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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784150309046
みんなの感想まとめ
時間を遡ることで人類の未来を変えようとする壮大な物語が展開されます。人型人工知性体メッセンジャーたちが、滅亡の危機にある人類の希望を託され、過去へと送り込まれる中、オーヴィルというキャラクターの切ない...
感想・レビュー・書評
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これは私には合わなかったというしかない。他のレビューでは結構評価が高いようだが、面白くないものは面白くないというしかない。未来で生み出された知性体が、ETの侵略を防ぐため、過去に遡っていき、現地の人々を指導するというもの。邪馬台国が最後になるが、歴史の分岐というあたりの理屈はなかなか分かりづらい。
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邪馬台国の卑弥呼の時代に現れた謎の地球外生命体。それらと2300年後の未来から来た使者が共に戦う時間遡行SF。
しかしながら、”邪馬台国の卑弥呼”というのは、どうも腑に落ちないですね。おそらく、『渡部昇一の少年日本史』に書かれている事が、真実かなと思うのですが…
以下、『渡部昇一の少年日本史』P19抜粋-
(前略)
邪馬台の「台」は「と」と読めますから、「やまと」に「邪馬台」という漢字を当てて書いたのでしょう。しかも相手には野蛮国という先入観がありますから、「邪」という悪い漢字を使っているわけです。
そこの支配者は卑弥呼という女王であるというのも、どこかで耳にしたことなのでしょう。日本人から見れば卑弥呼は「日の御子(みこ)」です。日本人は昔から天皇のことを日の御子と呼んでいたのです。だから卑弥呼とは天皇のことなのではないでしょうか。
(中略)
しかし「魏志倭人伝」の作者は野蛮人の国の日の御子だから「卑」という字を使って卑弥呼としたのでしょう。
(後略)
以上、抜粋終わり-
結局、白髪三千丈の国の言う事なので、嘘偽りが混ざっているのは仕方ないところ(李白は好きなので、誤解なきよう)。ちなみに本作の著者は、作中で畿内説をベースに本作を書いています。前置きが長くなりましたが『時砂の王』のあらすじと感想。
巨大で不気味な物の怪に襲われた邪馬台国の女王・卑弥呼は、”使いの王”を名乗る者によって救われました。彼は、地球壊滅から62年後の2598年、海王星の衛星トリトンで目覚めた、強健な身体を与えられた人型人工知性体。敵対する謎の増殖型戦闘機械群を追って絶望的な時間遡行戦を行う中、西暦248年の邪馬台国に降り立たったのでした。彼は卑弥呼と協力し、その時代の人々を巻き込んで人類存亡をかけた最終決戦が始まります。
多分岐する時間枝を遡って戦い、時に第二次世界大戦、時に猿人の時代まで遡ったりと、タイムパラドックスもなんのその。ただ「地球人類の生存に奉仕する」という第一任務の遂行のために敵との戦闘に明け暮れます。そんな自分たちの行動が、後の時間枝にどのような影響がでるかを、当人たちでもわからなくなっているのがなんともメチャクチャで可笑しかった。あとは、時間遡行した先の大戦時の人類が、利権や愛憎などで協力し合えないという構図が、人類の特徴をよく現しており、卑弥呼の時代の人々が、ロクな武器もないのに団結して戦う姿がとても印象的で良かったです。そのあたりが、”使いの者”のセリフ(P255)に表れていて、感慨深いエンディングにも繋がっていたのだなと思いました。 -
あまり海外文学に詳しくないので、海外の作品をよく紹介してくれるラジオ「空飛び猫たち」を参考に選書しています。
https://www.instagram.com/radiocatwings/
たまーに日本の作品の紹介があり、こちらはそのうちの一つ。小川一水さんは、以前読んだアリスマ王の作品が本当によかったので、選びました。
SFの真骨頂という感じの、ヒストリカルイフ、タイムトラベル、ターミネーター、クロノ・トリガー、シュタゲを凝縮(最高)。
3世紀、邪馬台国の女王卑弥呼を襲う謎の増殖型戦闘機械軍、ET。ETは未来26世紀の世界を滅ぼしただけでなく、人類の完全殲滅を目論んで過去にまで出現するのであった。それを阻止すべく作られたのは、人形AIのメッセンジャー。メッセンジャーは絶望的とも言える充満年の時間遡行の旅へ。そして卑弥呼(彌与)とメッセンジャーのオーヴィルは出会う。
歴史のイメージだと、御簾の中からは出たことがなさそうな卑弥呼さまも、この世界線では前線に出て戦うかっこいい女王です。そしてメッセンジャーオーヴィルの心にずっといるのは、26世紀においての恋人サヤカ。彼は何百との戦いを経て、疲弊しきっているが、決して諦めていない。そういう話ではないけど、影のあるイケメンに弱いもんですよね…。
迫力のあるバトルと、そのアイデア力に感服する一作です。 -
#日本SF読者クラブ 人類はETが造りだした「バーサーカー」に敗れ去り、もはや滅亡は避けられない。人類は最後の望みを託し、人型人工知性体メッセンジャー達を戦略支援知性体「カッティ・サーク」とともに過去へと送りこむ。「人類滅亡」の未来を変えるというか、時間軸を分岐させるにために。ちょうど「ターミネーター」とは逆の設定となる。メッセンジャーの一人オーヴィルのハードで切ない物語にシビれる。しかしながら、最後は唐突ともいえるハッピーエンドを持ってこなくても良かったのではないか。どこかの分岐された時間軸で、ハッピーエンドの世界がきっとあるはずだから。何度も読んだお気に入りの作品。
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初一水。『卑弥呼』と聞いて相当期待したんだけど…思ってた程ではなかった。結局ETとはなんだったのだ?私は別の人類が造ったものだと思う…。オーヴィル(人工生命体)のサヤカへの想いは、紛れもなく愛だった。目の前の人を救うのか——はたまたそれらを見捨て、人類の未来を選ぶのか——よくある疑問だが、わたしは名もわからぬ人類より、目の前の大切なひとを救うことこそ未来を救うことに他ならないと思う。それにしてもオーヴィルの時空を越えた、長い長い闘いには言葉もないよ…。星三つ半。
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何かでオススメされていて、卑弥呼が戦うSF?なんだそれは面白そう、ということで購入。
かなり詳しく書かれたレビューが沢山あるので、あらすじ諸々はそちらに任せます(笑)
人類を手っ取り早く滅ぼすためには、時間軸を遡って、大した戦力を持たない時代に暴れれば楽だということですかね。
クロノトリガーというゲームで、未来で宝箱取ったり敵を倒しても、過去の時代に行くと、まだ生きている(残っている)っていうのをなぜか思い出した。
時間を使ったお話としては面白いのだけど。
時間超越をして卑弥呼の世界に現れたメッセンジャーOが、どのような使命を負って動いてきたのかが書かれたパートについては、感情移入がしにくかった。
人が有する感情の物語、として分かりやすく読みたかったのかもしれない。 -
初小川一水。ずっと積んでいたがこの度読了。
250頁ちょっとの中にいろいろな要素が盛り込まれているが、キレイにまとめられている。
今年に入ってから三体三部作を読んでバチバチにSFにハマった身としては(前々からSFに興味はあったのでネット上で「おすすめのSF」と調べれば名が挙がるこの本を買ったのはそれよりずっと前だったが)、もう少し詳細な描写で長~く読んでいたかったが、これはこれでサクッと読めて非常に面白かった。
小川一水の大長編「天冥の標」も読みたくなった。 -
壮大なタイムパラドックス、タイムリープSF小説。宇宙規模の戦いの歴史をコンパクトにまとめて居るけれど内容はかなり重め。でも文章は非常にこなれていて非常に読みやすいです。人類を救うために作られたクローン?人造人間?のメッセンジャーと言われる人々が、奮闘して人類を滅亡から救おうとするのですが、敵も味方も時代を超越して戦うので26世紀頃と卑弥呼の時代と紀元前10万年を入り乱れてで壮大極まりありません。
パラレルワールドの何処か一つでも人類が生き残る未来があれば、そこを死守するという人類の大義と、今この時に愛着を持ってしまったメッセンジャーオーヴィルの奮闘が次第に目的がずれて行く所がとても美しい。
結末迄美しい名作です。 -
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邪馬台国に未来の戦士が降り立ち機械群と戦う!
例えると、ナウシカの所にターミネーターがやって来て風の谷の人達やペジテの人達と協力して悪意を持ってるオーム達に絶望的な戦いを挑むといった話!
タイムパラドックスは置いといてアイディアが面白い!SFってやっぱりアイディアだよねと思わされる一冊! -
26世紀、謎の戦闘機械によって地球は壊滅的な被害を受け、人類滅亡へのカウントダウンが刻一刻と進む中、それに抗おうと人類は自ら作り出した人工知性体を過去へ送り込む。目的は敵が現れる前に地球を抑え、出現時に壊滅させることである。それに対して敵も時間を遡るようになり、戦闘機械と人工知性体による際限り無い時間遡行戦争が始まった。幾度も過去への遡行を繰り返すうちに人工知性体のオーヴィルがたどり着いたのは3世紀の邪馬台国。そここそがが未来の全人類の存亡を懸けた最終防衛線であった!
幾度も戦闘機械と対戦して勝ったり敗れたりしながら邪馬台国にやって来て卑弥呼に出会う。話の舞台はいいと思うし、オーバーテクノロジーはそうなんだけど、それでも制限をつけることでその時代にあった戦い方をしているのは面白いですね。
紀元前98579年から紀元2598年までの超長期に渡る壮大な物語で、時間枝が幾重にも生まれる中で何が正しくて何が正しくないのかといった葛藤も書かれています。1つの世界を守ることで他に生まれたいくつもの世界を見捨てるのは良いのか?みたいな。
ただやっぱりキャラクターが薄いというか感情移入しにくいというか感銘を受けないというか・・・主人公が魅力に欠けるのかな。なんだろうこの消化不良感は?
ふーん、ふーん、ふーんって感じで読み終わってしまいました。
SFは現実には存在しない架空の未来の技術を使い、それでどういう話を仕立てあげるかっていう作者の想像力がメインだとは思いますが、それでもやっぱり小説としてキャラクターといったものや、文学的なテーマとかも必要だと思うんですよね。
それがちょっと感じられないかなーって。
そんな批判めいたことを書きましたが、手離しでオススメはしませんけどそこそこ面白かったですよ。
SFものとしては比較的読みやすいと思います。 -
タイムトラベル×卑弥呼という舞台設定だけでも好奇心をくすぐられるSF。更にこの舞台設定に時空を超える愛が練り込まれてる。時間軍の設定も構成も工夫されているし、邪馬台国の民衆と「物の怪」の戦闘もなかなか面白かった。もっと細かく書こうと思えばいくらでもできそうなところをスッと終わる潔さ。
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未来の人型人口知生体と卑弥呼、敵は古代神話に出てくるような物の怪。
この取り合わせが、作者の発明。
きわめて“ひと”に近い人口知生体が、二度と自分の過ごした時代には戻れない宿命を帯びて、人類の滅亡を救うべく、歴史をさかのぼる。
時間SFとしては定石のストーリーであるが、滅亡させようとする勢力の理由と、滅亡してしまう理由が、現代の我々への警鐘であることにポイントがある。
敵である「増殖型戦闘機械」群との戦闘がその時代ごとに違ってきて、ついに決戦となった邪馬台国の地の戦いの描写はとても迫力があった。
短いページ数のなかで、壮大なスケールを感じることができた。 -
久々にSFっぽいSFで満足。面白かったが最後の2010だけはもう少し夢がある感じにして欲しかったかな。
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時間SF。
卑弥呼が主人公として活躍するSF。斬新。
読みやすく、面白いが、なかなか悲しい。
未来の人類が過去に行けるようになったが…、過去の世界で戦争をするとなると、技術力・資源・情報など問題は山積。想像力が試されて楽しい。
個人的に、面白いだけに、もう少しボリュームがあっても良かった。
ET側の立場からの視点も1章くらい観たかった気もする。 -
壮大な話が読みやすい文章で書かれている。
翻訳本にはない日本らしい言葉遣いが美しく、清々しい気持ちになった。 -
10万年に及ぶ壮大なストーリーをコンパクトにまとめている。悪く言えば粗筋のよう。細かい事は考えない方がよい。
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ネタバレせずには何もかけない。
キャラはいい。わりとオーソドックスな造形だけど、かっこいいものはかっこいい。
タイムパラドックスにかなり正面から向き合っている。でもやっぱり、今平和なのはこれから俺たちが救けに行くから、ってへんだよね。どうやって過去の戦禍を知るのか。平時ではないから開発される道具は、平時には開発されないんだよね。
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