探偵、暁に走る―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309817

感想・レビュー・書評

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  • 地下鉄で乗客とトラブルになっていたところに遭遇したことがきっかけで<俺>はイラストレーターの近藤と飲み友達になった。厄介な部分も持ち合わせている近藤だったが、なぜか彼のことが好きになったのだ。
    その近藤が何者かに刺されて死んだ。<俺>は仕事としてではなく、友人のために犯人捜しを始めるが、そのことを面白く思わない人間に命を狙われることになる。

    2014年7月29日読了。
    シリーズ8作目にして、<俺>に最大の危機が訪れます。
    ここのところ、ちょっとマンネリになってきたかな?と思っていたのですが、久々にハラハラ&ドキドキさせられました。
    そして。彼自身が自分で思っているよりもはるかに周囲の人間から好かれていたことが分かる展開に、ちょっとホロリ。
    この作品から読み始めても十楽しめるとは思いますが、シリーズを最初から順番に読んで来た読者にしか分からない人間模様があるので、やはりこれは最初から読むべきだと思います。

  • 2014.6.28ー46
    ススキノ探偵シリーズ8作目とのこと。
    東直己7冊目にして「バーにかかってきた電話」「流れる砂」に次ぐ面白さ。長編の割にストーリーの捻りには欠けるものの、相変わらず軽快な文章と会話で読み易さ抜群。

  • いつもながらの俺さんワールド。

    きれいな彼女もできて羨ましい限り。

    ストーリー的には比較的まとまっといて読みやすくてよかったかと。

    ★4つでもいいかと思ったんだけどそこまでか?という気もするので厳し目の★3つで。

  • 『探偵はバーにいる』のススキノ探偵シリーズ長篇第八段。
    開始時、主人公の俺は28歳。
    それが、本作では50歳を越える中年に。

    シリーズ物で、主人公がこれだけ齢を重ねるのは中々珍しい。

    開始時は70年代のススキノ。まだ、ポケベル、公衆電話の単語が散見。
    それが、本作では、世間同様。時代は進歩する。
    登場人物の口を借りて、著者の現代への痛烈な批判が随所に散りばめられている。

    なかでも、北海道の地場産業が公共事業というフレーズはとても頭に残っているな。

  • ススキノ探偵シリーズ まだ全話読んではいませんが今までの中で一番スイスイ読めました。
    それまでは「俺」が30代のを読んでいて初めての50代作品。背景も今に近づいてきたからかも。
    近藤さんのキャラも強烈だったし 殺されてしまったのが残念なくらい。
    色々な要素 事件 問題が絡まっていて展開が気になり時間さえあれば一気に読めた作品。

  • 地の文にも会話文にも、「ま、〜」が多すぎて読み心地がすこぶる悪い。
    主人公も他の登場人物も等しく「ま、〜」を多用するので、話者が誰か解りづらい。「まあ、」ならまだしも、「ま、」だとどうしても、良くも悪くも浮いて見える。

    内容は面白いのだが、文章力に難がある。文体は軽くても、文章力はしっかりしていてほしい。

  • 華がいい女なのだ。そんな華でも男とケンカする。年齢で言えば立派なオトナなのに喧嘩する。いくつになっても男女はどうも分かり合えないことがあるのだとあらためて知った。かっこいいと思える二人がケンカして、物語の後半で仲直りする。現実はなかなかそうはいかないが、それでもうらやましく思う。人生によくある、出会って別れた、というだけのことなのだ。
    あまりに本編と関係のないことを書いてしまったので、本作のキーマンである近藤雅章の葬儀にむかう準備をしているシーンから抜粋。『人間は、誰とでもすれ違って、いつか、ずっと会わなくなる。これで最後だ、と自覚して別れる場合は本当に稀だ。「またな」と言って手を振って、それが結果として、永遠の別れになる。それもまた、ありふれたことだ。そうなんだよな。人生の九十九パーセントは、ありふれたことだ。それが、なぜ一々、心にヒリヒリするのか。』

  • ススキノの探偵シリーズ第8弾。
    相変わらず”俺”は世間、特に品格のない若者に対して怒っている。この怒りに甚く共感するのは、自分も歳をとり、「最近の若者は...」と頻繁に思う年齢になったからだろうか。
    このシリーズを最初に読んだ1992年はまだ大学生だったので、本シリーズに対する感想もあの頃と今では違うかも知れないなあ。
    今度第1弾を再読してみよう。

  • 『俺』殺されそうになる!

  • 俺のイメージがどんどん太ってきている。
    年を重ねても俺らしい。
    そんなうらやましい生き方。
    ストリーが、分かりやすくてとても気に入っている。

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著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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