしれないが、月や火星への入植、太陽系における他の生物の発見ぐらいまでは見届けたいな。
    そんなことをみんなが夢見れるようになれば、世界だってもっと平和に、もっと住みやすくなるとのにね。

  • ハードSFとして緻密な描写がされていてとても気持ちの良い作品。ファーストコンタクトモノとして、最後はご都合主義的な展開があるものの読後感が非常によく、何度も読み返してしまう名作。

  • 星雲賞

  • スペシャルサンクスの多さに驚いた。やはりこれだけ綿密な科学的な展開、情景描写をしようと思ったら、それだけ専門家の意見が必要となるものなのか。本書でいちばん気に入ったのが、やはり高次元の知性体であるビルダーの意識だ。種族全体で意識を共有している彼らは、自分の意識について自由にコントロールできない。しかし不慮の事態で意識の結合が解けた場合は、適応的な(自然物としての)人間とコンタクトできる。しかしその独立した意識も、やがて高次元の意識へと回帰して、人間の意志を認識できなくなってしまう。そういうあり方が非常に面白かった。

  • ハードSFの常としてキャラクターが弱いし、ご都合主義ではあるが、次々と繰り広げられる華麗なイメージはそれを補ってあまりある。エイリアンが重力井戸である惑星に拘泥する生命体に宿る知性を無視したのはやむを得ない(万能のナノマシンに冗長度を付与し暗号化すれば外部から手出しできなかったろう)、それがあまりにも敵対的でコンタクト不能とされたというのも、悲劇的だがありそう。すなわち幕末の幕臣の、西欧人に対峙するイメージか。アメリカSFには集合的知性と個人主義との対決は悲劇的に終わることが多い、対比して極めて日本的結末

  • 太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)

  • ああ、王道のファーストコンタクト物って久しぶりに読んだけど、まだまだ新境地があったのね。SFっていいわあ。SFが加賀くん可能性を指摘し、科学が発達したらまたSFも新たな地平が開かれるので、SFも科学も進んで欲しいところ。ところで、沈黙のフライバイ、南極点のピアピア動画 、ふわふわの泉(再刊)、そしてコレと読んだ順番がアレになってしまった(^^;

  • 10:水星に突如として現れた謎の建造物、それが誰によって、何のために造られたのかを解明するところから異星人とのファーストコンタクトまでが、丁寧に描かれています。異星人ビルダーの正体は先日読んだ「ハーモニー」にも通じる部分があり、決して難しくないながらも想像を超えており、まったく圧倒されます。専門用語は理解できないながらも、2002年に発表されたこの作品がいま現在もリアリティを失っていないことに驚愕。
    「沈黙のフライバイ」よりも若干ハードな印象でした。いや、面白かった!

  • 野尻抱介の本を最初に見かけたのは子ども部屋で「ピアピア動画」という題名と表紙絵で引いてしまっていた。
    しかし「沈黙のフライバイ」が好みにハマったので手にしたのがこれ…面白いじゃないか!( ゚Д゚)
    クレギオンってシリーズも読んでみたい。

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