からくりアンモラル (ハヤカワ文庫JA)

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  • 早川書房 (2007年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150308964

みんなの感想まとめ

性愛をテーマにした短編集で、さまざまなSF設定を舞台に繰り広げられる物語が魅力です。タイムトラベルやロボット、吸血鬼、記憶移植など多彩な要素が盛り込まれ、エロティックな描写も特徴的ですが、基本的には切...

感想・レビュー・書評

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  • 解説で漫画家の榎本ナリコさんが書いていてはっとしたのが、この本の中の世界では、男も女も性的でありつつも性と隔絶されている。去勢されているという部分。
    性愛をメインテーマとして扱いつつも、生々しく感じない、美しさとある種の悲しさ・憐みを感じるのはそれが根底にあるからなのかもしれません。

  • 切なさいっぱいのSF短編集。
    狭義のSFにこだわる人は受け付けないかもしれませんが、この作品におけるSFはギミックに過ぎないと思います。
    時に聖性すら帯びる小悪魔的な少女の媚態、ユーモアとエロスが織り交ざる独特の雰囲気など森奈津子が森奈津子たるゆえんがたっぷり堪能できる隠れた名作。
    収録作もバラエティーに富んでいて楽しめます。

    個人的に好きなのは「いなくなった猫の話」。
    場末の酒場の女(といっても十分若い)の回想から幕を開ける異色な冒頭からしてちょっと毛色が違いますが、淡々としながらもしっとりした艶を含む語り口にいつしか魅了され、拾った猫の子との間に愛情を育んでいく姿が目に浮かびます。

    「人生って、得ることと失うことの連続だと思わないかい?
    獲得と喪失の繰り返しって言えばいいのかな。
    形あるものはいつかは壊れるって言うじゃないか。
    それと同じだよ。
    手にしたものは、いつかは失う。
    愛した者とも、いつかは別れる。
    得たり、失ったり。それの繰り返しさ」

    少女は砕瓜を迎え大人になる。
    それは神秘に包まれた少女性を喪失し、「女」という別の生き物に生まれ変わる事。

    大きな喪失を体験した小夜の言葉に、森作品に通底した「喪失と再生」のテーマを見るおもいです。

  • あとがきにスタンディングオベーション。
    この作家は信用できると思った。

    『実は、この世の小説や漫画やアニメや映画やテレビドラマには、私の嫌いな少女が掃いて捨てるほど出てきます。
    弱くてバカで、自立していなくて、甘ったれで、すぐに涙を見せ、よい意味でのプライドに欠けていて、男に対する依存心が強く、危機的状況になるとすぐに悲鳴をあげ、怒るとヒステリーを起こし、たびたび第三者に偶然スカートの下のパンツを見られてしまう(自分の意思でパンツを見せるのなら、許してやるのだが)』

  • からくりアンモラル

    SFを舞台装置にした、性愛をテーマにした短編集です。
    タイムトラベル、レプリカント、人と動物のハイブリッド、吸血鬼、テレパシー。いろいろな舞台装置の上でいろいろなアイデアが盛り込まれています。
    でも、何か違和感があるのは、視点が偏っているのと、物語が紡がれていない点なのかなあ?と思います。
    ちょっと長めのショートショートという感じですか。
    ちょっとエッチ(結構エッチかも)で軽いノリで楽しめて、その後に少し考えさせられるという本をお探しの方にはお薦めします。

    竹蔵

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 性愛SF。SF?っていうのもありましたが面白く読みました。
    嗜虐性の高いお話が多かったように思います。でもどこか切なさも帯びていて好みでした。
    お話は「いなくなった猫の話」「ナルキッソスの娘」が好き。性愛は「愛玩少年」「一卵性」が好きです。「レプリカント色ざんげ」はまさか羊が語り手だと思わなくてびっくりしました。

  • 性愛SFというだけあってかなり直接的な性的表現が出てくるので苦手な人はいるかもしれないが、好きな人には深く刺さるであろう、独特な雰囲気を持った短編集だった。

    「からくりアンモラル」☆☆☆
    思春期を迎えた少女が自分を性的な目で見られることに嫌悪感を覚えるというのは物語でよく見る描写だが、そこからロボットを通して自分を見ることで愛のようなものを得るというのはおもしろい。

    「あたしを愛したあたしたち」☆☆☆☆
    思春期を迎えた少女が自分を性的な目で見られることに嫌悪感を覚えるという構造は「からくりアンモラル」と同じ。
    過去・現在・未来の自分たちで互いに自分を慰めるというのは、一見ひねくれた自己愛のようだが、それがとても真っ直ぐなものに感じてしまう不思議。

    「愛玩少年」☆☆☆☆
    私にはマゾヒスティックな趣味はないので直接的な性的興奮を覚えることはなかった。
    しかし、ラストシーンで唯一の理解者となりうる存在が奪われたときには何か変な高揚を覚えた。
    とても残酷で悲しい出来事のはずなのに、Mのひととかいわゆる寝取られ趣味の人の気持ちが少しだけわかったような気がした。

    「いなくなった猫の話」☆☆☆☆
    私の好きなロマンティックSF。

    「繰り返される初夜の物語」☆☆☆
    無意味と知りながらロボットに恋して振り回される愚かな話。

    「一卵性」☆☆☆
    一卵性の双子を愛するというのはこれまた変わった自己愛か。

    「レプリカント色ざんげ」☆☆
    SFにありがちだが、変わった世界の出来事の紹介のような物語で、あまり登場人物の精神に触れた気がしなかった。

    「ナルキッソスの娘」☆☆
    美談のように書いているが、私はヒロシのような適当な男が苦手なので、感情移入できなかった。

    「罪と罰、そして」☆☆
    サディストの愛というのは、言わんとしていることはわかるのだが、私には理解しがたい感情だ。

  • 短編集。SF。エロSF。恋愛。
    SF設定は、ロボット、タイムスリップ、吸血鬼、キメラ、記憶移植、共感能力、アンドロイド、記憶の共有など、さまざま。
    エロいし、SF設定ではあるけど、基本的には切ない恋愛がメインだと思う。
    なかでも特に切ない「いなくなった猫の話」が素晴らしい。
    「繰り返される初夜の物語」「レプリカント色ざんげ」もとても好き。

  • 思いの外エロいが青春エロなので趣味ではなかった…
    もう私は若くないのか…

  • 2回目

  • お笑い官能小説から入った身としては、この作者さんの切なくて痛い文体は新鮮でした。「一卵性」が特にお気に入りです

  • 中途半端なSF要素は寒いからあんまり無理しないでいいのに

  •  表題の作品は泣ける。
     基本的に割と良い話なのではないかしら。少しだけセンチメンタル。

  • タカノ綾さんの絵が正しいくらいはまっている。エキセントリックで、危うくて、懐かしい。

  • どの物語にも勢いがあって、一日で読み終えました☆
    だいぶエロチックですが、この作者様の文体はわかりやすくて好きです。
    親しい友達にオススメしてしまうかもしれません☆

  • 絵に惹かれて読んでみたけど…倒錯してるな~

    耽美かもしれないが、苦手。

  • タカノ綾氏のイラストに惹かれて読んだのですが
    面白かった
    お気に入りは
    『繰り返される初夜の物語』
    と、『レプリカント色ざんげ』です
    映画『イノセンス』とか『ブレードランナー』とかにも繋がるような
    普段、SFとかって小説じゃあ読まないのですが
    もっと読んでみようと思いました

    力関係が歴然と決まってる社会って
    まやかしの平等を訴えている世界より自分の立ち位置が判っていいなあ
    人間が全く平等だったら、物語って生まれるかしら


    そんなことよりなにより乙女なエロがよい

  • 百合でSMで男の子は報われない、そんな話。

  • ナルキッソスの娘がすきです。
    少女!エロ!

  • 表紙や扉絵のイラストがキュート。濃密にいやらしいのに、対象が美少女、美少年、レプリカントなので淫靡なのにどこかツルリとした印象。どれも奇想天外で面白かった。

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著者プロフィール

作家。1966年、東京都生まれ。作品に、「お嬢さま」シリーズ、『地下室の幽霊』(いずれも学研)など。

「2017年 『脇役ロマンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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