からくりアンモラル (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.64
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本棚登録 : 242
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150308964

感想・レビュー・書評

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  • 切なさいっぱいのSF短編集。
    狭義のSFにこだわる人は受け付けないかもしれませんが、この作品におけるSFはギミックに過ぎないと思います。
    時に聖性すら帯びる小悪魔的な少女の媚態、ユーモアとエロスが織り交ざる独特の雰囲気など森奈津子が森奈津子たるゆえんがたっぷり堪能できる隠れた名作。
    収録作もバラエティーに富んでいて楽しめます。

    個人的に好きなのは「いなくなった猫の話」。
    場末の酒場の女(といっても十分若い)の回想から幕を開ける異色な冒頭からしてちょっと毛色が違いますが、淡々としながらもしっとりした艶を含む語り口にいつしか魅了され、拾った猫の子との間に愛情を育んでいく姿が目に浮かびます。

    「人生って、得ることと失うことの連続だと思わないかい?
    獲得と喪失の繰り返しって言えばいいのかな。
    形あるものはいつかは壊れるって言うじゃないか。
    それと同じだよ。
    手にしたものは、いつかは失う。
    愛した者とも、いつかは別れる。
    得たり、失ったり。それの繰り返しさ」

    少女は砕瓜を迎え大人になる。
    それは神秘に包まれた少女性を喪失し、「女」という別の生き物に生まれ変わる事。

    大きな喪失を体験した小夜の言葉に、森作品に通底した「喪失と再生」のテーマを見るおもいです。

  • あとがきにスタンディングオベーション。
    この作家は信用できると思った。

    『実は、この世の小説や漫画やアニメや映画やテレビドラマには、私の嫌いな少女が掃いて捨てるほど出てきます。
    弱くてバカで、自立していなくて、甘ったれで、すぐに涙を見せ、よい意味でのプライドに欠けていて、男に対する依存心が強く、危機的状況になるとすぐに悲鳴をあげ、怒るとヒステリーを起こし、たびたび第三者に偶然スカートの下のパンツを見られてしまう(自分の意思でパンツを見せるのなら、許してやるのだが)』

  • 短編集。SF。エロSF。恋愛。
    SF設定は、ロボット、タイムスリップ、吸血鬼、キメラ、記憶移植、共感能力、アンドロイド、記憶の共有など、さまざま。
    エロいし、SF設定ではあるけど、基本的には切ない恋愛がメインだと思う。
    なかでも特に切ない「いなくなった猫の話」が素晴らしい。
    「繰り返される初夜の物語」「レプリカント色ざんげ」もとても好き。

  • 思いの外エロいが青春エロなので趣味ではなかった…
    もう私は若くないのか…

  • 2回目

  • お笑い官能小説から入った身としては、この作者さんの切なくて痛い文体は新鮮でした。「一卵性」が特にお気に入りです

  • 中途半端なSF要素は寒いからあんまり無理しないでいいのに

  •  表題の作品は泣ける。
     基本的に割と良い話なのではないかしら。少しだけセンチメンタル。

  • タカノ綾さんの絵が正しいくらいはまっている。エキセントリックで、危うくて、懐かしい。

  • どの物語にも勢いがあって、一日で読み終えました☆
    だいぶエロチックですが、この作者様の文体はわかりやすくて好きです。
    親しい友達にオススメしてしまうかもしれません☆

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著者プロフィール

作家。1966年、東京都生まれ。作品に、「お嬢さま」シリーズ、『地下室の幽霊』(いずれも学研)など。

「2017年 『脇役ロマンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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