川の名前 (ハヤカワ文庫 JA カ 9-1)

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150308537

感想・レビュー・書評

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  • とんでもないことをしでかす小学5年生がいたもんだ。
    あまりに危険で、あまりに常識はずれだが、羨ましさを感じるところもある。一つの川の近くに暮らす人々、それを取り巻く人々。あるものは、ペンギンを保護しようとする。あるものは、ペンギンをお茶の間の話題のタネにショービジネスのネタにする。また、あるものは保護するでもネタにするでもなく、真剣に向き合い、自分の生まれや未来について、世界について思いを馳せる。
    川は同じなようで刻一刻と変わり続けている。そして、自然の中に生きる人間もそうである。ペンギンという小さな存在が、人生を大きく変えていく。
    世界に出ようとするということは、自分の足元を固めることでもある。この本に出会えて、自分の足元をしっかりと見つめることの、大切さを知った。

  • 小5男子4人の夏休みペンギン騒動。

  • まあこれも、少年文学の王道にのってはいるけれど、ちょっと少年には難しいなんやかやもあるのかなあと思ってみたり。

  • 20140301読了。
    自分が子どもの時、身近な自然と共に育っただけに、子どもの側から見た大人たちの身勝手さがよく理解できた。
    郷愁を誘う懐かしさや、自分が子どもの時にできなかったことをカワガキたちがやり遂げていく羨ましさ、そして、大人が思っている以上に子どもは子どもなりの論理を持っていることに共感を覚えた。
    ラストの納め方はちょっと…賛成できない。

  • 正しいことは常に正しいとは限らない。自然界と付き合うには、自然界のやり方に従う。正義感なんて、一つの個人的主観に過ぎない。本当に相手のためになること、それが他の相手にどう影響あるか。近郊を破るにはそれなりのリスクがあるよね。

    なんて、そこまで深い話ではないですが、自然との付き合い方みたいなものをこの本が少し教えてくれます。子どもは自然と戯れて、自然の良さを知るのです!

    子どもが主人公なので、大人、特に親が悪者になりがちなのと、クール優等生キャラがどうも親しめないのが、読んでて微妙だったりするのですが、まぁ、それは個人の感想。ストーリー全体としては、テーマがしっかりしてて読みやすいです。

  • 久々に『手に汗握る』YAを読んだ! ずっと低音域を這ってゆくようなものばかり読んでいたので、ああこれだよなあひと夏の冒険はこうでなきゃ! と思った。小学生の夏休みにぜひ。

  • 小学校のころ、近くに小川や大和川で遊んだ記憶を思い出しました。

  • ぐんぐんと物語にのめりこまされてしまったお話です。そうだ、国家の前に地域だ、自分の存在する地名だ!と言う発想が面白い。そして4人の少年たちが本当に生きて存在しているような少年たちなのでほっとします。カワガキ!これからも存在して欲しい存在です。

  • 地元の小さな川から自分の居場所を見つけようとする小学5年生。小学5年生とは思えない構想力・行動力によって、地に足の着いた夏休みの自由研究を進めていく。

著者プロフィール

1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ勤務中、1995年『クジラを捕って、考えた』でノンフィクション作家としてデビュー。退社後、1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。小説に『せちやん 星を聴く人』『銀河のワールドカップ』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『雲の王』『12月の夏休み』など。ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン、日本人と出会う』『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』など、著書多数。現在、ナショナル ジオグラフィック日本版および日経ビジネスオンラインのウェブサイトで「・研究室・に行ってみた。」を連載中。

「2020年 『「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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