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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784150307882
感想・レビュー・書評
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物語の舞台は、20年前に守口市を中心に半径約6kmの範囲に渡り隕石のシャワーが降り注ぎ、壊滅的な打撃を受けた近未来の大阪。隕石落下地点からは謎の奇病「麗腐病」が蔓延し、落下地点近辺は厳重に隔離された危険指定地域「D・ランド」と呼ばれている。肉声を使わずコミュニケーションを取る若者たち、着るだけで外見だけでなく体型すらも変えてしまう全身スーツ、触覚を拡張する違法ドラック「ネイキッド・スキン」・・・退廃的かつ刹那的な快楽に満ちた異形の大阪に、彗星のように現れた天才的デザイナー・七道桂男。カリスマ的魅力を持ちながら悪い噂も絶えない彼の周囲で、様々な事件が起こり始まる。桂男の身辺を調査する謎の男や桂男に心酔する少年、気弱な探偵や訳知り顔の女。掴みどころのない謎に近づいて行く彼らの前で世界は加速度的に異形の度合いを増してゆき、そこに立ち現れるのは「傀儡后」と名乗る異形の女だった。桂男の狙いは、そして傀儡后の正体は?危険指定地域では何がおこっているのか?
これはひどい。 ←注:褒め言葉ヽ( ´ー`)ノ
ストーリーとしては破綻している、といって差し支えありません。謎が回収し切れていませんし、キャラクターの人物造形が首尾一貫していませんし、やたらアクの強いキャラ設定をしている割にはそれを生かし切れていません。登場する様々なガジェットの唐突感、派手な割にその後に繋がらない収まりの悪いエピソード、ストーリー展開上たいして必要性を感じない少年愛・性転換・アブノーマルなエログロ描写。何と言うか、作者の趣味がダダ漏れしている怪作です。
こうして印象を列挙してみると、ちょっと手に取る気にはなれそうにないのですが(^_^;、意を決して読んでみると、これが面白い!
ストーリー上の収まりの良さや納得感を期待しては行けません。そういう意味で、この作品は「SF」とは言えないかもしれません。が、そもそもストーリーはあって無きが如しの作品です。冒頭からぐいぐいと押してくるイメージの奔流、悪趣味全開でユーモアすら漂ってくる超個性的な筆致、そして特筆すべきは絢爛華麗でビジュアル感溢れる肉体感覚の描写。こうした雰囲気を楽しむのが、おそらくこの作品の正しい楽しみ方。ストーリーは二の次ではありますが、テーマは明確です。この作品は、「皮膚と世界を巡る物語」。自己と世界を峻別するツールとしての皮膚に着目する、その発想はまさにSFそのものです。
こうして印象を文章化してみて、改めて気づきました。これ、ワイドスクリーン・バロックそのものですね。
細かいことはつべこべ言わずに、イメージとアイディアの奔流に飲み込まれて気持ちよく酩酊せよ!というタイプ。扱われている題材自体は決して好きなタイプの作品ではないんですけど、忘れられない作品になりそうですわ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
所々詩的な表現を使う為か、物語の輪郭がかなりぼやけてしまっていて、いまいち何が描きたかったのか、さっぱり解らなくなってしまったり。その割には世界観やキャラクターは骨太な印象で、いい意味で迷える一作。
最後の一ページまでじっくり読んでしまったのですが、
うーん…面白いとは言い難い。それもいい意味で。 -
隕石が堕ちて受精した胎動する街の物語。
繋がりたい触れたいという欲望を振りかけ暴力と狂気と血肉と汚泥を掻き混ぜ踏み潰しペースト状にした混沌のなかに・・・狂おしい美しさがあります。
フェティッシュな身体感覚に陶然とした気持ちになりました。
これは耽美小説なのです。 -
なかなかに感想を語りづらい作品。
ただし、とても面白かった。
過程でしかないような場面はひとつもなく、あらゆる場面が強烈なヴィジョンと灰汁の濃すぎるキャラで描かれてるせいで、常に刺激的。
最終的に、なんでこんなことに……と考えそうになるほど異世界に連れてこられるが、支離滅裂なわけでもなく、それまでの情報や謎は終点で交わる。
ギトギトでありながらも独特の美学が濃密に漂うこの感覚を、自分は味わえてよかった。 -
私が読んだのはこんな表紙じゃなかったぞ。
それはともかくキモいが誉め言葉になる作品。
キモいよ。気持ち悪くて気色悪いんだ。
この表紙の絵柄で想像するとよりキモいかもしれない。
ただあれこれ設定は面白いんだけど話自体はイマイチ。パワー不足ってわけじゃないけど暴走した内容をねじ伏せるだけのパワーが足りなかった感。 -
正直、評価できない…本の装丁が悪かったのか、読んだページから外れてしまい、結局最後はバラバラになってしまった
SF大賞受賞作らしいけど…あまりに内容が飛躍し過ぎていて、ついていけてるかわからない -
とんでもない飛んだSF小説でした。なんでもありでてんやわんや。繋がりも伏線もとっちらかり放題で、だれかが見てる夢の中身を頭かち割ってのぞいてるような感覚のSF。
もう、収集つかないよ。これ。の世界。
面白くないとか面白いとかじゃなくて、もう脈絡なく好き放題に話が進んでドンと終わる感じで、疲れる。読んでて。
SFってこんなんだったかな、、、と、思う。
ついでに、作者自身のあとがきがまた長い。なんかクドイ。もういいよ、引っ込んで!ってくらい、小説終わってからの作者のあとがきしつこい。
一番面白かったのが、おすすめするSF小説のキャスターだかが書いたあとがきでした。 -
衣服をテーマにしているのは『カエアンの聖衣』に似ているが、こちらは自分と皮膚と衣服と外界との境界、その感覚についてより深く描写されている。
近未来で使われているSNSやコミュニケーション手段などは、まだスマホもない時代でも未来予測として読むと面白い。でもストーリーはいまいち楽しめなかった。
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表紙× イラストやめてほしい
日本SF大賞?
コミュニケーター
ネットでしかつながらない
→神経(大きな)
ネイキッドスキンで拡張された感覚世界でミシマとつながるハコダラ
桂男、途中で消えて(第一章のみ)、ラストでいきなり
美香=男=なに?
連載なのでストーリーばらばら
ラストはエヴァっぽい
ギミック、設定、キャラはとてもいいのだがストーリー×
ラスト1/3は義理で読んだ
皮膚と触覚の話というのはわかるが……
MOUSEの作者とは思えない。P73 共感覚の描写はさすがだが。 -
カオス。最初っから最後までよく分からなかったし、唯々グロテスクな悪夢を見せられた感じ。私には合わなかった。再読はキツイ。
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あとがきが好き
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なんだか(自分の気持ちが)盛り上がらないままに終わってしまった…
キャラを使って世界に起こった顛末を描く物語だから、キャラの行く末にカタルシスとか求めちゃだめなやつ?
解説に出てきたのは『カエアンの聖衣』
そこから更に連想『キルラキル』
「衣服」にまつわる物語。 -
面白いが、ついて行けなかった。読む人によっては、もっと評価が高そう。
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皮膚とは?相手と気持ちを通じあい触れ合うとき、絶対的な膜となり結合を阻止する皮膚とは?
SFあんまり知らない頃に読んだけど、閉鎖空間好きだったんでめちゃくちゃ面白かった。 -
『MOUSE』を買って、面白そうだったのでこちらも買ってみたもの。
単行本は2002年に刊行。思ったより前の作品で驚いた。
『意識がひとつになる』『世界が変容する』というのは著者が多用するモチーフであるが、『傀儡后』はそれを突き詰めた長編であるように思う。
生々しい割に非現実的な描写が面白い。『MOUSE』と『楽園の知恵』でも感じたことだが、牧野修作品では、モチーフやテーマは割と普遍的なものが用いられている反面、表現の仕方がかなりユニークだと思う。 -
牧野修ワールド全開でもう何が何だか。中盤までは夢中で読んでいたんだけど、さ、最後までついていけたひといるのかな……?
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いつか読み返さなくてはならない.しかし,読み返すのが億劫である.
読み返さなくては,と思ったのは,巻末の解説を読んだからである.
私にとっては,何とも,難しい内容だった.
ただ,よく分からないが,面白かった.
皮膚というものに対する考え方を改めさせられた作品.
そんなレビューでした.改めて,要再読. -
(※ネタばれ注意)
第23回日本SF大賞受賞作のテクノゴシックSF。
テクノでゴシックでSFって、何だそれ。
「隕石落下によって異形の街と化した大阪。ここを中心に、五感で世界と融合するドラッグ「ネイキッド・スキン」や、全身の皮膚がゼリー化する「麗腐病」をめぐり、変容していく人の意識と世界が醜悪かつ美麗に描かれる」(文庫版あらすじ)
うーむ、何が描きたかったのか、最後まで読んで結局わかりませんでした。
桂男が傀儡后で、世の生物を全部ピンクの泥と化して一体化させて、月まで登って何すんの?
何百ページもかけて、結末がこれかぁ・・・。
なんだかハッタリに次ぐハッタリで終わってしまった感じ。
でも私はジジコンですので、蓮元&夷コンビは非常に好ましかったです!
漫才みたいなやりとりも、権力と大金を投じて行われる悪行三昧も、夷のあっけない死と蓮元の最後の言葉が「えびす・・・」だった事もみんなLOVEです!
腐女子は絶対に若かりし頃の蓮元&夷でストーリー考えますよ!(←偏見に満ちた願望)
この2人が出てくる場面は面白かったです。
あと出だしのナイロン誕生秘話みたいなトコ(ナイロンの生みの親・ウォーレス・ヒューム・カロザースの回想)は期待を持たせる上々のイントロになっています。
出だしがよかっただけに、内容が伴わないがっかり感は倍増でした。うーん、残念。 -
3ヶ月くらいかけてゆっくり読んだ記憶があります。
個人的に麗腐病の症状がかなり好きです。
世界観がもう素敵すぎです。SFに惚れた瞬間でした。
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