- Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150308537
作品紹介・あらすじ
菊野脩、亀丸拓哉、河邑浩童の、小学五年生三人は、自分たちが住む地域を流れる川を、夏休みの自由研究の課題に選んだ。そこにはそれまでの三人にとって思いもよらなかった数々の驚くべき発見が隠されていたのである。ここに、少年たちの川をめぐる冒険が始まった。夏休みの少年たちの行動をとおして、川という身近な自然のすばらしさ、そして人間とのかかわりの大切さを生き生きと描いた感動の傑作長篇。
感想・レビュー・書評
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私にとっては、夏に地元の広瀬川で遊んだ少年時代を思い出す一冊です。和製スタンド・バイ・ミー。自然が好きな少年にぜひ読んでほしいです。
F.Y.先生詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
夏休みの自由研究に野生のペンギンの観察をする。それだけ聞くと荒唐無稽ですが、そこにリアリティという説得力を持って来るのがこの作者のすごいところでしょうか。
夏と少年の物語。少年たちはそれぞれ家庭の事情があり、越えるべきものを抱えている。重苦しくなく軽やかに、それぞれの挫折と成長が書かれています。子どもだからできないこと、子どもだからこそできること。大人の関わりは干渉となり手助けとなり。はじめ小学5年生という設定はこの物語のテーマに対して幼いのではないかと思いましたが、その幼さがもつ無茶が起爆剤として素敵に作用していました。
物語の内容についてはここでは書きません。何故なら読んで欲しいから。作品のタイトル『川の名前』は実にこの物語を表わす言葉なのですが、なかなか手に取ってもらいにくいだろうなとも思います。少年たちの煌めきに共鳴できる、そんな作品だから大人にも子どもたちにも読んで欲しい一冊です。 -
4人の小学5年生「カワガキ」の成長物語。キー・コードは川。現代の物語だが、郷愁を誘う。それはおそらく、作者自身が「喇叭爺」に象徴される、川から失われたものに強い愛着を持って作品を書いているからだろう。終章は予想通りではあるが、さわやかな印象と読後感を残す。
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川の名前 (ハヤカワ文庫JA)
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2018.2
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「子どもを本好きにする10の秘訣」>「生き物・自然」で紹介された本。
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うーーーん。いや、少年たちの冒険物語として面白くないわけではないし、川とか自然とか報道の問題とかその辺も著者の思いが伝わる割と中身の濃い感じのお話なんです。 でもねえ…やっぱりいくら何でも非現実的過ぎる。子どもたちが大人もビックリする程わかってる・見えてる部分とそうじゃない部分を併せ持つ存在である事は考えてもどうにも”大人の”もっと言っちゃえば”作者の”目線としか言いようがないものが混じりすぎる。あと林間学校の運営とかあんなの絶対ありえない。報道の暴走部分でもいくら何でも子どもにあれはさせないってのあるし。その辺が色々合わさって物凄く非現実的に仕上がっちゃったのが残念。
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川端裕人の初読み。
児童文学かと思いながら手にとってみた一冊。
冒頭。
恐竜を発見?うん、やはり、ファンタジーだね・・・と思いきや、読み進めるとすぐに、そうではないと分かる。
青春モノ・・・と呼ぶには登場人物たちは幼いし、少年達の冒険譚と言い切るには、リアリティもあるしテーマ性も深く感じる。
・・・と言いつつも、この物語を一言で表すならやっぱり、「少年達のあるひと夏の冒険」ということになるのだけれど(笑)。
子を持つ親としてはありえない冒険だけれど・・・・最後の大冒険はやっぱり「トンデモ」に違いは無いけれど、そのバックボーンとなる事前設定は示されているので、そんな「トンデモ」な展開にもそうそう大きな違和感はなく物語に没頭できる。少年期特有の悩みと、友情、苦悩からの脱皮など、忘れかけていたような懐かしい気持ちをたくさん蘇らせてくれるこの本を、声を大にして「名作だ」と呼びたい。
大人にも子どもにも読んでほしいと思える一冊。
活字の苦手な子どもでも楽しめるように、映画かアニメかになって、より多くの人の目に触れてほしいと思った作品。
★4つ、9ポイント。
2016.11.07.図。
※夏休み終盤の風物詩となっている(?)皆が紫のTシャツを着込んで24時間生中継する番組って・・・(笑)。
※カルガモ親子の行進、矢ガモ、玉川のアザラシ・・・現実世界でも似たような騒動は何度か目にしてきたが、その裏でも実は、本作で描かれたような報道モラルを問われかねない問題が勃発していたのかもしれない、と思ってみた。
※自分の「川の名前」は、何だろう?
「寝子屋川」かな、「荒川」かな。 -
後半の疾走感がよかった。
自分の川の名前を知りたいと思ったよ。 -
小学5年の夏休み。たぶん子ども時代の最高峰。
この黄金の時間を、川を切り口にしつつ、個性的な男子3人組+優等生+奇妙な爺さんを軸にして、オカルトもファンタジーも一切ぬきで奇跡的な物語に仕立て上げた作者すばらしい。
自然の描写、川というものに関する深い考察、カヤック競争の様子、美味しいネタをハゲタカのように漁るマスコミ陣のありさま、いずれも膨大な資料や知識を元にしていると思われ、たいへん好感が持てた。
子どもたちの内面も丁寧に描かれていて、やはり良い感じ。5年生といえば、ちょうど自我が主張を始める頃で、自分の「こうありたい」気持ちと周囲からの視線との齟齬に気づき、いろいろ悩むものなのだ。
面白くて魅力的な男子がそろっているが、なかでも鳳凰池の主っぽい風格を持つ「河童」くん、最高。 -
多摩川の支流の支流の小さな保護池でひっそりと暮らすペンギンの夫婦を発見した少年達が、夏休みの自由研究で彼らの観察をする事を思いつく。平和に思われた日々もある時にエサを探して狩りに出た雄ペンギンを見た人からマスコミに漏れ、一大騒動に発展するのだった。
少年たちが輝いてい過ぎて、自分の青春とはかけ離れていますがそれでも川に惹かれて、自分たちの居場所と自然をリンクさせて飛び込むあたりは自分の中にもあるものだったので共感しました。野田知佑氏の提唱するカワガキを増やす運動にまさに通じる所があり、自然の未来を明るくするためには、自然を好きな大人を養成していくしか方法は無いんだと思います。
この本はある意味物語性よりもその辺りの啓蒙要素が多い気がします。僕は好きですが人によっては説教臭く感じるかなあ。 -
小5男子4人の夏休みペンギン騒動。
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道路、線路の表示がない地図で川を辿りたくなる。
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これまで長期の休みは写真家の父と海外で過ごしていた小5の脩。桜川で不思議な生き物(実はペンギン!)を見つけ、夏休みの自由研究の題材として観察を始める。
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まあこれも、少年文学の王道にのってはいるけれど、ちょっと少年には難しいなんやかやもあるのかなあと思ってみたり。
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20140301読了。
自分が子どもの時、身近な自然と共に育っただけに、子どもの側から見た大人たちの身勝手さがよく理解できた。
郷愁を誘う懐かしさや、自分が子どもの時にできなかったことをカワガキたちがやり遂げていく羨ましさ、そして、大人が思っている以上に子どもは子どもなりの論理を持っていることに共感を覚えた。
ラストの納め方はちょっと…賛成できない。 -
小学校5年生のごく普通の少年たち4人が主人公です。(解説には菊野君と
亀丸君と河邑君の3人となっていますが、手嶋君も主人公の一人だと思う。)
主人公たちは、
自分の居場所がわからないという悩みを持っています(悩みの大きさに大小はありますが)。
それを解決するためには、自分の立ち位置を知ることが必要なのですが、
そのための出発点として「川の名前」という概念を紹介しています。
例でいうと、
大宇宙の、太陽系第3惑星地球の、日本列島の本州島の関東平野の多摩川水系のXX川に住むわたし、ということになります。
日本国の東京都のXX区のXX町1丁目に住むわたしという概念とくらべたら、
違いは一目瞭然でしょう。
ここを出発点に、ひと夏の経験(ペンギン・サマー)が彼らを成長させます。
自然とのかかわりをバランスよい視点で描いていると思います。
自然保護万歳じゃないのが気に入りました。
(250グラムのステーキとか黒毛和牛の焼肉をがんがん食いながら、自然についてえらそうなことを言ってると、神様の天罰があたりそうだから・・・)
喇叭爺は、RPGのゲームにでてくる仙人やね。
一見何言ってんだかよくわかんないんだけど、
この人の言っていることの意味をつかむことがイコール物語の全体像をつかむことになる、
って気がする。
2010/10/31 -
割合ファンタジーぽいのかと思ったら、意外にしっかりした内容。
小学生のとき、こんな夏過ごせたら楽しいやろな~。
ゴム丸も河童も手嶋もどんどんいいキャラになるし。
微妙な年頃の感性を捉えた感じで読み応えあった。 -
正しいことは常に正しいとは限らない。自然界と付き合うには、自然界のやり方に従う。正義感なんて、一つの個人的主観に過ぎない。本当に相手のためになること、それが他の相手にどう影響あるか。近郊を破るにはそれなりのリスクがあるよね。
なんて、そこまで深い話ではないですが、自然との付き合い方みたいなものをこの本が少し教えてくれます。子どもは自然と戯れて、自然の良さを知るのです!
子どもが主人公なので、大人、特に親が悪者になりがちなのと、クール優等生キャラがどうも親しめないのが、読んでて微妙だったりするのですが、まぁ、それは個人の感想。ストーリー全体としては、テーマがしっかりしてて読みやすいです。 -
久々に『手に汗握る』YAを読んだ! ずっと低音域を這ってゆくようなものばかり読んでいたので、ああこれだよなあひと夏の冒険はこうでなきゃ! と思った。小学生の夏休みにぜひ。
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主人公が川でペンギンを見つける。ペンギンの観察を通して、川について知り川餓鬼になる。面白い。作中に出てくる桜川は創作らしいけど、ウチの近所にある野川などが出てきて話が身近の感じられたのも大きい。自分も常に側には川があったなと感じられた。
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小学5年生の彼らは夏休み直前、
街中の川であるものを見つける。
やがて彼らの冒険は小さなものから
大きなものへ、そしてその夏は
彼らを大きく成長させる夏になる。
自然と人間との微妙な距離感を
描きつつ読み手に過ぎた時間を
振り返るきっかけをくれる作品。 -
川端さんの本で初めて手に取ったのがこの本。
これ、いい本です。
男の子はみんな読めばいい。 -
20110317 楽しめた
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今まで川の近くに住んでいたのに、まったく川に対して関心がなかった。しかしすべての川は海につながっていて、海は世界とつながっているのだと、当たり前のことがとても実感できた一冊です。
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どうしよう。今これを書くにあたって他の人の本書に対する感想をざっと見てみるとみんな評価が高いじゃないか。。。どうしよう。
というのも実は私この本をまだ読み終えていない。
もうだいぶん前に手にとって読み始め,後半で放り出してしまったままになっているのだ。
テーマも嫌いなジャンルではないし,決して面白くなかったわけではないが,どうも意思が続かなかったというか興味が続かなかったというか・・・・。
この本を途中で放り出してからもう一年以上たつが,実は最近同じ作者の「星と半月の海」を読んだ。これは短編集なのだがこの中の1つに「本当のペンギン」(だったかな?)という短編があった。こちらの方があっさりとしていて,読みやすいし,情緒もあって私は好きだ。
そういうわけで評価が低いが,本作のファンには申し訳ないが,個人的な主観に基づくものとしてご容赦願いたい。 -
【あらすじ】
菊野脩、亀丸拓哉、河邑浩童の、小学五年生三人は、自分たちが住む地域を流れる川を、夏休みの自由研究の課題に選んだ。そこにはそれまでの三人にとって思いもよらなかった数々の驚くべき発見が隠されていたのである。ここに、少年たちの川をめぐる冒険が始まった。夏休みの少年たちの行動をとおして、川という身近な自然のすばらしさ、そして人間とのかかわりの大切さを生き生きと描いた感動の傑作長篇。
【感想】
面白かった。