ミス・リグビーの幸福 蒼空と孤独の短篇 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2009年6月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784150309589

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プレミアム

みんなの感想まとめ

探偵が主人公でありながら、事件解決よりも人間の心の動きや環境描写に重きを置いた作品。21歳の私立探偵アーロン・マッケルウェイは、依頼内容が血生臭さとは無縁で、むしろ依頼人の心のひっかかりや気まぐれを反...

感想・レビュー・書評

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  • 21歳の私立探偵アーロン・マッケルウェイはその若さゆえ出会う人々に若さを指摘され驚かれ依頼を本当にこなしてくれるのかと不安をもたれることもある。彼が受ける依頼内容は血生臭いものでなく依頼人の心のひっかかりや気まぐれに由来するといってもいいようなものだ。それもありこの短編集は私立探偵が主人公であるにも関わらず探偵ものの色は薄い。探偵と依頼案件は人々の気まぐれや独自のロジックで動く心理や行動を浮き彫りにするためのツールでしかないといってもよい。それらがまた前面にあるわけでもなくむしろ背面にあり、前面にきているのはふつうなら背景に相当する、作中人物が生きる環境だ。それは強い陽射しやそれゆえに壁や地面にできる濃い陰、アーロンが飲むコップに入った水だったり、風に揺れる椰子の木だったりする。
    作者が確固たる意図で作り上げた、他人にも自身の感情にも過剰に反応しないアーロンは狂言回しの役割も担っていることもあり一見淡白な人物に感じられる。しかしこの短編集の面目躍如たるところはアーロンもその他作中人物も生の感覚に素直に反応しエロティックといってもよいような生き方を実はしてことであり、それを人間臭いものとして端折るどころか無縁な「背景」を細やかに描くことを通して強調しているところである。片岡義男、おそるべし。

  • 89029

    2 カリフォルニアを舞台に虚無感をたたえた人間たちが浮かび上がる。悪くはないがもうひとつ物足りない。

  • 水のような探偵だ

    事件は時にほっぽりだし
    解決することも、しないこともある

    ただ、後から登場して、人間模様をじっとみるだけの探偵だ

    フォークソングが流れ
    エゴと愛が交差する世界だ

    探偵はただ、水のように、そこにあるだけだ

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著者プロフィール

片岡 義男(かたおか・よしお):1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、1974年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。1975年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。

「2024年 『日本語の外へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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