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Amazon.co.jp ・本 (100ページ) / ISBN・EAN: 9784150309534
感想・レビュー・書評
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少女時代に続き2冊目の片岡義男。やはり会話の文章が独特。読み進めて地名や名前が出てくるまで、舞台が日本なのか海外なのか分からない感じも独特。この作品集の中では、日常の脆さを感じる「狙撃者がいる」と鮮やかな「白い町」が好き。
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p.2009/5/29
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池上冬樹による片岡義男作品アンソロジー、第1作。
片岡義男といえば『スローなブギにしてくれ』とか『メイン・テーマ』とか自分が子どもだった頃の若い人たちが楽しんでいた人、ちょっとバブリーな、横文字な感じの人、とだけ思っていた。これが解説にもある「作家活動が長いと、作家のイメージは、世代によって印象が異なってくる。」ということだろう。
この短編集には70年代後半から90年代初めの作品が8作。どれも「銃」がキーワード。
通して読んでみて、80年代のものまでは愉しんだ。「心をこめてカボチャ畑にすわる」がいい。かわいていて、具体的で、無駄がない。温かいユーモアもある。
90年代に入ってからの3作は、なんというか凝り過ぎ、細かすぎるように感じた。
しかし「心をこめて〜」を読むためだけにでも、手に取る価値のある1冊だと思った。 -
片岡義男の初期のハードボイトルド短篇集。かつては男と女の関係だったような間柄で、男が女を撃ち殺す短編が三編。女性の殺し屋、女性の連続通りすがり射殺魔の話し。殺伐とした読後感が残るだけ。印象悪し。
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たぶん、楽しい小説って「自由」なんだと思います。
この本に収録されている「彼女のリアリズムが輝く」という作品をぜひ読んでください。
ここに出てくるヒロインの女性、とっても自由な感じがします。
それは、考え方とか環境とか、そういうものが自由なのではなくて、この小説の中で自由に書かれているような感じがするんです。
どういうこと?
意味わかんないですよね。
でも、「衝撃の展開」とか「濃厚なストーリー」とかいわれる小説を読んだあとに、この小説を読めば、そんな気がしてくるかもしれません。 -
駅の構造とか地理的な描写はもうこれでもかってぐらい簡潔かつ正確に(少なくともそう思えるように)なされる。けれどもこれらの描写は、流れを殺さないように言葉のテンポに身を委ねながら、すらすらと読んでいったほうがいいのだろうなと思う。
意味をきちんと取る必要はない、ただ作者のソリッドでとにかくクールな文体を目で追っていくだけでいい。それが片岡義男の読み方なのではないだろうか。
個人的には「心をこめてカボチャ畑にすわる」「夜行ならブルースが聴こえる」「約束」「彼女のリアリズムが輝く」の4編が好きだ。
こういう本は読む環境も重要だろう。夜行列車に揺られながらウィスキー片手に……という風に。そんなんしたことないけど。
しかしながら、人を撃ってばかりの物語が続くので正直いって飽きる。 -
片岡義男といえば、恋愛小説っぽいイメージだったんだけど、なんかハードボイルド?
面白いとはいえない気がする。
あの、ですます調で会話するカップルとかすきなんだけどなぁ。 -
ハードボイルドといえばこの人、だけど初めて読みました。
短編集。必ず鉄砲の描写がある所は好きだけれど、アメリカンよりもヨーロピアンな要素が欲しい自分としては少し△
ただし、「狙撃者がいる」はビンゴ!
昔見た夢に酷似していて、非常に驚いた。
事務所の中の人を撃つシーン。
夢の方では私は捕まるのだけれど。
この人は毎回最後まで書ききらずに余韻を持たせる手法。じゃないともたないのかもしれないね。 -
タイトルがいいよね。
あと、憧れてるもののベクトルが、自分とちょっと似てるのかなあ、と一篇目を読んで思ったんだ。
まあ違ったんだけどね。
読み終わったいまでも、一篇目『カボチャ畑にすわる』は、夕日のなかカボチャ畑に座る少年の影がはっきりと想像できて、きれいな作品だと思う。
同様にイマジネーションをかきたててやまないのは、『白い町』。青い海と白い街といえばギリシャだあね。書かれてないが。
夕日に照らされたシャワーの水滴を黄金色の水飛沫なんて表現するあたりはもう、ロマンチストなんだろうなあと思う。
その真っ白な町が、夕暮れになると、ぼんやりしたところが増える。白を憎む男と、白いドレスを着たい女の話。これもけっこう好き。銃が自然に出てくるしね。
『約束』も短いけど印象に残る作品。男が女を殺す約束を実行するというだけの話なんだけど。短いからこそ逆に物語を感じる。
『彼女のリアリズムが輝く』は、小説家の妻が夫が隠し持っている鍵の存在に気付いてしまって、その謎を追う話。
確かに面白かった。とことんまで女ではなく小説家として行動しようとするむしろこの妻の精神分析をしてみたいものだよ。
まあこの話を読めばわかるんだが、とにかくリアリティが笑えるほどないね。この人の小説。
いるいるwwとは絶対に思わない。「映画にいそうだね」っていう感じか。
『狙撃者がいる』は冗長だった。最初はどうするのかと思ったけど、もうこれ最初の通り魔をやったところで完結でよかったじゃないか。
こんだけ引っ張ってこのラストはないわ。
ラスト『花模様にひそむ』。
とてもきれいな女性(元男性)と、女性(殺し屋)のカップルの話。
設定はそそるんだけどなー。文章力の無さを露呈してしまった作品というか。あえてそう書いているならいいけど、このカップルのあり方が歪んでいるように見えてしまうのはなぜだ。
特に啓子の描写、一度目と二度目で食い違ってる。矛盾してますよ。
「鋭角的ではあるが、どうしてもそれは女性の美しさでしかなかった」と、「化粧をすれば、男性が女装したような」の描写ね。どっちなんだよ。
しかも後者とかすでに順子に使った表現だし。あきあきだよ。
見た感じ完璧なカップルに見えるけど、結局順子は啓子の女性性を、啓子は順子の男性性を求めてるんだよーって感じに見えるな。順子が謎すぎ。
落ちの付け方もなんか強引だし、「へえ・・・そうですか」としか言い様がない。
あと、空間把握の能力というか、恐ろしくそういう能力がない。なにがどこにあるのかの位置関係の説明が、頑張って頭に描いているのに想像できない。右とか左とかばっか使うからだよ。
しかも別に想像しなくても困らないっていう。『狙撃者がいる』もそうなんだけど、地下鉄の道とか、無駄にディテールに凝ることで作者が酔ってそう。
さぞ楽しかったんでしょうねえ、と思う。
特に銃のあたり書いてるとこ。22口径とかトカレフとか三発でしとめるとか出すぎだろ
なんだろう、アメリカのハードボイルド的な雰囲気に憧れてるのはわかるんだけど、いかんせん人間が書けてないし、文章も読めるけどそれ以上のなにもないし、もっと高みに行きたいです、というのが、透けて見えてしまう。
その未熟さが逆にグロテスクで滑稽に感じてしまったなあ。
『カボチャ畑にすわる』と『白い町』路線を今突き詰めてるならいつかまた読んでもいいかも。こういうイメージでぼやっとした映像作品みたいなの書けばいいじゃない。 -
片岡さんといえば、ドライでカッコよすぎるラブストーリーが子供心に印象に残っているのですが(大流行当時小学生)、ハードボイルドの書き手としての一面もお持ちとのこと。その片岡さんは楽しめるのか?と手に取りました。
舞台はアメリカ、日本とさまざまです。銃とくれば美女も出てくるので(笑)、状況や会話はちょっとセクシーなものが多いかも。登場する銃はピストルからライフルまで多彩で、託されたり、自分の意志で持っていたり…といろいろな事情があるみたいだけど、「持っている」という事実が重視されている印象。銃のディテールの描写は、登場人物の手にする飲み物を細かく描くのと同じで、まったくもって片岡ワールドだなと思います。偶然ではなく、みんな意志的に銃を撃ち、その結果、放たれた銃弾は正面から標的にめりこみ、標的がゆっくりと崩れ落ちていく(実際には一瞬だけど私のイメージとして)さまは、まんまチャンドラーの世界!
個人的には『心をこめてカボチャ畑にすわる』の、1人で犯人を護送する女刑事さんがカックイー(笑)。『夕陽に赤い帆』は、もう典型的なノワールで、ラストもビシッと決まってます。『狙撃者がいる』の、「自分には自動ピストルが合っている」と感じて、銃を撃ちまくる主人公にまったくリアリティはないけど、「やろう」と思う瞬間の心情があまりにリアルで、背筋にぞっときましたー。
恋愛モード極小のセレクト(銃の出てこない、夫婦の話が1編だけあります)なので、そちらを期待すると外すかしら…と思うメニューでした。最初は甘くみて☆3つだったのですが、読んでいくうちに「このスタイリッシュさもいいな」とハマっている自分に気がついた(いつものパターン:笑)ので、☆1つ上げました。
-----[2009.4.20 未読リストアップ時のコメント]-----
読むか読まないかは別として…『物語の幸福』を読了した直後に刊行されていたのを発見して、微妙な衝撃を受けた本(笑)です。選者の池上冬樹さんによれば、拳銃の出てくるハードボイルド片岡作品ばかり集めた短編集(『本の雑誌』2009年5月号より)だそうで。それにこの表紙…私的には『ルパンⅢ世Part2』オープニングの、「つけ終わった口紅をリボルバーにこめて、バキューンと撃つ峰不二子ちゃん」のイメージ(笑)。
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