本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784150309022
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
多様なテーマを持つ短編が詰まった一冊で、特に女性の心の動きを巧みに描写しています。中高生の頃に親しんだセンチメンタルなSFファンタジーの雰囲気が漂い、どの物語も心に響く印象を残します。表題作『そばかす...
感想・レビュー・書評
-
8つの短編が入った1冊。
本当はアンハッピー寄りの物語が
あまり好きではないのですが
ここに編まれた話はどれも
中高生の頃読んでいた
ちょっとセンチなSFファンタジーの
香りが漂っていて…嫌いになれない。
ブラッドベリから受ける印象に近い?
表題作でもある
『そばかすのフィギュア』がいちばん好き。
こんなふうに推しのフィギュアに
擬似知能を埋め込むことなんて
もうすぐ本当にできてしまいそうだよ。
『月かげの古謡』もいい。
美しくも、物悲しい。
コミカライズを見てみたいなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SF・ファンタジーの作品を8編収録した短編集
表紙のデザイン、各短編につけられているイラストはどこか可愛らしさを感じさせるのですが、内容は全体的にシリアスなものが多いです。
表題作「そばかすのフィギュア」は、自分たちがデザインしたキャラクターが入賞し、その副賞として、デザインしたキャラクターたちのフィギュアが送られてきた学生たちが主人公。そして、このフィギュアのみそは、主人公たちが考えた設定に準じて、自立的に思考や行動をおこなうところです。
このフィギュアたちの設定は、すでに相思相愛の王子と姫そして王子に叶わない片思いを抱く女の子です。そして、このキャラクター達をデザインした靖子は、王子に片思いを抱く女の子のアーダに、自分の今の境遇と重ね合わせます。
アーダは王子と姫が結ばれることが王子のためと考えその恋心を隠し、王子のために行動し、また靖子も先輩のため、自分の気になる男性と先輩との仲を取り持ちました。
そのため靖子は、アーダがなんとか王子と結ばれるようフィギュアのアーダの仕上げを丁寧にしたり、そばかすを消して、より顔をきれいに見せようとしたりと、なんとか二人を結び付けようとします。
叶わない恋心とフィギュアのアーダの純真さが、可愛らしくも切ない短編でした。また靖子がアーダに自分の姿を投影する描写も、なんだかうなずけてしまえます。
そしてアーダと靖子の二人の関係の結末も切なく、とても完成度の高い短編だったと思います。
虚弱体質のため、ずっと無菌室で過ごしてきた女性と、彼女を世話するアンドロイドの姿を描いた「雨の檻」
どんでん返しの驚きと、ラストの切なさが印象的です。
美術学校に入学したものの、そこで居場所を見つけられない少年と、ロボットの交流を描いた「カーマイン・レッド」
ピイの好きな色はこの、カーマイン・レッドなのですが、なぜ彼はその色を選んだのか?
二人の交流を通して、人間と機械の壁がところどころで見られるのですが、それに対しピイは何を考え、カーマイン・レッドを選んだのか。それが分かる場面は、どこか胸が締め付けられます。
クローン人間とオリジナルの会談を描いた「セピアの迷彩」
オリジナルの夢見ていた一生を、なぞることを宿命とされたクローンとオリジナルの対面は、倫理的な問題や、それぞれの人生の問題が絡み合う、重厚で、そして残酷な短編です。
短編集の中で最もファンタジー色の強い「月かげの古謡」
強い領主を父に持ち、幼いころから力や強さが正義だと教えられてきた主人公が、父に認めてもらうため、財宝を探しにいきその先で不思議な女性と出会う短編。
幻想的で静謐な描写も、主人公が徐々に領主としての責任や、この不思議な女性に好意を持っていく描写も素晴らしいのですが、単にハッピーエンドで終わらせず、静謐な描写と相まった、静かな寂しさの残る幕切れも、読者の心に残ると思います。
初出から25年近く経った作品ばかりなのですが、それぞれの作品にある残酷さ、あるいは切なさは決して古臭いものではなく、今も、そしてこれから先も読者の心をとらえるものだったと思います。
第24回星雲賞〈国内短編部門〉 -
SF系の短編集。星雲賞を受賞したらしい表題作は面白かったが、ほかは読んでて眠くなってスキップした。ほんと、表題作だけ良かった。
-
綺麗で切ない系です。
表大作もよかったけど、最初の雨の檻でぐっと引き込まれて、そのあとのどの話もよかった… -
表題を含む短編集。
SFなんだけれどファンタジーでどれも女性の心の動きがとても良い、それぞれ違う立場なのに感情移入ができる不思議。 -
小説
-
とても良かった!長編も読んでみたいと思わせられる短編集だった。
-
著者の初期短編集ということで、17歳で発表(!)したデビュー作から93年作までをまとめた一冊。確かに出来にばらつきはあるけど、どれも著者らしさを感じさせる話だった。日本舞踊や音楽など普段あまりSFと結びつかないテーマをとりあげるのが上手い作家だと再確認。好きだったのは「月かげの古謡」。ちなみに「カーマイン・レッド」ピイ・シリーズの続きは「プリズムの瞳」。
-
「カーマイン・レッド」のラストシーンの鮮烈な美しさが初めて読んだときから忘れられない。
それからなんといっても「カトレアの真実」。
切なく美しく謎解きの楽しさも物語としての重みもある。完璧。 -
SF童話的な短編集
《雨の檻》外に出られない少女。ゴム人形の親友。外に出て初めて知る真実とは……?
《そばかすのフィギュア》お姫様にはなれないそばかす娘。報われない自分を重ねる……。
《お夏 清十郎》踊れない踊り子。時遡の力と孤独。夢の中の清十郎を追いかける。
《月かげの古謡》お姫様への求婚。男が試練を受ける。姫の代わりに問題を出す妖やかし。妖やかしに惹かれていく男。試練は終わるが姫と王国はすでに……。 -
-
なんとキュートなタイトルでしょう!びっくり仰天のアイディアとか、面白いガジェットが飛び出すわけではありませんが、かえってそれが古さを感じさせません。SFの舞台装置を借りながら、人の内面をじっくり見つめたバリエーション豊かな作品集です。
-
恋愛やジュブナイル要素が印象的だが、さりげなくSF的な世界観。「本格」的なSFを敬遠してしまう人にも読みやすい。
一見、ほんわかして優しい話が多いが、オチや背景には残酷な面もある。人の心の温かさと、酷薄さが相際立つ短編集。 -
SF風味の短編集。
オチが予測しやすい話かもしれないけれど、『雨の檻』が好き。
恋愛と絡めた話が多い気がする。そういう話は立て続けに読んでしまうと、印象が似かよってしまうので勿体ないことをした。 -
短編集なんだけど、やや珠玉混合な印象。というか、好みの分かれるくらいのバリエーションがある印象かな。
表題にもなっている「そばかすのフィギュア」はじんわりくる切なさがいいと思う。
最終話の「月かげの古謡」もややありがちだけど、いいと思う。 -
初・菅浩江。短篇集なせいかライトなものが多くて読みやすかった反面、あまり心に残るものもなかったような。
-
初期短編集。移民宇宙船やクローン、機械人形などが出て来て世界観的にはSFなのですが、内容は青春ものだったり恋愛ものだったりミステリだったりホラーだったり。SFって懐が大きいんだなあと改めて実感。ドロリとした怖さが底に秘めていたり、冷たい寂寥感が漂っていたりともの悲しい作品が多かったです。
-
星雲賞を受賞した表題作「そばかすのフィギュア」、デビュー作「ブルーフライト」など、八篇の初期作品を集めた珠玉の短編集。
もの悲しくも美しい物語をお楽しみください。 -
8つの短編小説。切ないけど、優しい話ばかりだった。
「お夏 清十郎」は、時間飛行ができる日舞の家元・奈月のお話。
過去へ行って、当時の名演を見聞きし、受け継いでいくために時間飛行を繰り返す。しかし、時間を超えることはまだまだ研究途中で、彼女の体に大きな負担をかけてしまう。自分が満足に踊れなくなってしまっても時間飛行を繰り返す奈月。その理由は、時間の狭間にいる清十郎に会うためだった。 -
SFとファンタジーの入り混じった、不思議な雰囲気の短編集。
病気を理由に移民船の一角に閉じ込められて、たったひとり、変化のない毎日を過ごす少女。悲恋の行方を自分のクローンにたくす女性。意識だけで時をさかのぼる特殊能力をもち、失われた伝統芸能をその目に見て復活させる使命を持ち、繰りかえし過去に飛ぶ女性……切なく美しく、どこか優しい8編の短編。
収録されている作品のなかでは、『カーマイン・レッド』がいちばん好きだったなあ。人間によく似た自動人形の少年・ピィ。無体な扱いを受けてもそれを当然と受け入れ、感情というものを理解できないでいる彼の、機械のこころ。切ないです。
あと少女。少女に萌ゆる! 少女好きの方ならきっとこれ好き!(なんだその紹介のしかた……)
菅さんって、むかーし『ゲッツェンディーナー』と『メルサスの少年』を読んだような記憶があって(そうとう昔なせいで、うろおぼえですが)、なんだか主人公がものすごい大変な目にあっていて、読んでいてすごくしんどかったんだけど、でも面白くて、読み終えてすごい感動したような覚えがあります。
あと、いま著作リストを確認していて気づいたんですけど、私たぶん、小学校中学年くらいのときに『オルディコスの三使徒』も読んでる。あれって菅さんの本だったんだ。なんか当時の自分のアタマには、難しかったような気がするんだよなー。いま読んだら面白いかもなあ。
今回は友達から借りて読んだのですが、またそのうちほかの本も探してみようと思います。
著者プロフィール
菅浩江の作品
本棚登録 :
感想 :
