天涯の砦 (ハヤカワ文庫JA)

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  • 早川書房 (2009年1月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150309459

みんなの感想まとめ

極限のサバイバルを描いたこの作品は、宇宙の孤立した環境で生き残りをかけた人々のドラマを描いています。破滅的な事故によって漂流する軌道ステーション内で、わずかな生存者たちは空気ダクトを通じて声を交わし、...

感想・レビュー・書評

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  • 小川一水の長篇SF作品『天涯の砦』を読みました。
    長篇のSF作品を読むのは久しぶりですね。

    -----story-------------
    〈壁の向こうは、すべてが敵だった──小川一水作品史上、最も過酷なサバイバル極限の人間ドラマ〉

    軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。
    その残骸と月往還船からなる構造体は、無数の死体とともに漂流を始める。
    だが、隔離された気密区画には数名の生存者がいた。
    空気ダクトによる声だけの接触を通じて生存への道を探る彼らであったが、やがて構造体は大気圏内への突入軌道にあることが判明する...。
    真空との絶望的な闘いの果てに待ち受けているものとは?
    ―小川一水作品史上、最も苛酷なサバイバル。
    -----------------------

    2006年(平成18年)に刊行された作品です。

    破滅的な大事故により真空を漂流するステーション……わずかな気密区画に残された生存者の、絶望的な闘いの果てに待ちうけるのは?

    漂流するステーション内にわずかに残った気密区画に取り残された数名の生存者たちは、互いの姿を見ることもできず、空気ダクト越しの声だけを頼りに状況を共有し、励まし合い、時にぶつかりながら生き延びようとします……狭い船室から脱出したくともドアを開ければ真空で100%の死が待っているという環境、漂流する構造体は徐々に大気圏突入の軌道に入りつつあり、残された時間は限られている、、、

    そんな中でも、彼らは諦めず、互いの声を頼りに小さな可能性を積み重ねていく……巨大軌道ステーション〈望天〉で起きた事故を描くSF作品でしだが、生存者は価値観も違えば、年齢、性別も異なるうえに、ある事情を抱えた生存者や敵対する生存者もあり、極限状況に置かれた人間たちの物語として胸に迫ってくる臨場感溢れるサバイバルSF作品でしたね。

    たまにはSF作品も良いですね……面白かったです。

  • 割と最初の方に真空状態になった(まだ生きてる)人と対峙するシーンが、本当に一瞬の描写だったけどショックでトラウマになりそう…
    偶発的に生き残って極限状態を迎える状況、そんなに上手くいくか行かないかはさておき、絶望的でハラハラする。宇宙を背景に繰り広げられる群像劇。もっと明るさとか起死回生の盛り上がりとか欲しかった。

  • 他の作品と比べると共感できる度合いが1段階落ちるなーという印象。
    登場人物の掘り下げがあまりなされてない。群像劇っぽい構成だから仕方ないというわけではないと思う。それなりの分量もある作品だし。他の作品では多少登場人物が多くてもきちんと掘り下げられているし。
    悪い奴がなぜ悪いことをするのかというのもイマイチよく理解できなかった。
    他方で人災が発生する部分の描写はとても面白かったし、宇宙空間という環境を十分に活用した困難とその克服の過程はスリリングでよかった。
    うーん著者の作品は概ね大好きなので、期待しすぎちゃったかなー。

  • 中から確認できない事故の全容。
    それぞれが隔離された中、つながるのは声のみ。
    他に生存者がいる。それはどんなにか勇気づけられることだろうと思うのだが…。

    硬質なSFとのレビューに、ついていけるか心配したが無用だった。
    作者としても挑戦だったという、それぞれの登場人物たちの強い自我・行動が、物語をひっぱってゆく。
    時折不用に感じることもあるのエピローグだが、この作品では心地よく楽しめた。
    もし映像化されるなら、音と映像で最大限緊迫感を盛り上げてほしい。

  • 『娯楽』★★★★★ 10
    【詩情】★★★★☆ 12
    【整合】★★★★☆ 12
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★★☆ 4
    「可読」★★★☆☆ 3
    「作家」★★★★☆ 4
    【尖鋭】★★★★☆ 12
    『奥行』★★★★★ 10
    『印象』★★★★★ 10

    《総合》85 A

  • 宇宙ステーションができるまでの科学的考察はさすがだし、サバイバルのディーテールも面白い
    真空で空気が循環しないから寝てると苦しくなるとか、純粋になるほどと思う
    人物像はおそらく作者の好みが強く反映されると思う
    天冥シリーズの片りんをうかがわせるアクの強い人物は好みが分かれると思うし、純粋に物語に入り込むにはちょっと邪魔になる気がした

  • 『復活の地』と比べると同じ素材でもずいぶん変わったこと安定だ
    今後どちらへ伸びるか楽しみだ

  • 29:SF+災害パニック、とおいしいとこ取りの一冊。小川作品ではかなり硬めのSFですが、よく練られたプロットとテンポのよい展開でラストまで連れて行かれます。うおお、面白かった……! 設定がややゲーム的、というか役割あってのキャラクタというか、登場人物たちに感情移入しにくいところはあったのですが、壁一枚隔てたところにある真空=死の領域に果敢に踏み込んでゆく二ノ瀬が素敵。幸村誠さんでコミカライズという果てしない妄想をしつつ、SFが苦手でない方には全力でお勧めします!

  • 宇宙での脱出劇。
    楽しく一気読みできたけれど、チョイと上手く行き過ぎだよなと感じてしまう部分もあって読後にモヤモヤ

  • 脱出ゲームようなテンポ、一気に読み終えるぼを唆しいような疾走感。

  • 宇宙に行ったら何が怖いかって話で、確かに空気が無いってのは怖いっちゃあ怖い。空気なんて地球にいれば常にあるんだから、それが無いってのは怖いって。でも考えてみりゃ船に乗って外洋に出てしまえば、まぁ空気はあるけど、船が沈没したら確実に死ぬし。あの水に入っているだけであっというまに身体が冷え切るっぷりは恐ろしい、水も怖い。飛行機だって何かあったら、空気あったってやっぱり落っこちたら死ぬし。まぁそんなこんなで空気が無い分宇宙も怖いけど、それでもいつか行くんだよねぇ。2001年宇宙の旅が出てからずいぶん経つけど、もう2017年になっちゃったけど、別にアンドロメダ星雲まで行けなくても良いけど、もうちっと身近な月あたりとか、真面目に考えた話を読んでると、ちょいと具体的なイメージが湧いてきて、もう少しかも、なんて思っちゃうよねぇ。

  • こんな過酷な状況、私は生き抜けないわ…
    前半くらいで甘海にイライラしたけど、そうなるのも当たり前なのかも。死んで欲しくない人が死んだり、思いもかけないことが起こったり、最後までハラハラしたけど、楽しめた。

  • 暴力描写が苦手なのでちょっとつらいところもあったけど、最終的には満足。
    映画化したら面白いと思うけどなー。

  • うまいこと生き延びた人達のサバイバル話。
    なにしろ短い時間で判断しなければならないことだらけなので仕方ないのだけど、なんか、女子と技術者が短慮でなあ。そんなに考えなしに開けたり閉めたり?という箇所が気になる。
    ネタバレになるが、その解決策はひでえよ。トイレ我慢して損したよ。

  • 面白かったー!前半の閉鎖空間での脱出劇から始まり、ラストに近づくにつれ、裏切り・アクション・恋愛とエンタメ要素が満載。とてもおもしろい。そして、ラストにいい意味で期待を裏切られ、読後感がとてもよかった。オススメしたい本。

  • さすが小川一水!
    面白く、読みやすい!!
    SFはあまり得意ではないけど、一気に読めました。
    キトゥンと功のラストにじーんときました。

    でも、エピローグは甘いなぁ。
    希望ある終わり方だけれど、もう少し辛い方がそれまでの物語にあっていたように思います。

  • 小川一水の長編SF。短編の方がキレが良い作家さんのイメージで居たのですが、塗り替えられました。面白くて一気に読んでしまいました。とても読みやすいので誰にでも勧めやすい内容でした。
    一癖二癖ある人物ばかりで、誰が生き残るんだろうかと云う気持ちでハラハラさせられてみたり、仮にこの2人が生き残ったら幸せになたりするんだろうかなどど妄想しながら楽しめました。
    二ノ瀬と久我山のその後の話なんかもあったら読みたいかも。

  • A.C.クラークの「渇きの海」を読んだのは中学生の頃だった。本作は同じSF設定のディザスターものだが、最新の科学知識が反映されている分、現実的リアリティの面で一歩リードしているのは当然だろう。だが、センス・オブ・ワンダーという面ではどうだろう。SFにしか出来ない自由なイマジネーションがどれだけ発揮されているだろうか。「渇きの海」での、月にある“流れる砂の海”という設定。そこに沈んだ遊覧船のレスキューという物語は僕の想像力を強烈に刺激した。
    断っておくが、僕は本作を評価しない訳じゃない、それどころか凄く楽しんだ。様々なガジェットを駆使して宇宙ステーションを実感させてくれるし、そこで展開する物語はスリルに満ちてもいる。でも、残念ながら現実的リアリティを求めれば求めるほどSF的な驚きは無くなってしまうのだ。僕は“宇宙ステーションが舞台の海猿”が読みたいわけじゃない。センス・オブ・ワンダーと物語的リアリティ。二つを両立した作品こそ、SFの理想なのではないだろうか?

  • ―――軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。
    その残骸と月往還船からなる構造体は、無数の死体とともに漂流を始める。だが、隔離された気密区画には数名の生存者がいた。
    空気ダクトによる声だけの接触を通じて生存への道を探る彼らであったが、やがて構造体は大気圏内への突入軌道にあることが判明する…。
    真空との絶望的な闘いの果てに待ち受けているものとは?小川一水作品史上、最も苛酷なサバイバル。


    小川一水ブームはこれで一旦落ち着けよう
    宇宙を相手どった長編サバイバル

    著者があとがきでリアリティを極めることに挑戦したと書いているように
    素人目にも「起こりそうな」話になっている。主人公たちに、何がどう見えているのかを想像するのが凄く楽しい。

    危機を認識できず、何もしないで漫然と待っている者には幸運は舞い降りない。これまで読んだ小川一水作品の中で、確かに一番ハードでした。





    「私たちは一つの墓にいる。」

  • 宇宙空間の事故でステーションの一部が分離して漂流!生存者なしと見なされ、救出も来ない!閉じ込められた人々は……ドキドキの展開で一気読み!!

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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